現状分析から改善策実施までの業務改善コンサルティングプロセス

転職のご相談・お問い合わせ

コンサルティング業界に強い専門の
エージェントに転職相談(無料)してみませんか?

1分で完了無料登録・転職相談

はじめに

写真:現状分析から改善策実施までの業務改善コンサルティングプロセス

業務改善コンサルティングは、企業がその業務プロセスを見直し、効率化し、最終的には業績を向上させるための重要な手段です。コンサルティングのテーマとしては比較的一般的なものでもあり、多くのコンサルティング会社がこの領域に携わっています。

本来、自社の業務についてはクライアント自身が最も詳しいはずなのに、何故クライアントはコンサルタントに自社の業務改善を依頼するのでしょうか。業務改善に用いられるフレームワーク等は他の記事に譲り本稿では、「現状分析から改善策実施までの業務改善コンサルティングプロセス」について、クライアントの視点を踏まえながら詳しく解説いたします。

目的設定

業務改善プロセスの最初のステップは、目的の明確化です。ここでは、企業が達成したい具体的な目標を設定します。業務改善をすることで何を目指すのかを明確にしないと、プロジェクトの途中で「改善」自体が目的化してしまい、かえってうまくいかないケースというのは意外と少なくありません。業務改善プロジェクトは定期的にやるべきものでも、自然発生的に生まれるものでもないため、必ず取り組むべき主たる目的があるはずです。コンサルタントはそれを見極め、関係者間で合意し、命題として掲げる必要があります。

目的に沿った具体的な目標は、いわゆるQCD、Quality:業務品質向上(例、顧客満足度の向上、ミスの削減、等)、Cost:業務コスト削減(重複・不要業務の削減、単価の低減、等)、Delivery:実施期間の短縮(作業効率の向上、納期の短縮、等)に沿って設定されることが多いでしょう。

また、近年ではRPAや生成AIといった業務改善に繋がる新たな技術がドライバーとなり、業務改善プロセスに取り組むこともあります。きっかけは何にせよ、最終的な目標をどこに置くかを疎かにしないことが重要です。

現状分析

次に、現状分析を行います。ここでは、現在の業務プロセスを詳細に調査し、その強みと課題を明らかにします。データ収集やインタビュー、観察などを通じて、業務フローの各段階を洗い出し、どこに改善の余地があるのかを把握します。このステップで得られた情報は、後の改善策検討において非常に重要な基礎データとなります。

一方で最も時間がかかるのもこのフェーズです。業務改善を繰り返すクライアントでは、業務改善のための時間を捻出することが難しかったり、業務改善に協力するのを拒むようなケースすらあります。クライアントの貴重な時間を無駄にしないためにも、コンサルタントは事前に入念な準備を行い、現状の業務の課題を明らかにするための手段を設定しなければなりません。

改善策検討

現状分析の結果をもとに、具体的な改善策を検討します。改善策は、業務プロセスのどの部分をどのように改善するかを詳細に計画します。また、改善策の実施に必要な資源やコスト、時間なども考慮に入れます。複数の改善案を比較検討し、最も効果的で実現可能なものを選択します。ここがコンサルタントの腕の見せ所です。

ECRS(Eliminate:排除、Combine:結合、Rearrange:再配置、Simplify:簡易化、の4つの視点による業務改善個所洗い出しの視点)のようなフレームワークを用いながら、当初設定した目的の実現に向け、如何に改善効果を最大化するような施策を設定できるかが求められます。

改善策を検討したら、次に待っているのはウォークスルーです。コンサルタントが検討可能な改善策はいわば"机上の論理"です。業務として運用可能かどうかは、実際にクライアントの担当者と認識を合わせる必要があります。業務として運用可能であり、且つ目標達成に資する/課題を解決できるかどうかを検証しなければ、絵に描いた餅でしかありません。

筆者はかつてウォークスルーを経て、改善策を盛り込んだ業務フローをすべて書き直したことがあります。それは現状の業務に寄せたからではなく、より良いものを目指すクライアントとの議論によるものでした。目的と現実のバランスを見ながら、実行可能な改善策を描くことが求められます。

