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バイアウトファンドとは

本コラムは、20代後半から30代のバイアウトファンドで働く(※1)こと(バイアウトファンドのファンドマネージャー)を目指す方々を対象に、バイアウトファンドでの働き方を想像できるように書いていこうかと思います。

初回は、バイアウトファンドとは何かについてご紹介しようと思います。 世の中にはヘッジファンドなどたくさんファンドと呼ばれるものが存在するので、本コラムで書くバイアウトファンドの定義について整理しておきたいと思います

バイアウトファンドとは、投資家(※2)から集めた資金をもとに、成熟した企業(※3)を対象とし、過半数の議決権(株式)を取得して、投資後に投資先の経営に関与し、株式価値を変化(向上)させて、保有する株式を売却(※4)することによってリターンを創出し、投資家に利益を還元することを目的とするファンドを指します。

要は、バイアウトファンドは、投資家から資金をお預かりし、投資活動を通じて、その資金を増やすことが目的です。バイアウト投資では、投資時の読み通りに投資元本以上のリターンを上げられる投資もあれば、残念ながら投資元本を下回る投資もあります。投資家の立場からみれば、投資家はリターンを上げることができた、もしくはできそうなファンドマネージャーを有するバイアウトファンドに出資しようとします。そのため、投資家が出資判断を行うにあたって、ファンドにどのような人材がいるかは重要な判断要素となります。

このような背景があり、バイアウトファンドが人材を採用する場合、候補者が将来ファンドマネージャーとしてリターンを上げられそうかを見極めるために、採用プロセスに時間を掛けるケースが多いものと思われます。

ファンドマネージャーの目標はシンプルに、投資先の株式価値向上です。株式価値の向上には、(1)利益成長、(2)マルチプルアービトラージ、(3)レバレッジ効果の3つが効いてきます。それぞれの項目について投資前はもちろんのこと投資後も継続的に検討することになります。

(1)については、売上を増加させて、不必要な費用を削減することによって実現しますので、投資前に行うデューディリジェンスの中で、算出した正常収益力をもとに投資先が類似企業に比べて優位な点は投資後も最大限伸ばしていこう、劣後する点はせめて業界平均まで持っていこうといった議論を行います。

(2)については、そもそもマルチプルを知らないと話が理解できないと思いますが、ここでは割愛します。マルチプルアービトラージについて敢えて定性的かつ簡潔に言えば、エグジット時における成長期待の高まりであったり、利益成長が継続しそうな予感の高まりでしょうか。これについては、投資後の関与によって高めていくことになりますが、具体的な内容は、投資先ごとにアプローチが異なるため、一概に言えません。

投資検討時は、類似の上場企業のマルチプルや類似のM&A取引のマルチプルと比べて割安かどうかなどを議論しております(もともと投資時のマルチプルが低ければ、エグジット時にアービトラージはとれるだろうという話です)。

(3)については、買収金額の一部を借入により調達することで、リターンを高める効果です。銀行から対象会社の資産や将来キャッシュフローを担保に借入で資金調達を行うことで、ファンドの出資額を減らすことが可能となります。

これを最大限活用する場合、投資実行までに銀行から好ましい条件での融資確約をもらわなければならないので、投資検討を進めながら、銀行に対しても投資候補先の事業モデルや投資シナリオの説明を行うことになります。そして、銀行の反応を伺い、銀行が融資に前向きであれば、融資条件の交渉をすることになります。

(1)から(3)のどの項目が一番株式価値向上に効いてくるのかは投資時の取り巻く環境や投資先自体の状況により変化します。投資先の収益性の改善余地が大きい場合、(1)が効いてきます。投資時に株式市場が低迷しているときは、(2)が効いてきます。投資時に銀行借入の金利が低いときは、(3)が効いてきます。ファンドマネージャーは、これらを組み合わせてどのように投資先の株式価値を向上させていくのか投資シナリオを考えるのが大きな仕事と言えます。このようなことを考えながら働くファンドマネージャーがいるのがバイアウトファンドです。

(※1)バイアウトファンドで働くとは、正確にはバイアウトファンドを管理運営するゼネラルパートナー(GP)で働くことを指しますが、本コラムではバイアウトファンドで働くこととバイアウトファンドを管理運営するGPで働くことを同義として書きます。

(※2)バイアウトファンドの投資家は、様々ですが、銀行や保険会社、ファンドオブファンズなどをよく聞きます。

(※3)投資対象を成熟した企業と曖昧な表現にしておりますが、端的に言えば、キャッシュフローが安定的に創出できる企業を指します。バイアウト投資は、プライベートエクイティ投資の一種であるから、上場企業を含まないとお考えの方がいらっしゃいますが、上場企業も対象となります。

(※4)投資から売却までの時間軸は、3年から7年くらいになると思います(投資先ごとに投資シナリオが異なるため、時間的な幅があります)。

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プロフィール

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PEファンド/ファンドマネージャー

大学院修了後、大手投資銀行 投資銀行部門で経験を積んだ後、独立系PEファンドに転職。

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