コンサルタントには、膨大な仕事を短期間のうちに仕上げることが常に求められます。そのため、日ごろの仕事の仕方において効率性を高める為の工夫をさまざま取り入れている方が多いように思います。今回はそれらの工夫についてご紹介していきたいと思います。
目的とゴールを最初に確認する
仕事を依頼された場合に、いきなりタスクの処理に入るのではなく、まずは、
● 何のためのタスクなのか
● いつまでにどの様なアウトプットを出すことが求められているのか
を必ず確認するようにして見てください。
特に「何のためのタスクなのか」については、入社直後のコンサルタントの多くは聞かずに作業に取り掛かることが多い傾向にあります。一方で、「上司がとりあえず業界の動向を知りたいから纏めて欲しいといっているアウトプット」と「クライアントの担当者から頼まれたので調査するアウトプット」と「幹部への報告資料に活用するためのアウトプット」では、調べる深さや、纏め方などは大きく異なってきます。
「無駄な作業を出来るだけなくすこと」が、効率化の最も大切なことですので、必ず最初の確認作業は実施するように心がけてください。また、このような取組みを部下がすることで、上司も仕事を頼む際に、より丁寧に考えてから仕事を振るようになり、チーム全体としての仕事の効率性も高くなる効果もあります。
最初の確認ポイントは出来るだけ早く設ける
いきなり期限ぎりぎりにになってアウトプットを上司と確認するのは、よっぽど内容に自信があるテーマでない限りは出来るだけ避けるべきです。直接ミーティングの席を持たない場合であっても大丈夫なので、作業に取り掛かってある程度の目途が立ったタイミングで、一度作業を依頼された上司に対して報告する癖を付けるのが良いと思います。
私の場合は、入社してすぐのときは、作業を振られると、まずは進め方をまとめたタイミングで、一度メールで上司に報告をし、その後アウトプットについても大きな構成が出来たタイミングで、再度報告(このときはできれば直接顔を合わせてのミーティング)をするように心がけていました。たとえ相手が忙しい場合であっても、メールであれば迷惑にはならないので、出来るだけ小まめにコミュニケーションを取ることで、間違っていた場合は早く軌道修正が出来るよう気をつけることをお勧めします。
調査を開始する前にメッセージを考える
市場規模や競合の取組み事例などの調査を頼まれた場合、いきなりGoogleなどで検索作業を開始することはやめましょう。仕事を引き受けたら、まずはどのようなメッセージを言いたいのかのメッセージを書いてみましょう。その次に、そのメッセージを伝えるために必要な情報が何なのかを明らかにしましょう。
例えば、コンタクトレンズ市場の動向調査を依頼された場合にも、利用者数の視点で見るのか、用途別に見るのか、地域別で見るのかは、伝えたいメッセージによって調査する優先順位が大きく異なります。このような仮説思考を磨くことで、作業のスピードはどんどん早くなっていきます。
いきなりパワーポイントを作らない
アウトプットを作る際に、いきなりパワーポイントを書き始めることはあまりコンサルタントはやりません。パワーポイントを作り始めると細かいデザインや体裁を触ることに余計な時間を使ってしまうからです。そのため、まずは手書きでノートにメッセージとボディに書きたい内容を整理した後に、スライドを書き始めます。パワーポイントは、あくまでもメッセージを伝えるための道具であることを忘れず、不必要な時間を費やさないように気をつけてください。
日曜日の夜か月曜日の早朝に1週間のワークプランを作る
平日の時間帯は、次から次にクライアントの担当者や上司などから仕事を頼まれてしまい、どうしてもゆっくり時間を取って考えることが難しくなりがちです。ともすると目の前にある仕事に忙殺されて、プロジェクト全体で本当に必要なことが後ろ倒しされてしまうことも発生します。そのため、多くのコンサルタントは、毎週初めにワークプランを作ります。プロジェクト全体のゴールとこれまでの取組み状況を踏まえた上で、チームとして何をいつまでに達成するのか、そのためにはどの様なアウトプットが必要で、自分はどのようなタスクをするべきなのかを整理するのです。最初は1時間ほどかかりますが、慣れてくれば30分ほどでできるようになります。
最後に
コンサルティングの仕事は、やろうと思えばいくらでも働くことができます。だからこそ、効率的に仕事をこなす上で、「必要性の少ない仕事を如何に減らすか」が極めて大切になるのです。
是非皆さんも普段の仕事を振り返って、やらなくても良かったものは何があったのかを見極めて、効率的に仕事をこなすよう心がけて見てください。