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CXOインタビュー エンバーポイント株式会社 執行役員 最高戦略責任者(CSO)経営・人財戦略統括部 管掌 西本 慎太郎 氏

CxOインタビュー

西本 慎太郎 氏

メール配信サービスにおいて13年連続で市場シェアNo.1を誇る「MailPublisher(メールパブリッシャー)」を提供するエンバーポイントは、たった1年間で、SMS・LINE・アプリへとサービス領域を急拡大してきた。
西本慎太郎氏は2019年、戦略コンサルティングファームのベイン・アンド・カンパニーのマネジャーから、同社のCSO(Chief Strategy Officer)に転じた。現在、西本氏は同社の経営企画部門を率いる傍ら、人事、営業、サービスの実務にも深く関与しているという。経営者の参謀役としての職責をまっとうするには「現場の感覚」が不可欠と考えるからだ。そんな西本氏は、いつもの15の質問にどう答えるのだろうか。

西本 慎太郎 氏
エンバーポイント株式会社
最高戦略責任者(CSO)経営・人財戦略統括部 管掌 執行役員
https://emberpoint.com

京都大学工学部卒、同大学院工学系研究科修了。野村證券でM&Aアドバイザリー業務に就き、10件以上の企業買収・資本提携の案件をクロージング。その後、ドリームインキュベータ、ベイン・アンド・カンパニーでは、戦略・経営コンサルティング業務に従事。国内大手企業を中心として、全社戦略・事業戦略の策定・実行支援、組織・人事制度の改革、NPS改善等、様々なプロジェクトに従事。
2019年、エンバーポイントのCSOに就任し、経営戦略と人事を管掌。現在に至る。

[1]自己紹介をお願いします

大学・大学院では寺社や日本庭園の研究をしていました。その頃、たまたまNHKのドラマ「ハゲタカ」が大ヒットしていて、企業を成長させるプロフェッショナルがいることを知り、強く憧れました。
大学院を出てからは、野村證券に入り、投資銀行業務を担うIBDで企業買収や合併をサポートする業務を経験。
その後、ドリームインキュベータ、ベイン・アンド・カンパニーとコンサルを約8年以上経験しました。ドリームインキュベータでは新規ビジネスの立ち上げ案件に多く関わり、ベイン・アンド・カンパニーでは、業界のリーディングカンパニーの経営陣に対して様々なテーマのプロジェクトに携わりました。
エンバーポイントに入社したのは、2019年11月のことです。

[2]現在の社内での役割について教えてください

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CSOとして基本的に2つの機能を管掌しています。
1つは経営企画で、CEOの神谷とともに全社の戦略策定・実行を担当。もう1つは人事部門で、戦略を実現するために人的リソースの振り分けや組織づくりを担当しています。
「基本的に2つの機能」と前置きをしたのは、1メンバーとして、営業部門とコンサルティング部門にも籍を置いているからです。営業に同行したり、コンペの結果に一喜一憂したりしています(笑)。

事業戦略の立案とその実行に責任を負っている以上、売上・利益を生んでいる現場を知り、その難しさを理解していなければ、いくら良い戦略でも「絵に描いた餅」に過ぎないと考えるからです。戦略を高速でピボット・アップデートしていくために、今は役員とメンバーの両面で様々な業務を兼務しています。

[3]小中学生時代はどんなお子さんだったのでしょう?

私の父親は不動産会社を経営しており、私が子供の頃から毎日帰りが遅く、よく資金繰りでぼやいていたので、小学生ながら「自分は絶対に経営には関わらない」と決めていました。なぜCSOをやっているのか不明です(笑)。

[4]高校、大学時代はどのような学生でしたか?

勝ち運だけは人一倍あり、中学時代から熱中していた弓道は、全国大会7位になりました。
大学に入ってから、元々は橋梁工学分野での研究職を目指しましたが、途中から趣味でよく訪れていた寺社仏閣や庭園の研究に鞍替えしました。
研究はとても楽しかったのですが、他の人に比べてデザインの才能が無かったため、違う分野に進むことを決めました。

[5]ご自身の専門性をいつごろ決めたのでしょうか? その理由についても教えてください

私がファイナンスや企業経営に興味を持ったタイミングは、先程お伝えした、テレビドラマの「ハゲタカ」がきっかけです。
ファンド側に焦点があたっているが、そのライバル役として企業の成長・再生の請負人として芝野健夫というキャラクターがいます。経営不振に陥った企業の再建に奔走する彼の働きぶりに共感を覚え、使命感に満ちた仕事ぶりに惹き付けられました。
テレビの前で「こんな面白い仕事がしたい」と思った当時の気持ちは、いまも変わらず心のなかに宿っています。

[6]専門的スキルは主にどこで獲得したのですか?

