マッキンゼー・アンド・カンパニー(以下、マッキンゼー)でコンサルティングを学び、ベインキャピタルで投資ベースの経営変革に携わってきた伊藤さんが、あえて新しく設立されたばかりのフィールドマネージメントに入った理由とは何だったんでしょうか?
【伊藤】私の理想は一貫してビジネス、企業経営のフィールドで貢献できる人間になりたい、というものでした。マッキンゼーに入社した理由も、ベインキャピタルに移った理由も同じです。特にベンチャー志向があったわけでもないんです。
ではなぜ再びグローバル規模のファームやPEなどに行くのではなくフィールドマネージメントに入ったのかといえば、設立者の並木と出会ってしまったからです。並木が語りかけてきた「経営者を支える新しい形」というものに、心から共感してしまったがために、今ここにいるんです。
既存ファームの手法とフィールドマネージメントとの違いについては、並木さんからもうかがったのですが、戦略ファームとPEの両方を経験された伊藤さんには是非、クライアントとの関係性の違いについて教えてほしいのですが。
【伊藤】ファクトベースを基礎に置くコンサルティングファームでは、やはり発想の仕方がロジックやMECEといったものになります。もちろん変革の実行面にもコミットするとはいえ、基本はクライアントにとって提案者という立場になることがどうしても多くなります。
ではベインキャピタルのように投資を軸に経営と向き合う立場になった場合どうなるかというと、「株主に雇われた人達」という風に見えてしまいがちになります。もちろんコンサルタントであろうとPEの人間であろうと、企業の経営向上に貢献するために働くわけですが、経営者に常に寄り添い共に歩む存在かというと、必ずしもそうでないケースもあると思います。
しかし、フィールドマネージメントが携わっているプロジェクトはどれも、クライアントとリアルにリスクを共有するものばかりです。つまり「経営者と共に歩んでいる気持ち」。コンサルティングだと外部からの提案者、PEは経営者を雇っている人、という何か違和感を持ち続けてきたので、今は経営者に寄り添える場を見つけられて視界が晴れたというイメージでしょうか。
プロフィール
伊藤 公健 氏
株式会社フィールドマネージメント 執行役員
東京大学大学院工学系研究科を修了後の2004年、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。東京およびドイツ・フランクフルトのオフィスにて多数の経営コンサルティング案件を担当。2007年、さらなる成長を目指しベインキャピタルへ転じ、投資を軸にした経営支援に従事し実績を築いたが、2013年、フィールドマネージメント代表の並木裕太氏と出会い、独自の思想に共感。同年5月より現職。既存の型にとらわれないフィールドマネージメント流の経営支援案件を担うと同時に、いわゆる戦略コンサルティングの枠を超える新規事業の立ち上げや確立にも関わっている。
この企業へのインタビュー一覧
- [コンサルティングファーム パートナーインタビュー]
- 株式会社フィールドマネージメント 代表取締役 並木 裕太 氏(2014.1)
注目ファームの現職コンサルタントインタビューの最新記事
- A.T. カーニー株式会社 | シニアパートナー 針ヶ谷 武文氏 / マネージャー 梅本 周平氏 / マネージャー 柳田 諒 氏(2022.2)
- 株式会社リヴァンプ | 取締役 執行役員CFO 大山 拓也 氏 / 業務コンサルティングチーム シニア・マネージャー 徳田 浩明 氏 / 経営支援チーム マネージャー 阿部 浩平 氏(2022.2)
- コーン・フェリー・ジャパン株式会社 | コンサルティング部門責任者 シニア・クライアント・パートナー 柴田 彰 氏 / アソシエイト・クライアント・パートナー 酒井 博史 氏 / コンサルタント 大木 崇史 氏(2022.1)
- PwCアドバイザリー合同会社 | パートナー 大屋 直洋 氏 / ディレクター 西田 雄太 氏 / シニアマネージャー 近藤 格 氏(2021.11)
- デロイト トーマツ コンサルティング合同会社(モニター デロイト) | アソシエイトディレクター 藤井 麻野 氏 / マネジャー 加藤 彰 氏 / スペシャリストリード(サステナビリティ) 山田 太雲 氏(2021.4)