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Baseconnect株式会社 財務責任者 中辻 仁 氏/株式会社UPSIDER 元財務責任者・カスタマーサクセスマネージャー 佐藤 英則 氏 CFOの仕事術 #02

CFOの仕事術

会計士の財務責任者が手掛ける大型の資金調達

「会計士×営業マインド」は最強のコラボ?!

「守りの人だから資金調達は苦手」と言われる事もある会計士でありながら、スタートアップ企業に転身して大型調達を実施するなど、財務責任者としてパフォーマンスを発揮している人物がいる。それが、Baseconnectの中辻仁氏とUPSIDERの佐藤英則氏だ。
キャリアチェンジの理由や、スタートアップ企業で財務責任者としてバリューを出すまでのプロセス、大事にしているマインドについて聞いた。

【前編】「まずはやってみる」事で道は開ける
~アンラーニング&行動力が財務責任者の必要条件~

<キャリアの変遷と所属企業の紹介>

【中川】まずは、自己紹介を中辻さんからお願いします。

【Baseconnect株式会社 中辻仁、以下 中辻】会計士をしており、日米両方の資格を持ってます。最初のキャリアはEYです。EYでの仕事は会計監査とM&A関係が半々ぐらいで、途中米国への1年間の留学も含めて5年ほどEYに在籍した後に、事業会社に転職しました。前半の3年半は大阪ガスで海外M&Aで油ガス田の投資計画からエクゼキューション、PMIまで一連の流れで担当していました。その後、イギリスのマンチェスターに赴任し、メーカーの子会社でCFO補佐のような立ち位置で国際会計やファイナンス業務を行っていました。

帰国後にスタートアップ企業にジョインしましたが、やってる業務は同じですね。ファイナンス、IPO準備、事業開発、IR企画・経営企画等です。スタートアップの方では64億のファイナンス実行とM&Aをしました。事業会社の在籍期間は7年くらいです。

【中川】事業会社の1社目に大阪ガスを選ばれた理由を伺えますか?

【中辻】関西出身なので地元に帰りたいなという思いと、海外経験が10年くらいあるので海外にも赴任したいなという2つの思いがありました。海外案件のポジションがあり、かつ関西勤務という2つの希望を満たしていたのが大阪ガスでした。

【中川】ありがとうございます。佐藤さんも自己紹介をお願いできますか?

【株式会社UPSIDER 財務責任者 佐藤英則氏、以下 佐藤】私も中辻さんと同じく会計士として2013年にEY新日本監査法人に入社して、8年間、監査業務に従事しました。前半4年はグローバル展開している重工業メーカーさんや消費財メーカーさんを担当していました。それぞれ大きな会社でスケールは大きくて面白かったんですが、1人の会計士として担える影響範囲は結構小さいなとも感じていました。比較的規模の小さい会社の方が自分にとって学びが大きいんじゃないかという思いで、後半4年間はスタートアップ企業のIPO支援にシフトしました。

【中川】スタートアップに関わってみてどうでしたか?

【佐藤】会社の規模が小さい方が裁量を持てる、とある意味安易な考えで足を踏み入れましたが、勢いや熱量が大手の会社さんとは明確に違うところで、魅力を感じました。ある意味その熱にほだされるような形で「監査だけでなく熱狂の中に当事者として入りたい」という思いが芽生えていった時に、たまたまUPSIDERを知ったんです。「この会社しかない」という確信めいたものを感じて、私から売り込むかたちで入社しました。

【中川】他の会社を見ずに決めたということですか。

【佐藤】転職活動は一切していないですね。当時、自分の人生をベットするに足るような会社さんともし出会えたら移ってもいいのかなと受身的に考えていたところでUPSIDERに巡り合い、「ここだ」と。

【中川】運命を感じたんですね(笑)。中辻さんはBaseconnectをなぜ選ばれたんですか?

【中辻】1つは、代表との相性ですね。仮に自分に能力があったとしても、代表との相性が良くないとパフォーマンスは絶対に発揮できないと思います。その次にビジネスモデルに魅力を感じたかどうか。この2つの観点で、Baseconnectに決めました。

【中川】事業内容も教えていただけますか?

【中辻】Baseconnectには2つサービスがあり、1つが「MUSUBU」というクラウド型の企業情報データベースサービスです。ターゲティングからアプローチまでの取引先管理といった一連の営業活動をクラウドで支援するもので、SMB(中堅・中小)企業向けのサービスです。
もう1つが「パートナーシップAPI」。お客様のプロダクトにAPIで我々の企業情報データを流し込むサービスで、Sansan様やSPEEDA様、ナビタイム様などの大手企業さんが導入されています。

【中川】ありがとうございます。佐藤さん、UPSIDERの事業内容について教えてください。

【佐藤】私たちも2つのサービスを展開しています。1つは「UPSIDER」という法人向けクレジットカードを提供しています。スタートアップ企業さんを中心にご利用いただいており、最近は上場企業の導入事例も増えてきています。実際に、2022年の新規上場企業の20%以上がUPSIDERのユーザー様です。利用限度額が最大数億円で、かつ会計処理等も簡略化できる新しい形の法人カードサービスです。
もう1つは、「支払い.com」という後払いサービスの事業があります。クレディセゾンさんと一緒にやらせていただいていて、通常の銀行振込みのお支払いをカード払いに切り替えることができ、カードの支払いタイミングまで支払期日も延長できるという、資金繰りの支援サービスです。

入社当時の事業は法人カードの「UPSIDER」のみで、且つ出たばかりのタイミングでした。監査法人時代の原体験として、スタートアップ企業の経理の方々が、紙で届く法人カードの明細を見ながら手書きで勘定科目を書いて、会計ソフトに手入力しているのを間近で見ていました。当時は「大変だなあ」くらいにしか思っていませんでしたが、「UPSIDER」の話を聞いた瞬間に「このサービスで、あの作業がなくなるのか」と、サービスと価値が一気に紐づきました。絶対ニーズもすごくあるし、成功するぞって思ったんですよね。

当時、既にUPSIDERに勤務していた会計士に「UPSIDERに入社したい」と伝えました。翌週、代表の宮城と水野ともう一人の会計士の4人で会食し、そのまま入社しました。

<自身のミッションや業務内容について>

【中川】入社当初はどんなことをやっていたんですか?