CSOに求められる専門性を語れるほど経験があるわけではないのですが。会社の状態によって必要なスキル・経験が異なることは分かっています。例えば、今はアプリ開発やシステムインフラの知見が無いことで苦しんでいますが、これは3ヶ月前には必要なかったものです。
一方、フェーズによらず共通して使えるスキルもあって、それは少しずつ掴みかけている、という段階です。

例えば、野村證券では投資銀行業務・ファイナンス、ドリームインキュベータではベンチャー支援や新規ビジネス立ち上げ、ベイン・アンド・カンパニーでは経営戦略を学びました。
こうした経歴からすれば、ファイナンス・経営・戦略が専門といえますが、実際はそのキャリアの中で、現場にどっぷり入り込んで学んできたことの方が役に立っています。

戦略コンサルタントには、戦略フェーズを重視し、実行フェーズを嫌う人が多くいますが、私はむしろお客様と併走しながら戦略を実行・見直していく実行の方に意義を感じていました。戦略コンサルタントの中では珍しい存在として重宝されていたように思います。
客先に常駐して士気を高める盛り上げ役に徹したり、飲み会でスタッフの愚痴や悩みを聞いたりしたことも数知れません。沖縄の海岸沿いを社員の人と歩いて、良い不動産立地を探したりもしましたね(笑)
強いていえば、戦略と現場の落とし込みの両方に触れながら両立させてきたことが私の専門性なんだろうと思っています。

[7]リーダーシップやマネージメントに関する経験やスキルは、いつ、どこで獲得したのでしょう?

マネージメントに関しては、ベイン・アンド・カンパニーで鍛えられました。とくにマネジャーとして学んだことは無二の経験だったと感じています。
ベイン・アンド・カンパニーは、調査会社が毎年実施している、働きやすさを競う企業ランキングで上位を占める常連です。これを支えているのがマネージメント層の優秀さ。入社してそれがとてもよくわかりました。

ベイン・アンド・カンパニーのマネジャーは、いついかなるときでもメンバーや上司、顧客からの質問に即答できるよう、常に5歩先、10歩先を見越して考え尽くすことが求められます。毎週、メンバーはチームの状態や満足度を評価し、その結果が公表されるので気が抜けません。

コンサルティングの実務においても、顧客が到達すべき理想的な状況から逆算して、1年後にここまでたどり着こうと思ったら、半年後、3カ月後、1カ月後、2週間後に、顧客に何をどのように伝え、何を成すべきかを徹底して問われるので常にゴールが見えていないと務まりません。

そのためマネジャーは、メンバー以上に問われるレベルが高く、知的な意味でも体力的な意味でもタフさが要求されます。リーダーシップを磨くには最適な環境だったと感じます。

[8]キャリア形成上の転機があったとすれば、それはいつのことですか?

ドラマ「ハゲタカ」を見て経営に携わってみたいと思った瞬間と、ベイン・アンド・カンパニーでのマネージメントを経験したことがキャリアの転機だったと思います。

コンサルティングの現場で顧客と向き合っていた当時は、とにかく死に物狂いでしたから、この経験が自分の将来にどのような形で役立つのかわかりませんでした。
でも人間的なコミュニケーションがあって、はじめて抽象度の高い戦略を具体的な戦術に落とし込めることを知れたのは、あのときの経験があればこそ。事業会社に移ったいまも当時の経験がとても役立っています。

[9]強く印象に残っている試練やストレッチの経験について教えてください

どれか1つに絞ることは難しいのですが、経営判断・意思決定の最前線に立つ厳しさは何度も経験しています。
現場の本音に耳を傾け、いかんともし難いと思われた状況を打開していく過程は、スマートな外資系コンサルタントのイメージとはかけ離れており、非常に泥臭いものでした。
いま振り返っても、当時経験したことで無駄だったことは何1つなかったのではないかと思います。

[10]影響を受けた先輩や、師匠といえるかたはいらっしゃいますか?

