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ティーキャピタルパートナーズへの転職(求人・中途採用)

プライベート・エクイティ トップインタビュー

ティーキャピタルパートナーズ株式会社

2019年10月、東京海上日動グループの東京海上キャピタル(TMCap)はMBOを実施。
ティーキャピタルパートナーズとして独立し、新たな歴史を歩み始めた。
21年間に5つのファンドを通じて投資を実行してきた老舗PEとしての知見を活かしながら、独立系PEファンドとしてさらなる成長を目指す同社は新たな人材の参画を含め、動きを活性化させようとしている。
はたしてそのビジョンとは? そしてどんな人材に期待をしているのだろうか。

佐々木 康二 氏 取締役社長 マネージング・パートナー
日本長期信用銀行在籍時より数々のクロスボーダーM&A等に携わってきた佐々木氏は、いち早くPEの可能性に魅力を感じ、東京海上キャピタルに転じて実績を積み上げてきた人物。
当時から独立性を担保された中で投資活動を実施していたというが、2019年のMBOによって独立を果たしたティーキャピタルパートナーズでさらなる飛躍を目指しているという。そこで、今後の戦略と展望について話を聞いた。
1998年にPE投資を開始した老舗がMBOを実施。
新たな歴史を刻み始めた

【佐々木】「21年の間、ほぼ5年おきに5つのファンドを運営し、あらゆる産業領域で累計26件の投資を達成してきた東京海上キャピタル(以下、TMCap)は2019年にMBOを行い、ティーキャピタルパートナーズ(以下、T Capital)として独立を果たしましたが、長年こだわり続けてきた『信頼』を最重視する投資方針や理念は変わりません。堅実に積み重ねたトラックレコードによって得た社会的認知やブランドを大切にしながら、独立系PEファンドとなったことによるプレゼンスを活かして、さらなる成長をしていこうと考えています」

そう語る佐々木康二氏は、同社の投資の歴史そのものを象徴する存在。日本長期信用銀行に13年間在籍し、多数のクロスボーダーM&Aに携わる中でPE投資の可能性に魅力を感じた佐々木氏は、その志を実現するべく1998年に東京海上火災保険へ入社。すぐに同グループの投資子会社であった東京海上キャピタル(TMCap)へ参画し、PE投資チームを立ち上げたのである。PEファンドに対する理解や信頼が日本に根づくはるか以前から、こつこつと実績を築き上げ、TMCapが日本を代表するPEファンドのひとつとなるところまで育て上げた立役者だ。ではなぜ順風満帆だったTMCapであえてMBOを実施したのだろうか?

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【佐々木】「ご指摘の通り、私たちが東京海上日動グループの傘下でPE投資を開始した1990年代の後半には、日本でまだPEに対する認知が進んでいませんでした。投資対象となる企業からも投資家からも、まずは信頼を勝ち取ることが第一。そのうえでグループが長年保っていた社会的信頼とブランドは大きな後ろ盾になっていたのです。ストレートに言わせていただくならば、グループの看板を使わせてもらいながら実績を積むことで、TMCap自体が信用を獲得していったという経緯があったのです」

当然のことながら、信頼に応えるだけの成果を上げていかねばならないプレッシャーもあったわけだが、グループ内ではいわゆる親会社の意向とは無縁の独立性のある経営を任されていたと佐々木氏は言う。

【佐々木】「言うまでもなくファンド事業は保険事業とはまったくの別物です。それゆえに、案件開拓や投資判断、社員のインセンティブ制度などなどにおいて、明快な独立性が重要だと考えましたし、グループもまたその意味を理解してくれましたから、『キャプティブファンドだが実際は完全に独立しているファンド投資会社』という世界でも希有な立ち位置を確立することができたんです。

以上の経緯もあればこそ、誠実なファンド運営を一層徹底していき、それがTMCap自体に対する信頼となって返ってくるという好循環が生まれた。

【佐々木】「しかしながら、日本の市場が拡大を始める頃には、キャプティブであることのイメージがネガティブに受け止められてしまう局面も現れるようになりました。どんなに健全な関係を親会社との間で築いていても、特に海外投資家のかたがたの中には、親会社があるというだけで嫌う風潮もあったのです。独立性を担保してくれてきた親会社に報いるためにも、こうした制約を払拭してさらなる成長を目指そうと考えたわけです。そして、ありがたいことにこの思いを東京海上日動グループも理解してくださり、MBO実施に至ったというわけです」

業界内でも評判の人格者であることをうかがわせてくれる穏やかな口調で、独立へ至る経緯を語った佐々木氏。その切なる思いは親会社ばかりでなく、投資家たちにも届いたようだ。「嬉しい限りですが、MBOの報告をしたところ、すべての投資家のかたがたが理解してくれましたし、積極的に応援しようという声がほとんどでした」とふり返る。

