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A.T. カーニー株式会社 #04への転職(求人・中途採用)

現職コンサルタントインタビュー

A.T. カーニー株式会社

今年日本オフィス設立50周年を迎えたA.T.カーニー。2020年には日本代表が関灘茂氏に交代し、当時38歳の史上最年少代表として高い注目を集めた。同社は現在200名規模であるが、今後は300名規模への拡大を目指しているという。採用や教育の方針、そしてその背景となるA.T.カーニーのビジネスモデルについて、コンサルタントの教育面を担う、プロフェッショナルデベロップメントチームの責任者であるシニアパートナーの針ヶ谷武文氏にお話をうかがい、また現場の視点としてシニアビジネスアナリストとして入社し、現在ではマネジャーとして活躍されている梅本周平氏、柳田諒氏にお話をうかがった。

自己紹介をお願いします。

【針ヶ谷】私は通信会社で企画業務に従事した後、2005年8月にシニアビジネスアナリスト(SBA)としてA.T.カーニーに入社しました。コンサルティングの経験は16年超になります。現在はシニアパートナーとして、業界軸ではCMT(通信、メディア、テクノロジー)、テーマ軸では海外事業戦略や成長戦略、デジタルトランスフォーメーションなどを中心としたプロジェクトを手掛けています。CMTプラクティスとデジタルプラクティスのローカルリーダー、またグローバルチームであるSTLTプラクティスのメンバー、また、コンサルタントの育成・トレーニングを担うプロフェッショナルデベロップメントチーム(PD)の日本における責任者を務めています。

貴社の概要を教えてください。

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【針ヶ谷】A.T.カーニーは1926年にシカゴで創業しました。カーニー&マッキンゼーというファームを前身としており、同社が"戦略"と"オペレーション"で2社に分裂した際に、オペレーション側で創業したのが弊社で、戦略側はマッキンゼー&カンパニーになりました。私たちは創業時より「Tangible Results(目に見える成果)」を社是として掲げています。ここ10年で他のコンサルティングファームが、成果へのコミットメを打ち出すようになりましたが、私たちは創業以来長年にわたって成果にこだわり、実行局面での支援を強みとしてきました。

日本オフィスは、外資系ファームとしては比較的早い1972年に設立され、今年50周年を迎えました。2020年に日本代表の交代があり、新たなリーダーとして当時まだ38歳の関灘が就任しました。関灘は、A.T.カーニー史上最年少の現地法人代表で、業界全体でみても非常に若いリーダーです。関灘のリーダーシップの下、今後弊社は大きく変革していこうとしています。

オペレーションにルーツを持つ貴社ですが、現在はどのような案件傾向があるのでしょうか。

【針ヶ谷】今でもオペレーションに強みはありますが、実は進行中案件の7割が戦略案件です。ファームによって"戦略"の定義が多少異なる部分もありますが、これは業界の中でも非常に高い水準です。他の多くのファームでは、戦略策定後の実行局面においてBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)的にオペレーションを引き受け、その中で成果を出すというアプロ―チを取っています。例えばデジタルマーケティングプロジェクトであれば、デジタル広告代理店からの広告の購買、成果測定、PDCAを回す運用代理業務も請け負うという形です。もちろん私たちも実行局面での支援をしていますが、あくまでクライアントが自社でできるケイパビリティを持つべきだと考えているため、私たちの支援は彼らが自走できるようになるまでの伴走サポートです。このアプローチは、創業以来一貫して変わりません。戦略から実行までを一貫して支援している、という点では他社と同じですが、フェーズごとの比重が大きく異なるのです。

オペレーションから戦略へとシフトした背景を教えてください。

【針ヶ谷】これは意図的に変えたというよりは、自然と変わっていきました。大きく2つの理由があり、1つはオペレーションに特化した会社が増えてきたので低付加価値な領域については私たちがやる意味が薄れてきたこと、もう1つは私たちがミドルマネジメント変革に強みを持っていることです。日本では「現場主義」の文化があり、現場を仕切る部課長といったミドル層の力が強く、彼らは必ずしも上の意思決定に従う訳ではありません。素晴らしい戦略を立てても、実行を担う現場が何かしら理由をつけてやらない間に、雇われ社長が交代して結局何も進まなかった、ということがしばしば発生しています。これは上に従わなければ解雇もあり得る海外の人には不思議に映る、日本特有の事情です。そのため、日本においては戦略をミドル層へ落とし込むミドルマネジメントが非常に重要です。実行を全て現場に任せるという、旧来の戦略ファーム的なアプローチ方法はなかなか日本では馴染まないのです。そのため、ミドルマネジメントに強みを持つ私たちに、戦略策定から落としこみまでを一貫してお願いしたいという依頼が増えたのです。私たちの実行支援はあくまでクライアントが中心で伴走に徹しているので、結果的に戦略の割合が大きくなったということです。