改善策実行準備

次は改善策を実行するための準備段階です。ここでは、改善策を実施するための具体的なスケジュールを立て、必要なリソースを確保します。また、改善策の実行に関わる全てのスタッフに対するトレーニングや説明会を実施し、彼らが新しい業務プロセスにスムーズに移行できるよう支援します。何故なら業務の改善は、現場の腹落ちなしに実現することはできないからです。この準備段階をしっかりと行うことで、改善策の実行が円滑に進むことが期待されます。

業務改善で一番恐れなければいけないのは、改善した業務に対し実際の業務が先祖返りしたり、改善方法とは異なる個別のやり方が発生したりすることです。それを防ぐためには経営の業務改善に対する意志を伝えるのはもちろんのこと、現場に対しても明確なメリットがあることを根気強く理解してもらう必要があります。多くの人にとって、変化は歓迎されるものではありません。せっかく覚えた、慣れた業務から何故変わる必要があるのか、チェンジマネジメントをコンサルタントとしてリードする必要があります。

改善策実行

実際に改善策を実行する段階です。ここでは、計画した改善策を現場で実施し、その進行状況を定期的にモニタリングします。絵に描いた餅が、きちんと食べられるものであったかを検証するフェーズです。改善策の実行中に発生する問題や障害に対しては、迅速に対応し、計画通りに進行するよう努めます。また、実行過程でのフィードバックを得ることで、必要に応じて計画の微調整を行うことも重要です。

既存業務のIT化や新たなツール導入を目的とした業務改善においては、システムベンダと連携して実行することもあるでしょう。その場合はサービスインのイベントと並行して実施することとなります。ツールの状況によっては切り戻しや並行運用なども考えられますが、コンサルタントは様々なプランを準備して備える必要があります。

評価・修正

最後に、改善策の効果を評価し、必要に応じて修正を行います。ここでは、事前に設定した目標に対する達成度を評価し、改善策が実際にどの程度効果を発揮したかを確認します。定量的な効果であれば比較的シンプルですが、定性的な業務の場合には、事前にきちんとゴールの状態を定義しておく必要があります。

評価の結果をもとに、さらに改善が必要な点があれば、追加の改善策を検討し実行します。このサイクルを繰り返すことで、継続的な業務改善が実現します。

終わりに

業務改善コンサルティングプロセスは、一度限りの取り組みではなく、継続的な努力が求められます。本稿で紹介した「目的設定」、「現状分析」、「改善策検討」、「改善策実行準備」、「改善策実行」、「評価・修正」の6つのステップをしっかりと踏むことで、企業は効率的で効果的な業務改善を実現できます。これにより、企業は競争力を高め、持続的な成長を遂げることが可能となります。

とはいえ、クライアントにとって業務を常に見直し続けるのは生半可なことではありません。やっと今の業務に慣れたと思ったらまた新たな業務に変わる。普通に考えれば嬉しいことではないでしょう。そうした中でも、クライアントがポジティブに、且つリーズナブルに業務を見直すための支援を心がけることが、コンサルタントの重要な役割だと考えます。

[コンサルティング業界]に転職をお考えの方の個別相談会はこちら

Profile

プロフィール

写真:戦略コンサルタント

戦略コンサルタント

新卒で内定したコンサルティングファームが買収され、そこからIT系、総合系ファームで様々なプロジェクトを渡り歩き、外資系戦略コンサルティング・ファームへ転職。現場から経営との対話まで多様な経験を保有する。


転職のご相談・お問い合わせ コンサルティング業界に強い
専門のエージェントに
転職相談(無料)
してみませんか?

各社の採用ニーズを熟知し、業界のキーマンともリレーションを持つ専任コンサルタントが転職活動を支援します。
求人紹介はもちろん、最適なキャリアを提案します。

  • 転職成功者の90%以上が
    満足と回答

    初回面談から内定まで平均6か月。
    貴方のペースに合わせて
    納得できる転職活動を支援します。

  • 安易に転職は勧めず戦略的に
    最適なキャリアを提案します

    コンサルタントは狭き門です。
    焦って応募して後悔しないよう
    準備が整うまで伴走します。

  • 最難関の戦略ファームへの
    紹介実績は200件以上

    コンサル業界1000件以上の転職成功
    実績は業界トップクラス。転職支援の
    自信は数に裏打ちされています。

1分で完了 無料登録・転職相談

現在約6000人以上が登録中!
転職活動にすぐに役立つ
メールマガジン(無料)もございます。

メールマガジン登録(無料)