コンサルファームへの転職を考えていらっしゃる方にとって、昨今の採用状況は、非常に関心が高い内容だと思います。コンサルティングファームのビジネスも、基本は需要と供給のバランスの上で成り立っていますので、優秀な方であっても、そもそもの採用の枠が少ない状況では、採用はされにくいといえます。
今回は、最近のコンサルファームの採用状況と、今後の見立てについて記事にしてみたいと思います。
直近のコンサルファームの採用状況
最初に結論からですが、コンサルファームの採用数はここ数年で順調に拡大している状況です。
例えば、上場しており情報が一般公開されているいくつかのコンサルティングファームの従業員数は以下の通り、拡大しています。(各社、有価証券報告書より)
離職率だけがここ数年で改善されたというわけではないかと思われますので、新規採用数が増加していると考えて問題ないでしょう。
また、具体的な数値ではないものの、外資系の戦略コンサルティングファームなどでも、ここ数年で採用数は毎年拡大している傾向にあるように感じます。
このように、特定のコンサルファームというよりは業界全体の採用人数が増えているのですが、背景にあるのは「コンサルファームに対する需要の拡大」と「コンサルファームの業容拡大」の2つです。
コンサルファームに対する需要の拡大
コンサルファームの需要拡大の背景にはいくつもの要因が複合的に絡み合っていますが、具体的には以下のようなものが挙げられます。
市場環境と社内環境の両方において、コンサルティングのニーズが高まっていることがわかると思います。また、これらのトレンドは、今後数年ですぐになくなるものではなく、むしろ、今後更に高まっていくものも多いことは大切なポイントです。
例えば、最新テクノロジーなどは、昨今話題の「ブロックチェーン」や「AR・VR」などが本格的にビジネスにも活用されてくるようになるのはこれからでしょうし、「自動運転」や「量子コンピューター」などの次世代のテクノロジーも尽きることなく存在しています。
コンサルファームの業容拡大
コンサルファームの業容拡大は、上記で挙げた市場の変化に対応するために、各ファームが取り組んでいることが背景にあります。
⇒ 様々な業界のエキスパートの採用
例:ヘルスケア業界への知見拡大のために専門医を採用し、よりニッチな事業領域のコンサルティングを拡大 など
● グローバル企業の国内シェアの急速な拡大
⇒ グローバル人材の採用
例:中国や東南アジアなどの人材を採用し、現地での競合サービス研究やアライアンスのためのリレーション支援などを拡大 など
● 様々な最新テクノロジーの出現と活用ニーズの高まり
⇒ テクノロジー人材の採用
例:ビッグデータ解析の専門企業の買収や特定技術のスペシャリストを採用し、コンサルティングサービスを拡充 など
これらの取り組みにより、従来の報告資料を作るというコンサルティングから、深い知見に基づいた、具体的なサービス提供や、これまでは提供できなかったような専門性の高い領域でのコンサルティングサービス提供などを各社が実現できるようになってきています。
結論:コンサルティングファームに入社したい方にとってはチャンス
コンサルティングファームの採用人員は今後も拡大すると想定されますので、転職を考えていらっしゃる方にとっては、チャンスだといえます。
また、市場の変化に伴い、コンサルティングスタッフに求められる資質も変わりつつあるのも確かです。いわゆる「地頭のよさ」といわれるような論理的思考力に加えて、様々な専門性を持った人材に対してもチャンスが広がっているとも言えます。
但し、いくら環境が良いといっても、求められる水準が高いことには変わりなく、気を緩めることなくしっかりと準備をした上で、選考に望むように心がけてください。
業界・企業研究は勿論ですが、志望動機、面接対策についても、WEBや書籍でのリサーチに加えて、友人やエージェントなども活用して万全を期さなければ、面接突破は難しいです。