お二人がBCMへの入社を決めた経緯について教えてください。
【齋藤】私は就職活動の際、「世の中がどう成り立っているのかを知りたい。そのためにも様々な業界を隈なく見られ、中小企業から大企業まで幅広い企業と密接に繋がっている金融機関で学びたい」という想いから、みずほ銀行に入行しました。希望通り法人営業の仕事に就き、多様な経験を得ていたのですが、その中でコンサルティングファームとの連携案件があり、1つの企業の経営に深く関わる醍醐味を知りました。
これをきっかけに、企業経営者と長期に渡って信頼関係を結び、エクイティを通してリスクをとっていく立場であるPEファンドの仕事に魅力を感じるようになりました。そして、長年みずほ証券と資本関係を保持していたベーシック・キャピタル・マネジメント(以下、BCM)へ参画するチャンスを得て、2016年に移ってきました。
【塚本】元々、私も新卒で入社したのは銀行で、LBOファイナンス・不動産ファイナンス等のストラクチャードファイナンス業務に従事していました。それらの業務経験を積んでいくうちに、スポンサーサイドでより深く企業の投融資に携わりたいという思いと、リーマンショック後に再生案件に携わったことでその分野に強い関心があったことから、再生系の官民ファンドに転職し、昨年末まで約5年間、再生投資業務に携わっていました。
まさに再生企業の現場に入り込んでいく改善アプローチで、もちろん厳しいながらも、それを補うほどの充実した環境だったのですが、担当する投資案件が一区切りしたタイミングで、次の活躍の機会を求めて2019年にBCMに入ることを決めました。
数ある国内系PEファンドの中で、BCMを選択した理由は何だったのでしょう?
【齋藤】塚本と違い、ファンドで働いた経験のなかった私にとって、PEファンドに参画できることは、それだけで十分魅力的なチャンスでした。加えて、ミドルキャップ、スモールキャップにフォーカスし、投資先企業を丁寧に支援する方針に共感したこともBCMを選択した理由の一つです。実際、投資先企業がどのような道のりを辿り、どのような背景があって今の組織や社風が成り立っているかを深く理解することに重きを置きながら、各社の支援に取り組んでいます。
【塚本】PEファンドへ応募させて頂く上で、自身の性格的に、自身の成果や成長と組織の成長がある程度リンクすることが望ましいと考えていたので、小規模若しくは新しく立ち上がったPEファンドを中心に検討していました。また、前職で以前は遠い世界にあった事業者に対して共に汗を流しながら成果を出し、投資を成功に導くプロセスは非常にやりがいがあり、今後もこの仕事を続けていきたいという考えからそうした投資スタイルのPEファンドを志向していました。
その中で、BCMは過去のトラックレコードが豊富にありながら、昨年独立したばかりでこれから更にファンドとして成長を目指そうという意識をもったフレッシュな組織という印象を受け、老舗系と新興系の良いところを両取りできそうな点に大きな魅力を感じました。また、面接を重ねていく上でパートナー陣が経験豊富で人格的に優れており、投資先に対して熱い思い持った人達であると感じた事も大きな要素でした。
これらの点は実際に入社して間違っていなかったと実感しています。
現在担当しているお仕事について教えてください。
【齋藤】新規案件のソーシングやエクセキューションは勿論のこと、2つの投資先企業のバリューアップにも携わっています。ある企業では、新任の社長と日々議論をし、様々な会議に参加して現場の方々とも意見交換をしながら、経営の方針を定めています。
幸い、ソーシングからバリューアップに至るすべてのPEプロセスを一気通貫でやらせてもらえる機会に恵まれ、相談して頂く案件の数が非常に多いこともあり、短期間で本当に多くの学びを得ています。
【塚本】私はBCMには入社して数カ月しか経過していませんが、ソーシングのサポート、エクセキューションを中心に活動しています。案件の量と質の両面から、入社前に想像していたよりも遥かにポジティブな状況です。案件数が多いと感じましたが、質の面に関しても、非常に密度の濃い経験ができる環境だと感じているところです。
お二方の言葉で説明するとしたら、BCMとはどういう会社なのでしょう?