変革を推進するためには、最上流の戦略が正しいのは勿論のこと、ミドル層と対話するジュニアクラスのコンサルタントが戦略を適切に理解し、現場に納得感を持っていただける形で落とし込む必要があります。「この人達の言うことを聞けば大丈夫」と思っていただけるかが重要で、そのためにはコンサルタントはただロジカルなだけではなく、人間力も求められます。弊社にはそうした人間力のあるコンサルタントが数多く在籍しています。

人間力というキーワードが出ましたが、貴社ではコンサルタントを採用する際に何を重視していますか。

【針ヶ谷】WillとSkillに分解してお話すると、まずSkillについては、若手は基本的にはポテンシャル採用で、入社時点でのスキルよりは "伸びしろ"を重視します。伸びしろの見極めは難しいのですが、1つの視点として、日々物事に対して疑問を持ち、その疑問に対して自分なりの解決策を考える習慣があるかを見ます。これは、面接でお話するだけでも結構分かるものです。Skillがあればもちろんプラスにはなりますが、あくまでベースに日々問題意識を持ち続ける習慣があり、コンサルとして問題を解く機会が増えた時に活躍できる素地があっての上です。シニアの方の場合は、Will よりもSkillのフィッティングを重視しています。

Willについては、まず、「日本の会社を本質的に変えていきたい」という私たちの志に共感していただけるかです。弊社ではこの国を良くしたいという志を持つコンサルタントが多く、私たちシニアリーダーシップチームも、どうすればこの国を変えていけるのか、どの企業をどの様に変えていけば良いか日々議論しています。例えば、あまりうまくいっていない会社の中にいて、中からは何もできなかったが、コンサルタントの立場からであれば何かできるかもしれないと思ったなど、何かしら実体験に基づく想いや問題意識を持っている方はフィット感が強いです。そうした想いがなく、ただ大きなビジネスをしたいといった理由ではフィッティングは低いと思います。

また、自分自身で学ぶ意欲のある方です。今私がやっている社長直轄のプロジェクトでは、社長直下の事業推進室長のカウンターパートをSBA 1名にお任せしています。室長とのディスカッション、ディスカッションのための資料準備、室長から社長へ報告するための資料の準備まで彼が1人でやっています。もちろん後ろからサポートはしますが、基本的には彼が自身で考えなければいけません。彼はその環境を物にして、とても成長しました。チャレンジングな環境に身を置きたい、自分で考えてスキルやケイパビリティを付けていきたいという意欲のある方であれば活躍できる素地があると思います。

バックグラウンドとしてはどのような方が多いでしょうか。

【針ヶ谷】中途入社では元々大手事業会社の出身者が比較的多く、業種はその時々によって変わりますが、全体的に金融・自動車・ハイテク産業の出身者が多いです。部門としては、以前は経営企画部出身者が多かったのですが、最近は事業部の改革案件が増えていることもあり、マーケティング、営業、サービス開発など出身部門は多様化しています。また最近は、スタートアップ・ベンチャーの出身者、官公庁出身者も増えています。卒業したアラムナイの一定数がスタートアップ・ベンチャーに行きますが、そこで活躍している方が多く、その界隈での評判が良いそうで若手が弊社を志望してくださるようです。

針ヶ谷様はPDの責任者としてコンサルタント育成を主導されていますが、入社後の人材育成について教えてください。

【針ヶ谷】かつては"千尋の谷に突き落とす"的な感じで、4日間の入社研修の後にいきなりプロジェクトに入っていました。しかし、入社時点でのハードスキルの差を徹底的になくそうと、2年前に入社研修を大きく刷新し、「超実践導入研修」という1か月間の研修プログラムを導入しました。単なるエクセルやパワーポイントの使い方だけではなく、コンサルタント的な議事録の取り方、クライアント社内でメンテナンスしながら運用できるエクセルの構造、インサイトを導出するためのリサーチ方法といったすぐにでも必要となる実践的なスキルを身に着けます。新入社員数名に対してコンサルタント1名が講師としてつき、ワークとフィードバックを通じて身に着けています。

