はじめに
失敗の個別事例は、面接される側、面接する側のそれぞれの立場で多々経験をしています。改めて、その失敗経験を考えてみると「ケース面接を通して、面接官は何を検証したいのか?」を、深く考えずに対応をした時に、失敗していることが多いと感じています。実際、ケース面接には主に検証した項目に沿って、複数のパターンが存在しています。その為、各ケース面接における主目的を理解しないまま、漫然と答えた場合、失敗する確率が高まります。
先ずはスタート台に立つという意味で、本日はケース面接の基本パターンをいくつか皆様へお伝えできればと思います。
ケース面接のパターン例
皆さんもご存知な2つの基本パターン(提言系、フェルミ系)と、派生形の2パターン(因果・メカニズム系、ポジション系)をお伝えします。基本パターンはコンサルティングの面接と言えば、という程、知られているかと思いますので割愛しますが派生形については、少し説明を加えたいと思います。
派生形は、検証したい1~2つの要素に絞ったケース面接です。主に、1つ前の面接での申し送りになったコンサルティングに必要な素養(仮説思考、伝える力、発想力、等々)を検証する場面で、使われることが多いかと思いのではないでしょうか。
それでは、基本パターンの1つ目から解説したいと思います。
提言系:
架空の状況やクライアントを背景設定し、ある課題の解決策を提言
提言系は、コンサルティングに必要な素養を総合的に確認するケースです。
ファームによっては、ケース設定を纏めた資料を渡されて、読み込んだ上で解決策を提言して欲しい、という場合もあります。
フェルミ系:
特定の市場や何かの量を推定
フェルミ系は、コンサルティングに必要な素養の内、定量数値への感度や全体感の捉え方、分解の観点・粒度に対するセンスを確認するケースです。
私が面接官をする場合は、1度、あるテーマのフェルミを解いてもらった後に、違う推定ロジックで同じテーマを解いてもらうことが多いです。1つの数値を多面的に検証する大切さをお伝えすると同時に、想像力も検証しています。
因果・メカニズム系:
世の中の問題のメカニズムを明らかにして説明
因果・メカニズム系は、コンサルティングに必要な素養の内、深く考える力を確認するケースです。
これ系の質問は、知的なディスカッションパートナ-として成り立ちそうかといった、一緒に働くイメージを沸かせたい時に、良く私は使用をしています。
ポジション系:
特定の状況やトレンド・事象に対して自分のポジションを持つ
コンサルタントとして頼れそうか、スタンスをとれそうかといった行動特性を確認するケースです。
「ポジションを持つ、スタンスをとる」等々、各ファームにより異なる表現ではあります。普段の生活では聞きなれないかもしれませんが、コンサルタントにとって非常に重要な立ち振る舞いの1つです。
最後に
ケース面接のパターンと異なる点で注意したいのが「『これから、ケース面接を行います』という区切りもないまま、ケース面接で検証したいことを会話から確認することがあること」です。
これも要注意で、ケース自体は上手くいったのに、なぜ落ちたのか?という時は、このパターンに当てはまっていなかったかを振り返ってみましょう。
今後、皆さんも、1つのキャリアの選択肢としてコンサルティング業界を志望されることがあるかもしれません。その際は、本稿が夢を実現する助けとなれば幸いです。