ヘルスケア業界研究

画像:ヘルスケア業界各社の状況:【製薬大手企業】編

ヘルスケア業界各社の状況:【製薬大手企業】編

ヘルスケア業界各社の状況:【製薬大手企業】編

日系製薬大手企業
1. 武田薬品工業(http://www.takeda.co.jp/

【概要】 江戸時代から続く日本の製薬トップ企業。米国で糖尿病薬品の訴訟があり和解費用の負担で2015年度決算は上場来初の赤字となった。また、胃潰瘍薬、高脂血症薬が相次いで特許切れとなり利益を圧迫した。外国人社長がトップとなり話題を振りまいたが現在マネジメント15名中日本人は4名という真のグローバル企業となった。
「代謝性・循環器系疾患」「癌」「中枢神経系疾患」「免疫・呼吸器系疾患」「消化器・腎臓系・その他疾患」「ワクチン」の6つを重点領域としている。新興国、米州、日本、欧州とグローバルでビジネスを展開する。現在世界8か国の研究機関を米国ボストンと日本の湘南に集約し効率化を図る。

2.大塚ホールディングス(http://www.otsuka.com/jp/

【概要】 大塚HDは大塚製薬、大鵬薬品、大塚化学等からなるホールディングスである。基幹企業である大塚製薬は医薬品関連事業と健康食品・化粧品などを扱うニュートラシューティカルズ関連事業を事業の両輪としている。研究開発は日本、米国、中国に、臨床のネットワークを欧、米、日、韓、中に有しているグローバル企業。医薬品関連事業の重点領域は中枢神経、がん、結核、眼科、消化器・循環器である。中枢神経では「エピリファイ」というグローバルで認められている製品を持っている。因みに米国では全医薬品売り上げの1位となった。 予防から治療までのトータルヘルスケア企業を目指している。グローバル化と中枢神経、がん領域に積極的な開発投資を実施している。パイプラインも豊富。

3.アステラス製薬(https://www.astellas.com/jp/

【概要】 2005年に業界3位の山之内製薬、5位の藤沢薬品が合併しアステラスが誕生。同社は早くから海外進出に積極的で多くの大型医薬品を持っていた。しかし特許切れに伴うゼネリックの代替により一時期業績が厳しい時があったが海外の創薬ベンチャーなどの買収に成功し業績を持ち直しすこぶる好調となった。 がん、泌尿器、移植領域の既存疾患領域に加え、筋疾患、眼科などの新疾患領域及び再生医療(ips細胞、ES細胞)などの新技術も取り込んでいく。

4.第一三共(http://www.daiichisankyo.co.jp/

【概要】 三共と第一製薬の合併で2005年に誕生。多角化を目指し大衆薬企業の買収やインドの後発薬企業を買収した。その後、後発薬の企業は品質に問題が多く売却しグローバル後発薬事業から撤退した。イノベーティブ医薬品、OTC医薬品、ワクチン、国内後発薬事業を展開している。連結売上の3割以上を占める高血圧治療薬の特許切れが始まるが、それに代わる画期的な新薬のパイプラインが揃いだしている。 新薬中心。海外よりも国内の成長を重視する。とくにがん領域に重点投資を行う。

5.エーザイ(http://www.eisai.co.jp/

【概要】 昭和11年に15人の研究者が起こしたベンチャー企業がグローバル企業へ発展。新薬開発型企業として認知症や抗潰瘍薬の主力製品を開発したが特許切れがあり業績が谷間に。中国及びアジアでは大きく伸ばしている。 注力はやはりがんとアルツハイマー。抗がん薬「レンビマ」は現在甲状腺がんの治療薬として承認されているがさらに追加効能の申請を行っており大型薬品として期待されている。

外資製薬大手企業
1.ファイザー(http://www.pfizer.co.jp/pfizer/

【概要】 1849年発祥の製薬グローバル最大手企業。日本には田辺製薬と合弁で1953年に事業を開始した。その後米国の完全子会社を設立し1997年には売上1000億円を越えた。その後、ワーナー・ランバート、ファルマシア、ワイスを買収し、大型の特許切れ製品の売上減を補ってきた。アイルランドの同業アラガンの買収を発表したが米国財務省の新たな規制により買収を取りやめた。 高脂血症、緑内障、高血圧などの大型薬品が特許切れとなって一時的な売上ダウンとなっているが、がんやリウマチなどの新薬に大きく期待できる製品があり主力製品の交代が順調に推移すると思われる。また、米国ホスピーラ社の買収も大きく貢献している。2016年8月に米バイオ医薬品企業メディベーションを140億ドルで買収すると発表。米国を中心に売り上げを伸ばす前立腺がん治療薬「イクスタンジ」を手にし、がん領域での成長を加速させる狙い。今後も新たな買収にチャレンジ世界1の座を守っていくものと思われる。

2.MSD(http://www.msd.co.jp/

【概要】 125年の歴史を持つグローバルヘルスケア企業。『医薬品は人々のためにあるのであり、利益のためにあるのではない』創業者の息子であるジョージ・W・メルクの言葉が未だに受け継がれている企業。実際、アフリカの河川盲目症の治癒のためにワクチンを100万USドル分寄付するなど行っている。米国・カナダではメルク、その2か国以外はMSDを名乗っている。2009年にシェリング・プラウを買収し現在の姿に。 医療用医薬品と動物薬事業を展開しているが大型医薬品の特許切れによる売り上げ減少が大きい。今後はがん領域の大型薬品(抗PD-1抗体)のグローバル展開及び適応症拡大で大きな成長を狙う。

