はじめに
コンサルタント = 寝る間も無い程の激務、というイメージは根強いものです。
現在、この記事を書いている私の目の前に座るマネージャーは椅子に座りながら寝ております(今が何時というのは、伏せますが・・・)。
意外かもしれませんが、コンサルタントの睡眠時間は平均6時間程度だと推測できます。
統計をとったわけではありませんが、だいたいこのくらいは寝ることができているのではないでしょうか。
その理由として、
①事業会社の方と比較すると通勤時間が短い(会社近くに住むコンサルタントが多い)
②始業は各プロジェクトのワークプラン次第のため、比較的、朝はフレキシブル
という点が大きいと思います。私自身も、住居を探す際にはオフィスからdoor to doorで30分以内を必須の条件として設定しています。
その場合、仮に寝るのが夜中の2時になったとしても、8時に起きて支度に30分、通勤に30分で9時には仕事を開始できることになります。
更に、プロジェクトの設計次第では朝の開始が10時の場合もあります。その場合は、更にプラス1時間を自由に使うことができます。
睡眠時間はシニアの力量次第
大多数のプロジェクトでは、前述の①②の理由がキードライバーとなり睡眠時間は平均6時間になる感覚を持っています。
その上で、以前の記事(「#6_コンサルにワークライフバランスは存在するのか」)でも少し触れた通り、プロジェクトをマネジメントするシニアの力量が、コンサルタントの睡眠時間を左右しているのではないかと思っています。
プロジェクトのタイプやイシューがキードライバーとなり、睡眠時間を左右するという声をよく聞きます。しかし、睡眠時間が少ないと言われる、いわゆる"炎上"プロジェクトの原因を突き詰めてみると「提案段階から始まるシニアの力量が睡眠時間を左右するキードライバーになる」と、多くの事例を見聞きし、感じています。
つまり、以前の記事(同上)からの抜粋となりますが、
「イシュー設定からスコープ/ワークプラン設計の力量により、質は左右します。イシューを解かない分析やクライアントと合意を取り切れず議論が堂々巡りをするといった事象が、ワークの質を落としていると言えます。」
といった点から分かるように、手戻りの発生や、イシューを解かない無駄な作業、クライアントの期待を言いなりのままプロジェクトを推進するといった事象が積み重なると、その分、睡眠時間が少なくなります。最近、コンサルティング業界における各役職に求められる能力や役割が以前よりも下がっていることから、今後も"炎上"プロジェクトは発生し続ける傾向は高いとみています。
最後に
補足すると、プロジェクトのない時期でも、同じように平均6時間程度の睡眠になる感覚もまた持っています。
プロジェクトの負荷が少ない、またはビーチ(=プロジェクトにアサインされていない期間)の期間でも、自己研鑽のためのインプットや、次プロジェクトへの仕込みに時間を使うことになります。
その結果として、プロジェクト期間と同様の睡眠時間に近くなっているのではないでしょうか。
多分、想定よりも睡眠時間があるかな、という印象を持たれた方もいるかと思います。
一方で、起きて仕事をしている時間に頭を使う密度の濃さに必要な睡眠時間という点も考慮してみると、また違った結論に至るかもしれません。
正直、私としては、少し睡眠不足を感じることもあります。皆さんも、そのようなコンサルティング業界に興味を持たれたのであれば、是非挑戦してみる価値はあるかと思います。