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ドリームインキュベータの創業者である堀紘一さんと、ベイン・アンド・カンパニーのパートナーである石川さんです。

堀さんとは何度かプロジェクトをご一緒したことがありますが、本筋から一切外れない切れ味の鋭いお話しぶりが、強く印象に残っています。
経営者に嫌われてもおかしくないセリフも躊躇なく口にでき、しかも説得力がある。名経営者と対峙できる数少ないコンサルタントでした。参謀とはかくあるべしという1つの規範を見せていただき、とても勉強になりました。

ベイン・アンド・カンパニーの石川さんからは、経営コンサルティングの醍醐味とチームマネージメントのイロハを教えて頂きました。自分のチームのメンバーがメキメキと頭角を現し、顧客の前で自信を持ってプレゼンしている姿を見て、人を育てることの意義を知りました。

[11]座右の銘や、独自の哲学などをお持ちですか?

山本五十六の言葉とされる、「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という言葉が座右の銘です。その続きの、「話し合い、耳を傾け承認し、任せてやらねば人は育たず。やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば人は実らず」まで含めてです。
あとは、チャーチルの「凧が一番高く上がるのは、風に向かっている時である。風に流されている時ではない」とかも辛いときに励まされます。一度航海にでれば、年単位で同じメンバーと共に過ごすことになる海軍のリーダーの言葉には重みがあります。

[12]感動し、影響を受けた本や映画などがあれば教えてください

「英国王のスピーチ」ですね。
吃音に悩む英国王が言語療法士の力を借りてながら努力を重ね、ナチスドイツとの戦いを前に、国民に結束を呼びかける演説を見事にやり遂げるという映画なのですが、むしろ彼を助ける言語療法士ローグの姿に、自分が理想とする参謀・黒子としての姿でした。
前職を辞めた後、実は起業を検討していた時期がありました。実現に至らなかったのは、自分が企業のトップに立って組織を率いるよりも、トップの右腕としてサポートする役割を担う方が自分の性分に合っていると判断したからです。
経営者に選ばれる参謀役でありたいという思いはいまも変わりませんし、おそらくこの先も変わらないのではないかと思います。

[13]CXO(Chief Experience Officer)として今後必要なスキルや資質についてはどのようにお考えでしょうか

創業者やCEOが目立つことが多いですが、CXOがチームとして強いかどうかは本来は重要と考えています。強いCXOが揃っていて、連携が出来ている会社はスピードが違う。今の会社でそれを実感しています。
ヒト・モノ・カネというリソースの中で、ヒトが重要な差別性になってきている。CXOはその中の代表格であり、今後はより重視されるようになると思います。

ただ、その求められる資質は、企業の規模によって異なると思います。
当社のように100人程度の規模であれば、CxOが自ら率先して、計画と実行、見直しを2週間程度のサイクルで回すことができますし、自らを営業部門に置いて、現場の課題・可能性を把握する傍ら、売上貢献もできます。
でもこれと同じようなことを、1000名の営業組織でやっても効果は薄いでしょうし、むしろ悪影響のほうが大きいと思います。
いずれにせよ、人はロジックだけでは動かないもの。実際に戦略とオペレーションをワンセットで回せる能力は必要と思います。

[14]ご自身の今後のキャリアビジョンについて教えてください

売上や利益に責任を持ち、エンバーポイントの成長が確かなものにすることが今のミッションなので、それを完遂するまでは、ここで努力し続けるつもりでいます。
それ以降のことはまだわかりませんが、黒子としてのスキル・キャリアを磨いていきたいと思っています。

[15]若い方々へメッセージ、アドバイスをお願いします

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私もCXOとしてはヒヨコどころかタマゴなので、偉そうなことは言えませんが。。。
一言でいうと、極力「食わず嫌いをしない」ことです。
たとえば自分の意に沿わない仕事やタスクをアサインされたとしても、一端、気持ちを抑えてでもやってみるべきだと思います。

経験が乏しいうちは、どうしても視野が狭くなりがちで安直な判断を下しがちです。
有意義だと思って選んだ道が期待外れだったり、気が進まず歩きはじめた道の先に可能性が広がっていたりすることだって珍しくはありません。

私も「自分がこんな仕事をやる意味あるのか」と思った仕事で得た経験が、今は何よりも貴重な学びに繋がっていることも多くあります。
結局、人は何からでも、誰からでも学べますし、どのような経験も糧にすることができます。自分が進むべき方向性を見出すまでは、安易にNGを出さず挑戦してみてはどうでしょう。思いもよらなかったポジティブな発見や出会いがあるかも知れません。

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