はじめに
コンサルティング業界は2010年代後半から需要過多の状況が長く続いていました。したがって、10年近くの間コンサルティング業界においてはアベイラブルの状況は生まれにくかったと思います。
そのような業界動向の時代には、コンサルタントによってはアベイラブルになる経験をせずに他業界へ転職された方もいるのではないでしょうか。
しかし、コロナ後は過剰な採用の反動により徐々にアベイラブルな方も増えているのではないでしょうか。(ちなみに、私はアベイラブルな時期になると隣の芝生は青く見えて履歴書・職務経歴書の更新を行っていました)
アベイラブル期間の過ごし方としてよく挙げられるのは、
● 長期休暇、リフレッシュ期間として過ごし次に備える
● 溜まっていた書籍を読んで学習
などといった過ごし方です。
アベイラブル期間に何をするかは自由です。
しかし、気をつけなければならないのは、アベイラブルな状態には2種類があることを理解して、どう動くかです。
2つのアベイラブルな状況とは、1つは「誰もがアサインしたくないのでアベイラブルな状況」であり、もう1つは「アサインしたい人が多いが、たまたまタイミングが合わずにアベイラブルな状況」です。
もし前者の状況でアベイラブルであるとしたら悠長に過ごしている場合ではなく、プロジェクトにおけるフィードバックを把握して改善したり社内研修に参加したりと、学習して成長している結果を周りに示すことが大事になります。あるいは、より自身に適したファームを探すという意味で履歴書・職務経歴書を更新するという過ごし方もあるかもしれません。
後者の場合は、先ほどの話の通り自由に過ごしてよいかと思いますが、その中でもお勧めの過ごし方を本日はお伝えしたいと思います。
アベイラブル期間の有効な過ごし方
ファームによってはアベイラブル期間と見なさない場合もありますが、私が最もおすすめしたいのは提案書の作成を手伝う過ごし方です。理由はいくつかありますが、自身の学習と周りからの評価の両取りできるのが大きなポイントとなります。
自身の学習という観点だと、提案書作成はプロジェクト開始時にはほぼ決まっているイシューの設定から関われる、イシューを解くアプローチを考えるところから関われる、といった若い頃はあまりできない経験を通じた能力の磨き込みができるようになります。
また、周りからも積極的な若手ということで評価される点もありますが、自身にとっても提案に関わることで、面白そうな案件だと思ったら提案活動で評価される動きをしている限りは、ほぼ確実にアサインされます。また、もし興味がわかない案件の場合は、アサインの声がかかる前に他プロジェクトを探すことができます。そして、何より受注した時の喜びはひとしきりで、何事にも代えがたい経験になります。
最後に
私の経験ベースとなりますが、私は提案書作成と旅行に時間を当てていました。
ただ、今思うと若い頃はもう少し遠慮なく旅行を選択しておけばよかったと思うこともあります。それは、徐々に役職が上がるにつれて心理的にアベイラブル期間に心置きなく休みにくくなるからです。
ただ、提案書作成に関わっていたからこそ、能動的に面白いプロジェクトに入り、コンサルティングの楽しさを十分に味わってこられたのではないかとも思います。