【佐々木】「私にとって何よりの自慢は21年もの間、この仕事を続けて来ることができたこと。そしてその間、大きな失敗を一度もしない中で投資を成功に導けたこと。そして投資に関わってくれた当社の投資担当のパートナーが誰一人辞めずにいてくれていることなんです」

「上から」ではなく「横から目線」であること。
それがティーキャピタルパートナーズ最大の特徴

これほどまでの信頼関係が社内外を問わず構築できている所以はどこにあるのか? 佐々木氏自身が人格者であることとは別の理由もあるはずだ。

【佐々木】「我々が投資事業を始めた時にはまだこの国にPE投資の市場はできていませんでした。『自分たちが生き残っていくために』という理由以上に『PEの存在は必ず日本社会の繁栄に寄与できる』という確信もあったことから、とにかく日本に市場を生み出し、育てていくんだという使命感が私たちにはありました。そのため、投資先のかたがたを大切にする姿勢で、一緒に歩んでいくことが第一だと判断したんです。投資する側にはともすると『上から目線』が身についてしまいがちですが、そうではなく私たちは『横から目線』でいこうと決めたのです。投資先の選別には事前に入念な検討を行うものの、いったん決めたうえは投資先の皆さんが持つ自走力を信じ、ファンドから経営者を送り込むのではなく日常業務は現経営陣に委ね、中長期の目線で大きな成長シナリオの実現に向けて二人三脚で取り組むのが我々のやり方ですが、それでも常に皆さんの横(隣)にいて、同じ目線で問題にとりかかる姿勢を続けてきたのです」

その結果、投資先企業の多くから「T Capitalが誠実によくやってくれた」という声が自然発生し、それがクチコミにもつながり、ひいては同社のブランドを形作っていったというわけだ。まさに「横から目線」を体現する表情で語る佐々木氏は「我々の生真面目さを評価してくれて、ファンにさえなってくれるところが増えていったこと。それが今日のT Capitalを支えてくれている」のだと嬉しそうに語る。また、投資担当のパートナーたちが十数年の間、誰一人辞めていないことについては、心情的な満足感ばかりでなく大きな意味もあるのだという。

【佐々木】「ファンドに投資する側もそうですが、投資される側の目線で見た時、ファンド会社の主要人材がずっと変わらずに在籍し続けている事実ほど安心感を生むものはありません。また私の立場から言っても、彼らが手にしてきた有形無形の価値や知見というものがT Capitalに蓄積され、後発の者たちにも伝承されていくわけですから、その意味は本当に大きいのです。そして、変わらぬメンバーで信頼と安心を継続的に提供しながら、日本社会に貢献していこうという姿勢を貫いているファンドだということ自体が、近年の潮流の中でまた別の追い風にもなっているのです」

PE市場に訪れた新たな潮流。
そこでもティーキャピタルパートナーズには追い風が

佐々木氏が口にした「近年の潮流」とは、事業承継案件における変化を指す。かつてはハゲタカ呼ばわりされるなど警戒されたものの、その後は業界をあげて社会的認知に努めた結果、承継者のいないオーナー企業がPEファンドへ相談に訪れるケースが増えてきたが、近年は、その発展形があるという。親族内で事業を承継した若手経営者が、ファンドとともに自社に再投資することによって、今度は事業パートナーとしてのファンドを活用して早期の再成長を目指すというケースが増え始めているというのである。

【佐々木】「私たちの間では便宜上『タイプ2』という呼び方をしているのですが、このタイプ2の投資先の皆さんは、実によくファンド会社というものを調べ、研究されています。どこのファンドが過去にどういう投資をして、どのような姿勢で投資先と向き合っていたかという部分までご存知だったりするんです。つまり、私たちは投資先からも選ばれる対象となり始めている潮流が起きていることになるのですが、多くの事例でファンにまでなっていただいた当社にとってはこれも1つの追い風だと捉え、これまでにも増して誠実な『横から目線』で向き合っていこうとしているのです。

一方、これとは異なる潮目も日本市場には訪れていると佐々木氏は言う。それは、海外からの期待の高まりとのこと。

【佐々木】「投資市場として日本が魅力的であるという認識が海外の投資家の間で広がっているんです。2000年代初頭に見受けられたようなファンドに対する誤解も減り、先の事業承継案件のタイプ2もそうですが、大企業グループのカーブアウト案件も含め、『PEファンドを前向きな経営戦略として活用する』という発想が日本にようやく定着してきたことも理解されているようです。日本経済にとって、これは本当に良い流れですし、PEファンド市場がさらに成長する要因にもなります。私たちもこの良い潮目をしっかりとらえ、今後もしっかり投資を続けます」

佐々木氏が特に着目しているのは、こうした海外からの期待感が、単にリターンの数字に集中しているわけではないという実態。当然のことながらリターンは意識しつつも、PEファンドによる投資の質を吟味しようという潮目があるというのである。

