はじめに
「目標設定とは?」の定義から入ると嫌なコンサルタントっぽく見えてしまいますが、少しここで目線を合わせていくことが大事になるため、最初にお伝えしたいと思います。
目標設定を意識してうまく言語化できているコンサルタントは多くはありません。
しかし「普段の取り組みから外れたことへの意図的な変化や揺さぶりを起こす"チャレンジ"」は多くのコンサルタントが意識しています。
これは別の言葉で言いかえると目標設定と言えるのではないでしょうか。
例えば、
「プロジェクトでのデータ分析作業において、前回2時間かかった分析を今回はもう10分ぐらい早く終わらせる」
といったワークマネジメントの効率化といったレベルの目標から、
「今年度中に最近多く取り組んでいるプロジェクトにおけるエッセンスを纏めて、日経のようなビジネスマン向けの有名なオンラインサイトへ連載記事を寄稿するソートリーダーシップ活動を行う」
といったレベルの目標まで、様々な"チャレンジ"(=目標設定)が存在します。
コンサルタントたちの多くは、無意識のうちにさまざまなレベルの目標設定をして過ごしています。
期間で言えば短期で達成できるようなことから中長期を見据えたものまで、難易度で言えば日常生活における些細なことから社会的なインパクトを狙ったハイレベルのものまで、その目標は多岐にわたります。
日常的に目標設定する理由
なぜこのように小さなことから大きなことまで目標設定をしているかというと、"チャレンジ"(=目標設定)には非常にエネルギーを必要とするためです。
皆さんも、新しいことや何か目標を定めて取り組もうとする場面になると、明日から取り組もうとか、そもそも目標設定はまた今度考えようとなりがちではないでしょうか。
コンサルタントは、このような人間の性質を理解したうえで、日常に"チャレンジ"(=目標設定)を組み込んでルーティンの活動として捉えなおしていくことにより、目標設定自体の習慣化を狙っています。
なぜ、そのようなことを考えているかというと、コンサルタントの仕事それ自体が常に新しいことへの"チャレンジ"(=目標設定)で成り立っているためです。
コンサルタントの仕事では、専門領域のプロジェクトに常に携われるわけではありません。
そこまで詳しくない業界やテーマ、未経験のプロジェクトスタイルや、そもそも誰も分かっていないから依頼している海外事業への参入やクライアント自身でどうにもならないために外部へ依頼している未経験のイシューに携わる機会が多々あります。そのため、コンサルティングの仕事とは日々"チャレンジ"(=目標設定)で成り立っていると言えます。
むしろ、今後は特定領域のみでは解ききれないコンバージェンス領域のイシューが増えていることから益々、その傾向は強まっていくと想定されます。
目標設定例
先ほど述べた通り、さまざまなレベルでの目標設定が存在するのですが、今回は日常、プロジェクト、長期キャリアビジョンにおいての代表的な目標設定例の例をよりイメージがわくようにお伝えします。
例えば日常においては、「週に何度かは帰宅後にランニングをしよう」や、もっと小さなところだと、「毎日少しずつ道を変えて出社しよう」とか、そういった目標と言えるか分からないレベルも含めて設定しています。
つまり、冒頭の「普段の取り組みから外れたことへの意図的な変化や揺さぶりを起こす"チャレンジ"」を日常のルーティンに入れ込むことで、新しいことへチャレンジするハードルを下げるようにしています。
プロジェクトにおいては、「個別タスクの時間を少しずつ早く効率的にしていこう」や、「一つ上のタイトルをプロジェクト内のロールとして疑似的に担うことでプロモーション要件を満たすかをチェックしよう」といったチャレンジがあります。また、長期キャリアビジョンとしては「起業をしよう」、「40歳になるまでに海外に住んで仕事をしよう」といった設定が良く聞かれます。
最後に
最近はチャレンジできないコンサルタントが増えている印象をもっています。
それは若手に限らずシニアにおいても見られる現象です。
特に総合ファームを中心とした業界の成長の波に乗ってプロモーションしていったシニアは、過去の経験や自身の専門領域から飛び出して、新たな価値の出し方や領域を学ぶ動きができていない人が多く見られます。
結果、ファーム内での政治的な動き方やコラボレーション・ハラスメント問題(持ってないシニアが、コンテンツや解く力を持っているシニアに、知ったかぶりをしてコラボレーションしようと寄りかかってくる事象)といった課題が目立ってきているのが現在のコンサルティング業界とも言えます。
詳細を語るのは別機会に譲るとして、皆さんにおいても日々小さなことからチャレンジしていくことを習慣にしていかれると、コンサルタント以外のお仕事をされている方にとっても、役立つのではないでしょうか。