はじめに
"コンサルあるある"と聞くと、
●「で、結局何が言いたいんだっけ?」
●「今の話の論点って何?」
●「その話って何か意味あるの?」
といった発言をしてしまう"イシュー原理主義型"や、
●「つまり、こういうことが言いたいの?」
●「先ずは、これから始めるべきじゃない?」
●「それってよくよく考えると、本当はこう解釈出来るんじゃない?」
といった、勝手に少ない情報から人の心まで読んだ気になって行動や考えを決めつけてくる"仮説も過ぎれば妄想型"
といった、コンサルタントをネガティブな方面でとらえる"コンサルあるある"を良く聞きます。
私としては、ウィットのきいた笑いとして楽しむと共に戒めの意味も込めて読んではいます。
しかし一方で、本当に"コンサルあるある"か?と聞かれると、確かにそういう人は一部にいるけど......といった感覚を持ってはいます。
基本、コンサルティング業はサービス業です。
新卒で入社したての方では上記のようなネガティブな意味での"コンサルあるある"仕草をされる方が一部いますが、中途でそのような傾向の方を採用することは、ほぼないのではないでしょうか。
今回私がお伝えする"コンサルあるある"は、コンサルタント以外の方にはピンとこない、見えにくい非常に地味な「あるある」かもしれません。
一方で、コンサルティング業界の方には、きっと「あるある!」と感じていただけることでしょう。
コンサルあるある1:観点・レイヤー・粒度・文字への違和感を覚えてしまう
コンサルタントとして一定の生活を送ると、世の中に存在するホームページ、ポスター、アンケート等を見ていると違和感を覚え、心の中で突っ込みを始めます。
具体的には以下のようなケースです。
(なお、分かり易さを重視して、例えの話は極端な形で記載をしています)
● 何を指し示しているのか不明瞭な粒度で表現がされている
(例)「一般的な人たちは」「新橋のサラリーマンは」などの主語
(コンサルタントの心の声)「一般」とか「新橋のサラリーマン」って誰?どんな人??
● 急に異なる観点が入ったMECEでない表現がされている
(例)「男性の方はこちら、女性の方はこちら、子供はこちら」
(コンサルタントの心の声)子供も男性 or 女性でしょ!、隠れた前提として「大人の」があるってこと??
● レイヤーの異なる話を同じ箇条書きで表現がされている
(例)「温泉はこちら、食堂はこちら、食堂の中のサラダバーコーナーはこちら」
(コンサルタントの心の声)場所単位での案内の中に、急に特定の場所内での案内が混ざってるよ!
● 意味もなく文字強調、色が変化した表現がされている
(例)「ようこそ温泉の町へ。温泉に入って癒されてね」
(コンサルタントの心の声)なんで片方の温泉の表現だけ太字で強調されてるの?意味あるの?それとも何か意味を持たせているの?
コンサルタントになると、資料作成における「表現と単語選択」「MECE」「レイヤー構造」「フォントの使い方」を徹底的に鍛えられます。
それは不特定多数の人が色々な想いを持ち取り組む経営においては、短期間に分かり易く、ほぼ誤解なく全員が理解して意思決定と行動に移していく必要があるため、使用される資料にも徹底的なこだわりを必要とされるからです。
その結果、影響が日常生活にも出始め、ホームページやポスター等の表現に対して違和感を覚えはじめることとなります。私の場合、そのようなものを見るたびに「気持ちわるっ」というのが口癖のように出てしまっています。
当然、周りの友達からは不思議な目で見られるのですが、私からすると違和感を覚えないことに不思議を覚えます。もっと踏み込んで書くと、この周りに対する違和感を覚えるところまでをワンセットとして "コンサルあるある"と呼べるのかもしれません。
最後に
他には更に地味なところでいうと、コンサル仲間や家族と旅行に行く場合は必ずパソコンを携帯するといった"コンサルあるある"もあります。
基本、移動時間=作業時間と捉えており、移動中の団らんとか楽しみを積極的に追求しにはいきません。それぞれパソコンに向かって仕事をしているかもしれません。
もちろん、同行者に移動中の団らんや楽しみを誘われれば、断ってまで仕事をすることはなく一緒に楽しみます。
良く見かける"コンサルあるある"を見ていると、極端な側面を語られすぎていて、コンサルタントは感情や思いやりにかけたロジックマシーンのように語られていることが多い気がします。
それらを見てしまうと、皆さんは不安に思われてしまうかもしれませんが、実態はそのようなことはありません。人間味にあふれるコンサルタントが多数派です。
皆さんも安心してコンサルティング業界を目指していただければと思います。