3.ノバルティスファーマ(http://www.novartis.co.jp/

【概要】 スイスに本社を置く世界180か国に展開するヘルスケアのグローバルリーダー企業。新薬、アイケア、後発薬に強みを持つ。ノバルティスファーマは新薬で世界トップクラス、アルコンが眼科領域で世界1位、サンド薬品が後発薬で世界2位。 選択と集中をグローバルで行っている。がん領域事業をグラクソから買収、OTC事業をグラクソに売却、動物薬事業をイーライ・リリーに売却するなど加速化している。

4.サノフィ(http://www.sanofi.co.jp

【概要】 フランス・パリに本社を置くグローバル4位の製薬・バイオテクノロジー企業。糖尿病、がん、移植、血栓症、循環器疾患、内科系疾患、ヒト用ワクチンといった主要領域における新薬の開発を行っている。 新薬のパイプラインに大型になりそうな薬品はまだ多くないが現在販売されている医薬品の適応拡大で売り上げ増が見込まれる。また、ワクチンや後発薬にも力を注いでおり開発を強化する方針。

5.アストラゼネカ(http://www.astrazeneca.co.jp/

【概要】 イギリスに本社を置く医療用医薬品の創薬・開発・製造・販売を行うグローバル展開するバイオ・医薬品企業。重点領域は、がん、循環器・代謝疾患、呼吸器・炎症・自己免疫疾患。日本では2015年度に過去最高の売り上げをマークした。 グローバル100か国以上に拠点を持ち、製造拠点も16か国に及ぶ。世界で57500人の従業員がいる。がんのシェアを大きく伸ばすことを目指している。大型新薬の開発のパイプラインも多く期待できる。

6.バイエル薬品(http://www.bayer.jp/

【概要】 ドイツに本社を置くグローバル企業。医療用医薬品事業、コンシューマヘルス事業、農薬などの事業を手掛けている。医療用医薬品事業では循環器、ウイメンズヘルスケア、腫瘍・血液、眼科領域に注力しています。世界77か国の307の子会社を設立しており従業員数は約11万7000名です。日本では2015年度売り上げが過去最高であった。 大型新薬はないが、多くの医薬品が臨床に進んでおり早期の発売を目指している。

7.日本ベーリンガーインゲルハイム(http://www.boehringer-ingelheim.jp/

【概要】 ドイツに本社を置く製薬企業。非公開企業の製薬会社としては世界最大。世界145の関連会社で4万7500人の従業員が働いている。フランスサノフィと事業交換を行うと報道されている。ベーリンガーはサノフィから動物薬事業を取得し、大衆薬事業を譲渡する予定。これにより動物薬事業は世界2位となる見込み。 日本では2015年度の売上・利益ともに過去最高となった。 医療用医薬品分野では心血管・代謝、腫瘍、中枢神経、呼吸器の領域で医薬品を販売している。今後も新開発の医薬品が売り上げ増に寄与する見込み。

8.日本イーライリリー(https://www.lilly.co.jp/

【概要】 1876年に創業。米国インディアナポリスに本社を置くグローバル企業。125か国で事業を展開し、世界8か所で研究開発を行い、13か国の工場で医薬品を製造している。世界で初めてインシュリンの製剤実用化に成功した。売上高の20%を研究開発費として投資している。日本では2ケタの増収・増益と好調。中枢神経領域、糖尿病・成長ホルモン領域、筋骨格領域、癌の領域において、医薬品事業を展開。さらに、アルツハイマー型認知症、関節リウマチ、乾癬、高コレステロール血症などの診断薬や治療薬の開発も行っている。 骨粗鬆症治療剤、抗鬱剤、AD/HD治療剤が好調。治験も順調で新薬が期待され今後さらなる成長を目指している。

9.ブリストル・マイヤーズ スクイブ(http://www.bms.co.jp/

【概要】 ニューヨークに本社を置き2万4000人の従業員が働くグローバル企業。がん、ウイルス性疾患、免疫系疾患、心血管疾患の4領域に注力している。抗生剤・抗腫瘍薬・HIV治療薬等で大型製品の導入が相次ぎ、グローバル製薬企業の中で最も開発効率の高い企業として注目されている。がん免疫治療薬オプジーボの開発企業として世界的に高い評価を得ている。日本での2015年の売り上げはほぼ倍増であった。 薬価引き下げの影響などで厳しい局面も。今後はがん領域を中心とした抗体医薬品が開発中であり早期の発売が待たれる。

10.アッヴィ合同会社(http://www.abbvie.co.jp/

【概要】 米国アボットの医薬品事業の新薬部門が2013年に独立しスタートした企業。125年の歴史を持つ新しい会社。170か国以上で2万8000人が世界中で働いている。自己免疫疾患、ウイルス感染症、神経系、がん領域へ注力している。日本では2015年度売り上げは2ケタ以上の伸びを見せた。C型肝炎治療剤の新薬に期待が集まる。この医薬品次第で持続的に大きな成長が見込める。抗リウマチ薬も拡大している。

11.ギリアド・サイエンシズ(http://www.gilead.co.jp/

【概要】 1987年に創業。米国カリフォルニア州に本社を置く。日本は2012年に法人設立。抗ウイルス製剤を開発しておりバイオ製薬会社としては世界第2位。 HIV、B型肝炎、C型肝炎等の感染症治療薬剤に強み。C型肝炎の薬は副作用が少なく、96%以上の治癒率を誇る画期的な医薬品。この製品群で1兆円を売り上げている。日本でも数年でC型肝炎は消滅するのではないかと言われている。今後はがん領域にも拡大していく。

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