デリバリー型?セールス型?コンサルタントのタイプと適性

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はじめに

写真:デリバリー型?セールス型?コンサルタントのタイプと適性

コンサルタントという職業には、さまざまなタイプがあります。その中でも、デリバリー型とセールス型は、よく聞く言葉ですが、それぞれどのような特徴や役割を持っているのでしょうか?
また、自分はどちらのタイプに向いているのか、どうやって判断すればいいのでしょうか?

本記事では、デリバリー型とセールス型の定義と違い、そして、それぞれのタイプに適した人物像やスキルについて解説します。コンサルタントを目指す方や、自分のキャリアを見直したい方の参考になれば幸いです。

デリバリー型とは

デリバリー型とは、クライアントの課題に対して、具体的な解決策を提案し、実際にプロジェクトを遂行するタイプのコンサルタントです。デリバリー型のコンサルタントは、分析力やロジカルシンキング、プレゼンテーションスキルなど、課題解決に必要なスキルを高いレベルで持っています。また、チームワークやコミュニケーション能力も重要です。
デリバリー型のコンサルタントに向いている人は、以下のような特徴を持っています。

● 論理的で分析的な思考ができる
● 自分の考えをわかりやすく伝えることができる
● クライアントのニーズに応えることにやりがいを感じる
● 細かいところにも気を配ることができる
● 柔軟に対応できる

まずコンサルタントとして思い浮かべるのがこのデリバリー型でしょう。デリバリーを通じて様々な経験を得てスキルを磨き、自分のキャリアの方向性を目指すという、最も標準的なタイプです。ここからデリバリー型を突き詰める人や、ある領域(業界知見、サービス知見、等)を強化したSME(Subject Matter Expert)型を目指す人、次に話すセールス型を目指す人など、キャリアの幅も様々に広げられるタイプです。

セールス型とは

セールス型とは、クライアントにコンサルティングサービスを売り込み、契約を獲得するタイプのコンサルタントです。セールス型のコンサルタントは、マーケティングや営業のスキルを持っており、クライアントの関係者とのネットワークを構築することができます。また、自社のサービスの価値を高めるために、新しいサービスの開発や提案にも関わります。
セールス型のコンサルタントに向いている人は、以下のような特徴を持っています。

● 人と話すことが好きで、人間関係を築くことが得意
● 自分の提供するサービスに自信を持っている
● クライアントの課題を見つけ出し、解決することに興味がある
● 積極的に行動できる
● 目標達成に向けて努力できる

一般的にコンサルタント業界においては、コンサルタントになってすぐの人がこのセールス型を目指すことは稀です。何故なら、各ファームにおいてセールス活動を担うのは、シニアと呼ばれるタイトル(パートナー、ディレクター、プリンシパル等)の人たちだからです。その理由としてはコンサルティングワークの多くが経営層への訴求が必要であり、経営層と討議するためには幅広い知識や経験が必要であること、提案をするためにはプロジェクト設計能力が必要であること、等々があります。

一方で近年では若手の優秀層を最初からセールス型にしていく(あるいは将来セールス型の若手を営業ポジションに置く)ファームも出てきました。もちろんその場合であっても一定のサービス理解等が必要であることに変わりはありませんが、自分自身をセールス型と認識し、そのタイプのままキャリアを伸ばしていきたい人にとっては選択肢の1つとなるのではないでしょうか。

デリバリー型とセールス型の違い

デリバリー型とセールス型のコンサルタントは、それぞれ異なる役割を担っています。デリバリー型は、プロジェクトの実行に重点を置き、クライアントの課題を解決することに注力します。セールス型は、プロジェクトの獲得に重点を置き、クライアントとの関係を深めることに注力します。

デリバリー型とセールス型のコンサルタントは、相互に補完的な関係にあります。デリバリー型のコンサルタントが高品質なサービスを提供すれば、セールス型のコンサルタントが新たな契約を獲得しやすくなります。逆に、セールス型のコンサルタントが多くのクライアントを獲得すれば、デリバリー型のコンサルタントが多くのプロジェクトに携わることができます。デリバリー型とセールス型のコンサルタントは、それぞれの得意分野を活かしながら、協力して仕事を進めることが重要です。

・・・というのが教科書的な整理の仕方になりますが、実際のファームにおいては、前述の通りタイトルが上がるにつれデリバリー型からセールス型へのシフトを意図的に行っていかなければならないのが一般的です。タイトルが上がるにつれ、デリバリーだけではなくセールスのKPIを課せられるからです。シニアになると、セールス活動を行いながら、並行してデリバリーをマネジメントしていかなければなりません。すなわち、1人の中でデリバリー型とセールス型の両方のタイプを持たないといけないのです。

終わりに

本記事では、デリバリー型とセールス型のコンサルタントのタイプと適性について説明しました。デリバリー型とセールス型は、コンサルタントの代表的なタイプですが、もちろん、これらに限定されるわけではありません。コンサルタントには、他にも多様なタイプがありますし、自分のタイプを1つに固定する必要もありません。

コンサルタントとしてのキャリアを考えるときは、自分の強みや興味、目標などを踏まえて、自分に合ったタイプを見つけることが大切です。近年では、デリバリーからセールスにシフトしていくというキャリアパスだけでなく、デリバリースペシャリストやSMEなど、様々なキャリアパスを各ファームは設計しています。自分自身のタイプややりたいことと、ファーム別のキャリアパスを勘案しながら自分のキャリアを選択していくことも重要です。

また、自分のタイプと異なるタイプのコンサルタントからも学ぶことができます。デリバリー型とセールス型のコンサルタントは、お互いに刺激を与え合い、成長することができます。

コンサルタントは、常に変化する環境に対応する必要があります。そのためには、自分のタイプを理解し、自分のスキルを磨くことが不可欠です。デリバリー型でもセールス型でも、コンサルタントとしてのプロフェッショナルを目指しましょう。

注記
近年では、若手から優秀層を営業として位置づけたキャリアを設定している新興大手ファームもでています。
MBB等の歴史ある戦略ファームにおいては営業的な仕事はシニアメンバーの仕事となっています。

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Profile

プロフィール

写真:戦略コンサルタント

戦略コンサルタント

新卒で内定したコンサルティングファームが買収され、そこからIT系、総合系ファームで様々なプロジェクトを渡り歩き、外資系戦略コンサルティング・ファームへ転職。現場から経営との対話まで多様な経験を保有する。


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