【齋藤】自分次第で無限に成長のチャンスを拾っていける会社、ですね。主体的に動き、高いパフォーマンスを上げることができれば、業務の幅を広げる機会を得ることができます。
また、投資先企業と投資家にコミットする責任重大な立場ですから、それぞれに与えられたミッションの達成については当然厳格に追及される一方で、プロセスの部分に個々の裁量を持たせてくれる点はBCMの特徴だと思います。他のメンバーや専門家から知見を吸収しながら、自分なりに必死に考え、成功に導く過程はとてもやりがいがあります。
【塚本】組織のフラットさと担当者の裁量の大きさがある会社だと思います。BCMを窮屈だと感じる人はあまりないのではないでしょうか。
基本的にどの案件も担当パートナーと共に案件を進めるのですが、担当者でありながらオーナーシップを持って案件に取り組みやすい環境です。もちろん好き勝手にやって良いわけではないですし、責任を持ってハードに働く事も求められますが、連携が取りやすい環境でもあるので齟齬は起きづらいと思います。
あとは、今後組織が更に成長していくであろう期待感みたいなものを非常に感じることができる会社という点を挙げておきたいと思います。
どういう資質の持ち主が活躍できると思いますか? そういう人たちへのメッセージもお願いします。
【齋藤】BCMには「投資先企業を良くしたい」というシンプルな志を真剣に抱いている人間が集まっています。ですから、金田を筆頭に誰もが投資先企業とその役職員の方々に対してリスペクトを持ち、密にコミュニケーションをする風土が根付いています。そうした誠実味ある姿勢に心から共感し、共鳴してくれる方ならば、きっと成長できますし、タフな仕事内容を楽しみながら進めていけると思っています。
誰もがファンドでの実務を経験しているわけではないでしょうけれども、覚えるべき知識やノウハウは手厚いサポートのもとでキャッチアップしていけます。私自身がそうでしたから、これは断言できます。能力は勿論求められますが、BCMらしさでもある、誠実さをコミュニケーションを通じて発揮していける方、本気で投資先企業を良くしたいと思い、様々な事柄に好奇心を持てる方と一緒に働いていきたいですね。
【塚本】私自身が、まだまだ経験不足な中でどういう資質の持ち主が活躍できるかを述べるのは難しいですが、今までの経験から感じることは、スモール・ミッドキャップの投資は必ずしも頭がきれるからと言って活躍できるわけでもなく、それこそ相手の心情や状況を読むことができず、投資先から総スカンをくらってしまって、立案した施策の実行もままならないということは散見される事例ではないでしょうか。
そうした意味でソフトスキルが重要になり、どのようなたち振る舞いが良いかは本人のキャラと場面によるとはいえ、洞察力と巻き込む力という部分は必ず求められるのではないかと考えています。
また、ある程度長い期間案件に関わるため、どの案件にも大変な局面は必ず出てくるので、とにかく案件を何としても最初から最後までやりきる、という心構えが重要ではないかと考えています。
プロフィール
齋藤 翔 氏
ヴァイスプレジデント
慶應義塾大学商学部卒業。
新卒でみずほ銀行に入行。国内支店において主に法人営業を担当。大企業・中堅企業向けの事業金融に携わった後、2016年7月よりベーシック・キャピタル・マネジメントに参画。自動車部品メーカーや知的財産権サービス企業のバリューアップを担うとともに、ソーシング、エクセキューション、DD等、幅広く業務を担当している。
塚本 亘 氏
アソシエイト
慶應義塾大学経済学部卒業。
新卒で新生銀行に入行。LBO(レバレッジド・バイアウト)ファイナンス・不動産ファイナンス業務に従事。2014年、REVIC(地域経済活性化支援機構)に転じ、中堅・中小企業の再生投資案件に従事。2019年、ベーシック・キャピタル・マネジメントに参画。
金田 欧奈 氏
代表取締役パートナー
東京工業大学工学部化学工学科卒業。米国公認会計士。
新卒でデロイト トーマツ コンサルティング(現アビームコンサルティング)に入社。複数のコンサルティング案件を担った後、戦略ファイナンス事業部においてM&Aコンサルティングを担当。巨大企業グループの再生およびPMI等に携わった後、2006年にベーシック・キャピタル・マネジメント参画。事業承継案件やベンチャーの成長支援、老舗企業の再生支援、カーブアウト支援等、幅広いテーマで多数の企業において実績を重ね、2018年、代表取締役に就任した。
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