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1ページ目 | NTTデータ Tangityへの転職(求人・中途・キャリア採用)

デザイン/デジタルコンサルファームインタビュー

NTTデータ Tangity

デザインプロセスで社会のあり方を変える
NTTデータが立ち上げた組織横断型グローバルブランドとは

2020年6月にNTTデータが立ち上げたサービスデザインブランド「Tangity」。世界4カ国にあるグローバルデザインスタジオを一つのブランドとして統合した新しいデザイン集団だ。その中で、日本のデザインスタジオ「Tangity Tokyo」を率いるのは2020年1月にNTTデータにADP(アドバンストプロフェッショナル)として入社したService Designerの村岸史隆氏だ。その村岸氏に、海外のブランドエージェンシーやデザインファームでの経験を経て、NTTデータという国内最大手企業でチャレンジする理由を聞いた。

サービスデザインの力で社会を変える仕事がしたい

村岸さんのこれまでのご経歴を教えてください

【村岸】ニューヨークの大学院を卒業した後、そのままアメリカで企業やプロダクトのブランディングデザイナーになりました。それからソーシャルプロモーションを手掛けるスタートアップに1人目のデザイナーとしてジョイン。Amazon傘下のAlexa InternetでUXデザイナーを経験した後、日本に帰国しました。

帰国後はinmobiや韓国系通信会社などで働いた後、雑誌『VOGUE』を手掛けるコンデナスト・ジャパンでモバイル事業の立ち上げを支援。それからTigerspike東京支社で2人目のUXデザイナーとして働く傍ら、デザインチームを10人近くまでスケールさせました。

デザインの文脈でプロダクトやサービスのUXを改善したり、ユーザー視点で事業を立ち上げたりしています。

海外のデザインファームなどでサービスデザインや事業立ち上げの豊富な経験を持つ村岸さんが、NTTデータを選んだ理由は?

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【村岸】もっと社会価値を高める仕事をしたいと思ったからです。

それまでのキャリアは、プロダクトやサービスをより良くする、いわば企業価値を高める仕事がメインでした。しかし製造、金融、航空、出版といった多種多様なクライアントワークを行う中で、サービスデザインやデザイン思考の力で、公共事業やインフラなど社会全体にインパクトを与える仕事がしたいと思うようになりました。

また、国内の大手企業とクライアントワークを行うなかで、大手企業の内部でプロジェクトを推進する経験を積み、クライアントの大変さに寄り添えるようになりたいと思うようになっていきました。

NTTデータの組織横断型グローバルブランド「Tangity」

NTTデータの中で、Tangityというチームはどのような位置付けですか。

【村岸】TangityはNTTデータが世界10カ国で展開するデザイン組織「NTT DATA Design Network」の一部です。中でもイタリア「Degital Entity」、ドイツ「ENSO」、イギリス「NTTDATA UK」、日本「AQUAIR」という4カ国のデザインスタジオを束ねた新しいブランドがTangityです。イタリアをCoE(センター・オブ・エクセレンス)とし、組織横断型のデザイナー集団のブランドとして、活動しています。

Tangityという言葉は「実体があること」を意味するTangibleからきています。より一層無形化・複雑化する様々なビジネスを、使う人にとって手触り感のあるわかりやすいサービスにしたいと考え、名付けられました。

【村岸】Tangityでは、「We humanize complexity.(複雑化する社会を人に寄り添いより豊かにする)」というミッションを掲げています。これは複雑化し、多様化する人間の行動をヒューマンセントリックな視点から紐解き、人間の温かみを感じられるサービスをつくっていこうという考え方を示したものです。

中でも私たちTangity Tokyoのデザインプロセスは、大きく分けて4つのプロセスからなります。ユーザーリサーチやビジネスデザインなどを行う戦略策定(Market Discovery、People Discovery)、サービスのコンセプト設計(Solution Design)、そして実際のプロダクト・サービス開発やマーケティング、グロースハック(Development)といった流れになっています。

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デザイン思考や当社全体に流れるサービスデザインのノウハウに基づき、ユーザー視点でリサーチを行ったり、ビジネスモデルやマネタイズモデルの策定、プロトタイピングの制作、実際のプロダクト・サービス開発とそのマーケティングや効果検証を行ったりもします。

NTTデータの各部門とどのように連携してプロジェクトを行っているのですか。

【村岸】NTTデータ社内には「公共・社会基盤」、「金融」、「法人・ソリューション」、「グローバル」という4つの事業部門があります。Tangityは、この4部門を横断的に支援するサービスデザインチームとして機能しています。

