なかなか入社することが難しいコンサルファームにおいては、これまでの学歴や社会人経験などを踏まえて、本当に自分が転職できるのかと悩まれる方も多くいらっしゃいます。
今回はそんな中でも、「留年」をされた方について、転職活動にどのような影響があるのかについて、ご紹介してみたいと思います。
留年していても転職はできる
結論から言ってしまうと、留年をしていても転職することは全く問題ございません。
実際、留年を経験していながらも、コンサルティングファームでご活躍されていらっしゃるコンサルタントは多数いらっしゃいます。
理由としては、いくつか考えられますが、ここで代表的なものを挙げてみたいと思います。
① 中途採用においては、大学時代の経験ではなく、社会人時代の経験を中心に聞く傾向
中途採用においては、新卒採用と異なり、社会人としての経験に比重を置いたインタビューになる傾向が強いです。当たり前ですが、5年前のあなたよりも、今のあなたの実力や経験を見ることの方が、コンサルタントとしての資質の有無を適切に判断することができるからです。
② 留年中に特別な経験をしているのであれば、寧ろプラスに評価されることも存在
コンサルタントには、一般的な常識に囚われることなく、自由な視点から物事を見る力が求められることがあります。また、単にプランを描くのではなく、実際にアクションに落とし込むことで成果を出すことも求められます。大学生活の中で、他の人とは異なり、自分の意思に基づき、あえて違う時間の使い方をしたという場合は、内容によっては、むしろコンサルタントとして高く評価されることも多いので、あえてアピールをしてみることも良いかもしれません。
③ そもそも留年しているかどうかを細かくは確認しないファームも存在
①の理由とも関係しますが、実際の面接活動においても、留年しているかどうかを逐一確認するということをしていないファームも存在します。勿論、履歴書を見て、大学の入学年度と卒業年度を確認すれば分かるのですが、面接官としては、今の実力を把握するために、その他の様々な質問をしたいため、あえてその部分に時間を割くということはしない場合も多くあります。
もしも留年されていらっしゃる場合の面接に向けた注意点
留年していることが転職に対してマイナスの影響はないといっても、やはり万一に備えた準備をしておくことは大切です。これらの準備をすることで、心理的にも安心でき、面接全体をよりよいものにすることができるはずです。
● なぜ留年をしたのかをしっかり説明できるように準備する
● 留年期間中の特筆すべきエピソードを整理する
● 留年をしたことで、どのような学びがあったのかを説明できるようにする
尚、これらの整理にあたっては、コンサルタントの資質と関連する形で準備するようにしてください。単純にファクトを整理するのではなく、「理由」や「エピソード」、「学び」がコンサルタントとして活躍するに値する人だと思わせるように紐付けることが大切です。
例えば、過去に聞いたことのある例として「留学」や「起業」などがございます。そのこと自体は、全くネガティブな理由ではないですが、単にファクトだけを説明されると、面接としての印象はよくありません。
逆に、極端ではありますが、たとえ本当の理由は「単位が足りなかった」から留年をせざるを得なかったのかもしれませんが、その1年間の間に、「コンサルタントになりたい・なれるかもしれない」と思えるエピソードがあり、その後努力をされたのであれば、こちらの方のほうが、印象が良くなります。
「何をしたのか」という結果は大切ですが、「そこから何を学んだのか」という風にしっかりと考えることができる方の方が、コンサルタントとしては向いていると思っています。
最後に
今回は、留年をされた方がコンサルティングファームに転職できるのかというテーマについてお話しました。
一番お伝えしたいのは、コンサルティングファームの面接においては、「その人の過去の結果」ではなく、「現在どのような素質を持っているか」、「将来どのような成長が期待できるか」ということを正しく図れるように面接の内容を常に見直しているということです。過去の一度の失敗だけで、その人の能力が否定されるべきではないと考えているとも言えます。
簡単ではないものの、本当になりたい、やってみたいというモチベーションさえあれば、チャンスは広がる業界でもありますので、是非諦めず挑戦してみてください。