また、弊社では"学び合い"の文化を醸成させようとしており、そのための機会を積極的に設けています。例えば、ジュニアが集まって「エクセルの上手な使い方」など毎回テーマを置いて、Tipsを共有し合うコホートミーティングを定期的に開催しています。非常に評判が良いので、今後は少し上の層でも開催する予定です。マネジャー層向けのプロジェクトマネジメント研修では、講義パートは極力減らして、既にマネジメント経験のあるコンサルタントと、これからマネジメントをしていくコンサルタントでチーミングして、彼らの間で悩みや解決策を共有し合っています。

弊社ではその他も一般的な研修も含めて様々な研修を提供していますが、研修動画配信サイトをグローバルで整備しており、すべての研修を録画してサイトに掲載しているのでいつでも見られるようになっています。

会社の利益を考えると、社員数を増やして後工程も含めて拡大する道も考えられるかなと思っていますが、今後もそちらにシフトする考えはないのでしょうか。

【針ヶ谷】現段階ではその考えはありません。弊社では「2050年までに、世界中の経営のロールモデルとなる日本を代表する大企業20社、世界に新たな価値を創造する日本発ベンチャー企業200社を生み出す」ことを目標に掲げています。戦略が実行に移されなかったり、コンサルが入り続けなければ現状維持さえできない会社は、真に世界で戦えるグローバル企業とは言えません。弊社では創業者の言葉である「Essential Rightness(本質的に正しいこと)」という価値観を大切にしています。私自身、よく心の中でこの言葉を反芻していますが、目の前のクライアントの支援を通じて、日本を、ひいては世界を良くすることに繋がることを考えると、私たちが目指すべきは自走できる強い企業を創ることです。例えば私が今ご支援しているあるプロジェクトでは、クライアント社内で必要な人材を検討し、その採用を行っています。優秀な人材を採用してクライアント内部が強化されれば、私たちの仕事は減りますが、クライアントの会社としてのステージは1段上がります。ステージが上がって新たな課題に直面すればもちろんサポートしますし、もし課題に直面せず単純に私たちの仕事が減ったとしても、"本質的に正しいこと"をしたのだからそれで構わないと考えています。

現在拡大中であるのはどういった背景なのでしょうか。

【針ヶ谷】弊社では、社員数を現在の200名から300名規模へと拡大する計画です。この300名というのは、現在のサービスを日本の主要インダストリーをカバーするために必要な人数の逆算です。BPOに広げるなど、方針を変えなければ会社が維持できなくなる規模までは拡大しません。

これまで針ヶ谷様にとって印象的であったプロジェクトを教えてください。

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【針ヶ谷】マネジャー時代に経験した、ある組織の改革のプロジェクトです。その組織は部長が何十名もいる大きな組織で、社内でも独立した国かの様に独自の風土を持っており、自分達がやりたいことをやっていて、利益を上げられていない状態でした。この組織を抜本的に変えたいという社長の強い意志でスタートしたプロジェクトでした。

まずは、その問題点とその根本原因を特定するために、数十名の部長全員を対象にインタビューを行いました。ただ質問に沿って同じことを淡々と聞くのではなく、回答に対してなぜそう考えるのかを深掘ったりしながら1人当たり1時間以上のディスカッション行いました。彼らから見れば組織にメスを入れる"敵"だと思われていた面もあり、なかなかすんなりとはお話しいただけませんでしたが、何とか全員のインタビューを終えて彼らが会社全体の方針にそぐわない行動をしている事実を特定し、組織の構造レベルから切り込む提案を作成しました。

報告の場は、社長も部長陣も関係者全員が出席する会議でした。今の組織を変えたくないという我々の提案に反対し得る方も当然数多くいらっしゃり、そもそもの前提となっている弊社が抽出した "問題"は事実として正しいのかが争点になります。もし我々が事実誤認をしていれば前提が崩れてしまい、我々への信頼感という意味でも、今後の改革の推進がかなり難しくなります。