仕事のフローとしては大きく2つのパターンがあります。一つは社内の各事業部門のクライアントに対してサービスデザインを提供していくケース。もう一つは社内に対して、インハウスのサービスデザインチームとして自社のプロダクトやソリューションのUXをより良くするワークショップや、コンサルテーションを行うケースがあります。

クライアントワークを行うケースでは、Tangityのデザインプロセスを活用したいとクライアントから指名をいただくこともありますし、各事業部門のセールスチームからサポートに入って欲しいとオーダーをもらう場合もあります。4つの各事業部門にもデザインチームがあるため、彼らと協働でプロジェクトを進めることもあります。

プロジェクトのフェーズに応じて、戦略策定の段階では社内外のビジネスコンサルタントやデータサイエンティスト、マーケティングコンサルタントと、プロトタイプ制作や実際の開発の際はエンジニア、カスタマーサクセスらと協働することもあります。

一方、社内に対しては、デザインプロセスによってソリューションやサービスをより良くする方向性を模索するワークショップを行いました。コロナ禍ではオンラインワークショップも加速度的に進化させています。ときにはNTTデータグループ内の社員が使う社内システムのUXデザインを行うこともあります。社内システムとはいえ、とても多くのかたが利用するサービスを改善できるため、インパクトや影響力が大きく面白いと感じています。

しかも社内なので、ユーザーインタビューがしやすく顧客視点を捉えやすい。デザインプロセスのスキルが大いに発揮できると思います。

人に寄り添い、人にとって心地よいプロダクトやサービスをつくる

Tangityにはどのようなメンバーがいらっしゃいますか。

【村岸】現在、チームのメンバーは17名、キャリア採用で入社したデザイナーが2名と、NTTデータの社内でサービスデザインの経験を重ねてきたメンバーが6名、セールスや運営を担うメンバーもいます。

皆、豊かなキャリアを重ねた、ユニークなメンバーばかりです。例えば、キャリア入社した2人のデザイナーのうち一人は、金融系SIのデザイン部門から外資系大手ITベンダーへ進み経験を重ねた方です。

もうひとりは、製造系メーカーでデザインやエンジニアリングの経験を積んだ後、大手不動産情報サイトのR&D部門で研究者として勤めた方です。彼はヒューマンコンピュータインタラクションという手法でユーザーインタビューや観察を行い、人間がデジタルツールをより快適に使うための設計・デザインを研究。新規アプリを立ち上げ商用化してきた経験があります。

いずれのメンバーもサービスデザインやデザイン思考、またはそれに近い手法で、ユーザーに寄り添いながらプロダクトや事業を開発しています。また、策定したコンセプトや戦略を、アプリケーション、システム、プロダクトなど何かしらの形あるアウトプットへと具現化できる人々です。

海外で働いた経験や、留学経験のあるメンバーも多いので、外資系企業やデザインファームで働いてきた方にもなじみやすい環境だと思います。

サービスデザインのプロセスでアウトプットを生み出せるTangityで働く醍醐味は?

【村岸】これから大きく成長する分野であるということです。NTTデータという事業体の中にとどまらず、製造、保険、公共インフラなど様々なクライアントワークをする中で新しいサービスや事業をつくっていける面白さがあります。

最近では通信やインフラ、IT系プラットフォームなどの企業からオファーをいただくことも増え、デザインプロセスで社会にとってなくてはならないサービスの困りごとを解決できる醍醐味を感じています。まさに私が転職を考えたときに感じた「社会価値にコミットする仕事をしたい」という思いを実現できるようになってきたように思います。

ご入社してから手掛けた印象的なプロジェクトはありますか?

【村岸】インハウス向けの社内横断プロジェクトがとくに印象に残っています。公共・社会基盤、金融、法人の事業部長たちを集め、新規サービスを企画するイベントがあります。

そのときは10人程度の事業部長が1チームとなり、新規サービスを企画・立案。最終的には各チームがアイデアをプレゼンし、勝ち抜いた2チームがPoC期間に入ろうとしています。私はその1チームをファシリテートしながら、サービス開発のサポートを行い、コンセプト開発のレビューをしたり、ワークショップも行いました。

普段はまったく異なる事業部門で、まったく違う仕事をしている事業責任者たちが一同に介し、それぞれのアイデアや発想力、具現化力を戦わせて、社内が大きく盛り上がっている点がすばらしいと思っています。

イタリアの拠点をメインに、世界16拠点のデザインスタジオと連携

Tangityの組織風土・カルチャーは?