【佐々木】「投資実績を数字だけでなく、過去のビヘイビア、すなわち質でも見極めようとしている。その中でT Capitalは世界にも数あるPEファンドの中でも優秀だ、と評価をしていただいているようです。ファンドの再現性を計る上でも重要な質の部分での実績が、ここでも評価されていることを喜んでいるんです」

加えてT Capitalは国連のPRI投資において、日本のPEファンドとしては第1号の署名者である。すなわちESG投資においても日本のパイオニアとなり「良き市民としての社会的自覚を持った大人のファンド」として認知されるようにもなっている。誠実に生真面目に「横から目線」で取り組む、というPE領域ではなかなか耳にしない地道な姿勢を強調していながら、その実、国内PE市場の先駆けとなり、ESG領域でもまたパイオニアとなっているのがT Capital。静かなるチャレンジャーといった趣ではあるが、今後参画してほしい人材についても、佐々木氏はチャレンジングな部分を求めているようだ。

あくまでもステディな成長を追求するが
だからこそチャレンジャーを必要としている

【佐々木】「おっしゃる通り私たちは「信頼」を重んじ、実直さや真面目さを大切にすることで、多くのかたがたに支えていただき、ここまで成長してこれたのだと思っています。しかし、実際にはこの21年間の中でもマーケットは幾度も大きな変化を経てきました。そうした変化に柔軟に向き合うため、誰も実行していないようなチャレンジをしてきたからこそ、ここまで長く続けてくることができたのだと自負しています。

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先ほどお話をしたように今もこの市場は変化し続けており、現状その多くがT Capitalにとって追い風になってくれてもいますが、私たちがチャレンジすることをやめてしまえば、途端に困難な現実と向き合わなければいけなくなるはずです。MBOを果たしてもなお、支持してくださるかたがたに囲まれている今こそ、新たに参画するかたにはチャレンジする好機だと捉えて欲しい。積極的に陣容を強化するべく、小森をはじめ他のパートナーとも人材戦略を検討しているところですが、だからといって拙速な急成長を志しているわけではありません。あくまでもステディな成長を継続することで投資家および投資先の皆さんの期待に応えるのが我々の使命。そう考えているがゆえに、新たに参画してくれるかたには、こうしたT Capitalの姿勢や価値観に心底共感していただきたいと思っていますし、そのうえでチャレンジを恐れない気概を強く持つかたであってほしい。そう願っています」

MBO実施で名実ともに独立ファンドとなったT Capitalは、独立後も500億円超の5号ファンドの投資を順調に進捗させ、次期6号ファンド募集も視野に入っている。人材を加えて強化していく局面にもあるようだが、求めているのは同社の実直な投資姿勢に共感しつつも、旺盛なチャレンジャースピリットを持ち込んでくれるような存在。そうしたフレッシュな人材とともにチームワークを発揮して、21年の老舗としての歴史に、T Capitalとしての新たな1ページをともに加えていきたいのだという。

プロフィール

写真:佐々木 康二 氏

佐々木 康二 氏
取締役社長 マネージング・パートナー
九州大学法学部卒業。ペンシルバニア大学ウォートン校にてMBA取得

新卒で日本長期信用銀行(現 新生銀行)に入行。クロスボーダーM&Aのアドバイザリー、海外支店勤務等を経て1998年に東京海上火災保険に入社し、グループ傘下の投資会社である東京海上キャピタル(TMCap)に勤務。PE投資チームの立ち上げを担い、これまでに同社で5つのファンドを通じ投資実行を指揮してきた。2015年に代表取締役社長に就任。2019年にMBOを実施し、独立系PEファンドとして再スタートした「ティーキャピタルパートナーズ」の社長を務めている。日本プライベート・エクイティ協会理事。

写真:小森 一孝 氏

小森 一孝 氏
取締役 マネージング・パートナー
慶應義塾大学経済学部卒業。ミシガン大学ロスビジネススクールにてMBA取得

新卒で東京海上火災保険に入社。金融事業戦略の企画立案や資産運用分野に携わった後、米国へ留学。2001年に帰国した直後に佐々木氏が率いる東京海上キャピタル(TMCap)に参画すると、小売および流通、サービス業界を中心に、大企業グループのカーブアウト案件、ファミリービジネスの事業承継案件を幅広く担当。正式に転籍を果たした上で実績を上げ、2019年のMBO後はマネージング・パートナーとして人材採用・育成にもコミットしている。

写真:光浪 修介 氏

光浪 修介 氏
ヴァイスプレジデント
早稲田大学商学部卒業。

新卒で三井住友銀行に入行。法人営業を経てPE投資に関する企画業務に携わった後、米系ブティック投資銀行リンカーン・インターナショナルに入社し、M&Aアドバイザリー業務を務めた。2018年3月、ティーキャピタルパートナーズ(旧・東京海上キャピタル)に参画。これまで2つの投資先企業に携わるなど、PEファンドの最前線で活躍している。

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