ただ、私たちは部長全員と1時間以上もひざ詰めして議論を行い、徹底的に現状把握をしました。部長が何十人もいる組織では、実は部長間のコミュニケーションにも濃淡があります。全員と徹底的にディスカッションをしていた私たちの方が、部長陣よりも組織について詳しかったのです。やはり現場から様々な質問が出ましたが、私たちはその全てに答えることができました。

そして、無事我々が特定した問題が事実であるとして認められ、その場で社長が我々の改革案に対して裁可を下しました。現場の主要関係者が揃ったその場で合意を取れたことで、その後の実行フェーズでは組織が一丸となって進めることができ、わずか半年で変革を完了し、その組織はその後大きく飛躍しました。

このプロジェクトでは、問題の発見と解決策の提起までは私たちが徹底的にサポートしましたが、最終的に社長がその場で「私が全ての責任を取る」と言って意思決定したことが現場の推進力を大きく高めたと思います。意思決定ができる経営者の方と出会えた時に全力でその方をサポートすることで、大きく会社を変えることができることを学んだのはその後のコンサル人生において非常に大きな経験でした。

針ヶ谷様が今後実現していきたいと考えていることを教えてください。

【針ヶ谷】私は2000年に大学を卒業しました。就職氷河期の中でも特に底と言われた世代で、地元の同級生は皆就職で苦労し、正社員になれなかった人も数多くいました。その時に、この国では企業が強くなければ若者がこんなにも苦しむのかと痛感し、企業を強くする仕事に携わりたいと考えたのがコンサルティング業界に入社した理由の1つです。

企業を強くするためには今後、日本企業が海外で真に勝っていくための支援を行っていきたいです。日本国内で企業を変革させた実績は豊富に持っているものの、海外で真の意味で勝てる企業を創るのは非常に本当にハードルが高いことです。勝つための投資や意思決定を行える経営者が必要ですし、それを実行に移せる内部体制をつくらなければなりません。それをハンズオンで支援するのがコンサルタントとしての究極の目標です。

PDの責任者として針ヶ谷様が今後目指していることは何でしょうか。

【針ヶ谷】新しいコンサルタント像とその育成モデルを創り上げていく事を自身のミッションとして認識しています。かつてコンサルタントは徒弟制度的に、ジュニアの間はマネジャーやシニア・コンサルタントと同じデスクで長い時間を一緒に過ごしながら指導を受けていました。今では働き方改革もあって、コミュニケーションも効率的になっていますし、短時間で効率良く仕事をこなすことが求められています。

また、若手もミレニアルズからZ世代という価値観が異なる世代に移る中で、若い世代が求めているコミュニケーションも変わっています。まだまだ試行錯誤中ですが、そうしたコミュニケーションの変化の中でも、本質的に日本企業を変えることができるコンサルタントを育成し続けるということにチャレンジしていきたいと思います。

最後に、候補者の方にお伝えしたいことはありますか。

【針ヶ谷】弊社として皆さまに確実にお約束できるのは、コンサルタントのみならず、事業会社でも、ベンチャーでも、起業でも外に出て通用する人材になれることです。弊社ではチャレンジングな環境を提供し、バックアップしているので、そうした方の割合は他社よりも高いと自負しております。日本の企業を変えたいという想いを持っている方は是非挑戦していただきたいです。

プロフィール

写真:針ヶ谷 武文 氏

針ヶ谷 武文 氏
シニアパートナー

東京大学教養学部卒業。 大手通信会社で営業企画・事業企画・サービス開発を経て、A.T. カーニーに入社。通信・ハイテク・メディア企業を中心に、14年を超えるコンサルティング経験を有する。
事業会社における様々な組織横断での事業推進の経験を下敷きに、デジタルを始めとするトランスフォーメーション、海外事業戦略、新規事業戦略、事業ポートフォリオの再構築、事業ターンアラウンドのテーマを中心に地の足の付いた実効性の高いコンサルティングサービスを提供。

写真:梅本 周平 氏

梅本 周平 氏
マネージャー

新卒で東芝に入社。医療機器子会社の経理部門に5年間勤務し、17年にKearneyに入社。製薬・医療機器等のヘルスケア企業・エレクトロニクス等のハイテク企業向けのコンサルティング業務に従事。

写真:柳田 諒 氏

柳田 諒 氏
マネージャー

新卒で商船三井に入社。東京・香港・シンガポールにて計5年間勤務し、19年にKearneyに入社。消費財・小売領域で事業戦略・マーケティング戦略などのコンサルティング業務に従事。

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