【村岸】内資系企業でありますが、カルチャーはイタリアの拠点に準じたグローバル標準です。これからはTangity以外の世界12拠点にあるデザインスタジオとも連携していきたいので、よりグローバルな環境になっていくはずです。

一見、NTTデータは決裁が通りにくいのではとか、組織が硬直化しているのではないかという印象を抱く方がいるかも知れません。当初、私もそこに不安を感じていました。しかし実際に働いてみると柔軟性が高く、様々な分野・企業から集まってきたプロフェッショナルがすぐに活躍できる組織とカルチャー、そして社内の理解があると実感しています。

どのような人材が活躍できそうですか?

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【村岸】私のように事業会社やデザインファームにいた人はもちろん活躍できますし、IT企業でサービスの企画・開発に携わった方も歓迎です。デザインの観点で事業企画に携わっている人や、コンサルティングファームでサービスデザインを手掛けたご経験も生かせるでしょう。

自動車メーカーや家電メーカーのような製造系メーカーでプロダクト開発を行った方もマッチしています。大人数のチームを率いてリサーチから戦略策定、製品開発・ローンチさせ、売り上げを軌道に乗せるまでの大変さを経験しているところが大きな強みにはるはずです。

IT系メガベンチャーの組織横断型デザインチームにいた方も歓迎です。経験業務は、クライアントワークでも、社内向けでもかまいません。AIやXR、データサイエンスなどで課題解決をすることもあるので、デジタルへの興味関心が高い方がいいですね。

具体的に「デザインプロセス」という名称で業務を行っていなくても、ユーザーリサーチをもとにしたヒューマンセントリックなプロダクト・サービス・事業開発を行っていた方なら研究者、エンジニアといった職域でもかまいません。

採用選考の際に「インフラ企業の経営課題をデザイン思考のプロセスで解決してください」というミッションを課します。その中で、デザイン思考を用いて、戦略やコンセプトから新規サービスを企画・開発していただき、採用インタビューの際に資料をお持ちいただき、プレゼンテーションをしていただきます。

ユーザー視点でデザインプロジェクトを進めた経験のある方なら解くことのできる課題です。それぞれの手法を見れば、個々人の特長やキャリアも分かるのではないかと思います。

これからTangityをどのようなチームにしたいですか?

【村岸】様々な強みを持つ人が集う、多様性のあるチームにしたいですね。デザインプロセスには幅広い手法があるため、私のように戦略やインサイトリサーチに強い人もいれば、ソリューションデザインやコンセプトメイキングに強い人もいる。あるいは、ワークショップを行いクライアントの内側から変革を促すのが得意な人もいる。その多様なアセットを組み合わせて、より多くのニーズに答えられる組織にしたいと思っています。

できればアウトプットとして何かしらのクラフトを作れるようであって欲しい。どのような形でもかまいません。グラフィックでもアプリケーションでも、プロダクトや店舗でもいい。動画や模型、スケッチ、VR空間でもかまいません。

人に共感でき、プロトタイプやイメージ画といった形あるものの力で人々をワクワクさせ、プロダクトやサービスのクオリティを高める。そうした役割が求められるはずです。

【インタビューを終えて】
この取材はコロナ禍で十分配慮の上、六本木一丁目のAQUAIRのスタジオで実施しました。洗練されたデザインスタジオにポロシャツにジーンズというカジュアルなスタイルで現れた村岸さんが軽やかに話される様子が印象的でした。Designの実践の土台となる「多様性を尊重する文化」が既に醸成されている様子が伺えて、NTTデータが「Design」に真剣に投資をするのだと感じることが出来ました。

プロフィール

写真:村岸 史隆 氏

村岸 史隆 氏
Tangity ADP Service Designer

2005年ニューヨーク工科大学大学院で文学修士を取得。卒業後に現地のブランディングエージェンシーに入社。その後、ロサンゼルスやサンフランシスコなどで企業・プロダクトのブランディングやソーシャルプロモーションを手掛ける。その後、Alexa InternetでUXデザイナーとして勤務し、inmobiでHead of Client Servicesを経験。韓国の通信企業SK planetでUXマネージャーを歴任。2015年にコンデナスト・ジャパンでモバイル事業を立ち上げ、事業化を支援。その後Tigerspikeの東京支社に2人目のデザイナーとして入社。デザインチームを10人までスケールさせた。2020年1月、アドバンスド・プロフェッショナル(ADP)」して入社し、現職。

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