コンサルティングファームで働いている人は日々どのような勉強をしているのか?
新卒採用などをしていると学生の方々から「コンサルティングファームに入社するためにはどのような勉強をしたらいいですか?」「普段からコンサルタントの皆さんはどの様なことをやっているのですか?」というような質問を頂くことが良くあります。今回は、コンサルタントの皆さんがどのような学習を日ごろしているのかについて、お話します。
普段の業務をこなすための業界知識の蓄積
まず、コンサルタントにとって最も大切なことは、今目の前にあるプロジェクトでお客様に対していかに大きな付加価値を提供できるかということです。
コンサルティングファームのプロジェクトの場合は、新卒・中途関係なく最初の1~2年間は大半のケースが初めての業界になることが通常です。プロジェクトにアサインされると最初の1~2日の間に業界やクライアント企業に関する情報を徹底的にあたまに叩き込むことが一般的ですが、全ての内容をその短期間で理解できるはずはなく、プロジェクトが続いている間は、時間が許せばその業界のトピックやプロジェクトに関連したニュースを調べるようにしていました。
業界紙を過去1年間分購入して読み込むことや、業界の最新ニュースを取り扱ったポータルサイトの記事をチェックするなどできることは沢山あります。業界に対する理解を深めることで、クライアントに対してもより本質的な質問を出来るようになり、加速度的に業界に対する知識が貯まるようになります。
また、語学学習において、2つの言語を分かるようになると3つ目の言語の理解が早くなるのと同様、業界に対する理解も、いくつかの業界を重ねることで、よりスムーズに学ぶことができるようになります。
自分の専門性を磨くための業界知識の深掘り
入社して3年を過ぎた頃からは、プロジェクトに関わるトピックを超えて、自分の興味のあるテーマについては継続的にウォッチするようになりました。コンサルティング業界に勤めていると、5年ほど経つと専門性を身につけることが求められるようになります。それらの前に自分が好きな内容について、自ら積極的に知識を貯めていくことで、自分のやりたいことをやれる力を蓄えることが大切だと考えています。
この頃になると、コンサルタントとして人脈も広がりつつあるので、単に書籍やサイトで学ぶだけでなく、インタビューやイベントなどで出会ったエキスパートとも定期的にコンタクトを取るような活動もするようにする方も多くいらっしゃいます。
コンサルタントとしての幅を広げる教養
入社して5年を超える辺りになると、クライアント企業の役員との会議も徐々に増え出すようになります。そうすると、プロジェクトに関連したテーマのディスカッションを超えて様々なトピックについてその場で意見を求められる機会も徐々に増えてきます。また、お客様との会食の席なども増えていくのがこの頃です。
最初の内は、同席しているパートナーなどが対応することが多いですが、クライアントから一人前のコンサルタントとして認めて貰うためには、それらの話題に対してしっかりとしたコメントをできるようにならなければいけません。そうした環境の変化に伴って、一部のコンサルタントの方は、歴史や芸術、スポーツ等、自分の興味がある分野を超えて、時間を投下して学んでいます。
グローバルで活躍するための語学力
最後に、英語についても継続的に学習をしているコンサルタントの方は多くいらっしゃいます。グローバルのプロジェクトの数は年々増加の傾向にあり、コンサルタントとして英語ができないことは付加価値を出す上でかなり大きなハードルになりつつあります。一部のコンサルティングファームでは、入社基準として英語のスキルを設けている会社もありますが、それらのテストに通ったとしても、ビジネスの現場で英語を使うというレベルをキープするためには、継続的な努力が必要です。一部のコンサルティングファームでは、語学研修のための費用補助や、社内での英語学習プログラムなどを用意している会社もありますので、もし英語に不安な方は入社のタイミングで伺ってみることをお勧めします。
最後に
コンサルティングという職業は、他と比べても短期間での成長を求められる仕事であることは間違いありません。長期的に高いパフォーマンスをキープされているコンサルタントの方々を見ると、定期的に過去の自分よりも何が出来るようになったのかを振り返りながら、日々学びを自分の血肉としていくようなマインドと工夫をされていらっしゃる方が多いように感じます。コンサルティングファームへの転職するかしないかに関わらず、是非皆さんも意識してみると良いのではないでしょうか。