総合商社各社の社長の年頭挨拶がリリースされています。
堅調だった2017年を振り返り(三菱商事、三井物産は過去最高益に上方修正)、2018年の外部環境の変化と成長戦略について、力強く発言されています。ぜひ、じっくりご覧ください。
◆三菱商事
【2017年振り返り】
事業ポートフォリオ・バランスの再確認とガバナンス見直し、連結純利益の目標を今期5000億円に修正、達成に向け堅調と予測
【今後の経済見通し】
以下3つの理由から引き続き堅調、産業革命の真っただ中
(1)グーグルやアマゾン、アリババ他の巨大ITプラットフォーマーの存在と成長
(2)自動車のEV化、自動運転化。100年ぶりの大変化
(3)AIの広がり
【外部環境】
中国が世界最強の一国になる可能性、大きな市場チャンスと米中関係の複雑化
【自社の成長】
自社の150の事業ユニット全てで、全社員が成長の芽を考え抜く事が重要
「業界再編」「AIやIoT」「プラットフォーム」「女性の活躍」
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◆三井物産
【中期経営計画達成に対する覚悟と信念】
今年は中経2年目、強い三井物産の復活。
・これまで通りの強い「商品軸」
・地域本部や現地人材が活躍する「地域軸」
・デジタルトランスフォーメーションやリスク管理等の「機能軸」
の3つの軸を、主役である人「個」が結び付け成長
【長期業態ビジョン2030】
産業革命レベルの大転換期と捉え、デジタル技術を核とする破壊的イノベーションを予測。
三井物産は「つなぐ」から「つくる」へ進化、
強い「個」がアントレプレナーシップを発揮し、
主体的にビジネスをつくる集団へ
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◆伊藤忠商事
【昨年振り返り】
多くの目標を達成できた1年。
2016年度に続き2017年度上期決算も過去最高益を更新、株価も12/29に史上最高値、時価総額は3.5兆円に。
最重要市場である中国は、いよいよビジネスが本格的に動き出す環境へ
【伊藤忠グループの2018年】
現中期経営計画の総仕上げ(達成)、その上でビジネスモデルを積極的に進化させたい。
「第4次産業革命」と言われる大変化の中、油断することなくゼロからスタートする決意が必要。
「稼ぐ」「ハングリー精神」
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◆住友商事
今年4月からは兵頭新社長の下で新中期経営計画がスタート、秋には本社を晴海から大手町に移転、来年2019年は創立100年と様々な節目の年【2018年の外部環境】
強国が自国の利益を優先する「剛よく柔を制す時代のはじまり」、地政学や金融リスクはあるが世界経済の安定成長は続く
住友商事グループが目指す、新たなステージに向けた4つのこと
・働き方改革 ~合言葉は「即実行」「半分2倍」~
・壁を超える意識 ~組織間連携と新たな挑戦~
・仕事に夢を持ち、実現に向け努力する姿勢 ~自己実現と組織の成長~
・6つのマテリアリティ(重要課題)の実践 ~会社の成長と社会課題の解決~
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◆丸紅
今年は「従来の枠組み、商社の枠組みを超える商社」とする出発の年【世界経済と丸紅を取り巻く経営環境】
「世界の重心の変化」米国と中国を軸とするダイナミックな変化は世界中に影響
「金融環境の正常化」超金融緩和から潮目が変わり、資金の調達コスト上昇も
「産業構造と競争環境の変化」デジタルトランスフォーメーションが世界を変える。
機会と脅威が混在する社会で、丸紅を従来の枠組みを超える商社にしたい。
【ソリューションプロバイダーとしての丸紅グループ】
1858年の創業から160年の節目の年。
これまで同様、時代の変化を乗り越え成長する為には「丸紅グループを知る」ことが重要。
全員が担当以外の事業、他本部、他グループにも目を向け、顧客や社会のニーズにグループとして答えたい。
2018年も考えて行動する「Think & Act MARUBENI」を続けていく。
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(阿部)