「コンサル意味ない」と言われない!重要性を理解されるコツ

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はじめに

写真:「コンサル意味ない」と言われない!重要性を理解されるコツ

コンサルタントにとっての"クライアント"は、最終的に社内予算からコンサルティングフィーを支払い、コンサルタントからの提案に基づき意思決定を行う、いわゆるプロジェクトオーナーとその他のメンバーに分かれます。
さらに、その他メンバーも実質的にプロジェクトを取り仕切る方々とその他参加者に分かれます。

そのため、もしプロジェクトオーナー、あるいは実質的にプロジェクトを仕切るクライアントのメンバーに「コンサル意味がない」と言われた場合は、ほぼコンサル側の力量不足と言えます。真摯に反省するしかありません。
しかし、その他参加者の方に「コンサル意味ない」と言われた場合、プロジェクトにおけるイシューを解いているかという観点に照らして本当に意味がないのかはコンサル側でも考える必要があります。

というのも「コンサル意味ない」と言われる多くのケースは現実として、その他参加者からの意見が多いからです。そしてなぜ「コンサル意味ない」と言われるかの理由もなんとなく分かっています。
それは、コンサルの事をなんでも言えば出てくる、あるいは何でも知っている"魔法のステッキ"のように思われていることに起因しているのがほとんどのケースです。
限られた期間で全てを解くことも、全ての要望に応えきることも、ほぼ不可能です。そのため、提案書において解くべきイシューを絞り込み、その解の仮説を買ってもらっています。

しかし、そのことを横に置いて「知りたいから」「個人として気になるから」といった理由で残念ながらイシューとは関係のない要望を出す方もおります。
イシューベースのコンサルの多くはその要望に対して応えることは少なく、結果として、使えないといった話になる構造は、どのコンサルも経験しているのではないでしょうか。
ただし、最近は"コンサルもどき"のコンサルタントも増えてきているので、「コンサル意味ない」とプロジェクトオーナーと類する方々に言われることも増えてきているかもしれません。

重要性を理解させるコツ

そのような状況ではあるものの、プロジェクトオーナーと類する方々にとっても、コンサルタントがその他のクライアントのメンバーに意味ないと言われる状況は社内評価を含めて不都合な部分が出てきます。また、せっかく良い成果物を作り上げたとしてもクライアント内で反対にあう状況に陥る可能性も生じます。

そのような事態を未然に防ぐため「コンサル意味ない」と言われないためのポイントがあり、それらはマネージャーになる上では必須の技術と言われています。

その技術とは、"前提条件の設定"と"スコーピング"と呼ばれるものです。

前提条件の設定とは、複雑に色々な要素が連関する経営をシンプルな事象として切り取り、設定をする手法です。
例えば、現実はAもBもCも・・・と色々な要素で成り立つ事象を、その要素の内、最も影響力を持つAとBのみに着目し、これをどうにかするにはどうすればよいかといった形で、コンサルティングプロジェクトの状況を規定していくような手法です。
これにより「でも現実はこういったことも考えられるよね?」といったよく遭遇するコメントに対して「今回はこういった前提で取り組んでおり、その前提を置いた理由もこういうものなのですが、もしその前提から考え始めるならオーナーと相談ですね」といったコミュニケーションが可能になります。

また、もう1つのスコーピングとは、プロジェクトでの検討範囲、並びに到達するゴールを合意する技術です。
検討範囲とは、例えばある部門の生産性を向上する上では、全ての部門が業務として何らかの形で繋がっているため、企業全体を包括的に見直さないと最適になりません。またもっと大きく考えると、調達先や販売先を含めて考える必要があります。

しかし、全部を検討していてはクライアントもフィーが足りませんし、現実問題としてその検討範囲が広がったところでの成果物の到達点の違いは微々たる違いです。
言い換えると、ここまでだと有意な検討範囲であるといった点を合意していくことが重要です。そうしなければ、この検討範囲だと意味ないよね?あるいは、こんなに検討する必要あるの?といった「コンサル意味ない」のコメントを生む原因となるからです。

そしてもう一つの到達するゴールとは、戦略立案までなのか、実行計画までなのか、実行支援までかといった、トップライン・ボトムラインに結果が反映されるまでのステップにおいて、どこまで取り組むのかといった話です。
ここをしっかりしないと、人によっては結局意味なかったよねといった話になりがちです。

最後に

重要性を理解されるコツとは、言い換えると、プロジェクトの炎上を回避する技術とも言えます。
炎上するプロジェクトの多くは、前提条件の設定を曖昧にし、どこまで検討するかのスコーピングをぼかし、数字のためにプロジェクトを受注してくるシニアによって引き起こされます。
皆さんもコンサルタントを目指すのであれば、その点を意識して頂ければと思います。

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Profile

プロフィール

写真:戦略コンサルタント

戦略コンサルタント

大学卒業後、HR系スタートアップにジョインした後、国内外のコンサルティング・ファームを経て外資系トップ戦略コンサルティング・ファームへ転職。現在、コンサルタントとしてのみならずファーム経営の舵取りも実施。


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