【佐藤】はい。「財務責任者」という肩書きですが、財務をやりつつも、メインでやっていたのは営業でした。

【中川】役割が何であろうと気にせずに入社したということなんですか?

【佐藤】正直、いきなり「営業をやって」と言われて面食らわなかったかというと、若干嘘ではあるんですけど、「スタートアップってこういうものだよね」という予備知識があったので、何事もある意味チャレンジだと思って。

【中川】それでやれるのがすごいです。日々の業務内容や割合はどのようなものだったんですか?

【佐藤】UPSIDERにジョインした2021年の4月当初、70〜80%は営業していました。当時、ビジネスサイドは役員を含めて私が4人目で、増えてきていたインバウンドの問い合わせに対応していました。残りの20%は、財務責任者としてバックオフィス周りの経理、労務に加えて総務にも対応していました。

【中辻】ファイナンスがあるかないかで、業務量と比率は変わりますよね。私は、ファイナンスがある時期は70〜80%ほどを充て、あとはIPO準備や経営企画などの諸々に時間を使っていました。ただ、ファイナンス期間も事業提携などが多かったので、そのあたりのPMも少しやっていました。CVCなど事業会社から出資を受けるには、まず大前提として事業が成長していることが前提になるので、事業を作りにいく提案をしていました。今は、ファイナンスは一旦クローズしたので、比率は10%くらいに減りました。あとは、IPO準備が30%、IRが10%、経営企画が20%、その他・オペレーションが10%、業務提携などの事業開発が20%の割合で時間を割いています。

【中川】お2人とも財務だけでなく幅広い業務を担当されているんですね。佐藤さんは、いつくらいまで営業をされていたんですか?

【佐藤】2021年内なので、8ヶ月くらいです。ビジネスサイドのメンバーも増えてきて、UPSIDERとしても調達のフェーズがちょうど重なる形で、2022年から財務責任者の仕事が増えました。具体的には、デットファイナンス調達のプロジェクトを推進していました。
デットファイナンスは2022年の頭から始めて、2022年の9月末ぐらいまで、業務量としては80〜90%を占めるレベルでずっとやっていました。正直、その間の記憶はほぼないくらい一瞬で終わりましたね。2022年10月に467億円のデットファイナンスのリリースして落ち着いてきたタイミングで、代表から「またビジネスサイドに戻ってくれないか」という話がありました。バックオフィスのメンバーも結構揃ってきたので、10月からはほぼ100%、今度はカスタマーサクセスのマネージャーとして仕事をしてきました。

【中川】振り幅がすごいですね。

【佐藤】振り幅しかないです(笑)。

【中川】その柔軟性は、どういうマインドや価値観によるものなんですか?

【佐藤】普段から自分に言い聞かせているのですが、「行動が全てである」という思いですかね。会計士というキャリアが長いので、若干頭でっかちだったり、物事を保守的に見がちなところがあると思っていますが、新しいことをやるのは好きなんですよ。何でもやってると学びは多いですし、プロダクトを売ることもファイナンスも、結局は全て営業だと思います。
先方の利益になることを、いかにロジカルに説得力を持って説明できるかというゲームプランを考える経験が、営業を通して培われたのかなと。その結果、営業からデットファイナンスに切り替えたときも、相手がユーザーさんから金融機関という存在に変わったととらえて対応できたというか。そういう意味では、営業経験をポジティブに捉えています。

【中辻】私も、"アンラーニング"によって成長するのは大事だなとは思ってます。既存の仕事の概念やルーティンを捨てて、新しいものを取り入れていく。スタートアップは、個人としていかにバリューを出せるかが重要だと感じていて、さっき佐藤さんがおっしゃっていたアクションは重要だなって僕も思います。1回やってみないと全然わからないですから。

【中川】中辻さんも事業提携や事業開発の仕事をされていますもんね。

【中辻】今は株主の方との連携を意識していて、 例えば、多数のグループ会社をお持ちの株主がいるので、事業部のメンバーと一緒に提携を進めたりしています。ただ、まだまだだなって思うことの方が多いです。事業提携の進め方でも日々反省すべきことだらけです。事業提携もファイナンスも、最後まで結果が見えないので、「結果的にできちゃった」みたいなところはあります。

【佐藤】めちゃめちゃわかりますね。

【中辻】ちなみに資金調達にあたっては反省の連続でした。95%くらい反省していて、残りの5%ですごくいいことがあったなあ、と。投資家や金融機関からすごく突っ込まれることがあり、「まずい回答したかな、本当にこれでいいのかな」とか。事業計画や数値にしても、本当にこれでいいのかと反省と学習の日々ですね。

--- 後編は、実際に資金調達をどのように進めたかについて、語って頂きます。

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