ヘルスケア業界各社の状況:【創薬ベンチャー】【ヘルスケア関連企業】編
創薬ベンチャー
1.アンジェス(https://www.anges.co.jp/)
【概要】 大阪大学の基礎研究を基に1999年に設立、2002年にマザーズ上場。大学発の創薬ベンチャーとして初の上場企業となった。遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指し、2019年には主力開発品目であった重症虚血肢治療薬「コラテジェン」の条件および期限付き販売承認を取得。その他、椎間板性腰痛症を対象とした核酸医薬や、DNAワクチンのプロジェクトを進捗中。DNAワクチンはコロナウィルスに対する有効なワクチンとしての期待が集まっている。
2.ブライトパスバイオ(https://www.brightpathbio.com/)
【概要】 2015年マザーズに上場。自社独自のワクチンGRN-1201は米国でメラノーマのP1、非小細胞肺がんで免疫チェックポイント阻害剤と併用でP2。その他理研から導入したiPS細胞から分化したNKT細胞を用いた他家がん免疫治療法や信州大学、京都大学と連携したCAR-T療法も進捗中。
3.サンバイオ(http://www.sanbio.jp/)
【概要】 再生細胞医薬品開発を目的として2001年2月、米国カリフォルニア州で設立。経営者は日本人。15年に東証マザーズに上場。開発品目であるSB623は外傷性脳損傷、慢性期脳梗塞の開発はマーケットからも高い注目を集めている。脳関連の治験以外にも、加齢黄斑変性やアルツハイマー、パーキンソン病、脊髄損傷等様々な治療効果が期待されている。
4.ジーンテクノサイエンス(http://www.g-gts.com/)
【概要】 バイオシミラーを開発するベンチャー。これまでにネスプやG-CSFの開発に関与。国内製薬メーカーとのつながりも深く、開発のみのベンチャーと異なりハイブリッドな事業体制を持ち、経営基盤の安定を図っている。北海道大学発のベンチャーとして創業され、2011年にマザーズに上場。現在は心筋再生を手掛ける慶応大学発のHertseedに出資する等、再生医療分野にも進出している。
5.シンバイオ製薬(http://www.symbiopharma.com/)
【概要】 患者数が少ないために開発が見送られている「空白の治療領域」を埋めるオーファンドラッグの新薬の開発・提供を行う独自のポジションを確立している。 自社製品であるトレアキシンは血液がん治療薬として、エーザイを通じ販売。80億円超の売り上げを誇る。今年からは自社販売体制を作る予定。その他、MDSの治療薬、DNAウィルス感染症治療薬といったパイプラインも有している。
6.そーせいグループ・そーせいへプタレス(https://soseiheptares.com/)
【概要】 1990年設立、2004年マザーズ上場。アンジェスと並びバイオベンチャーの先駆け的存在。2005年に英国の創薬ベンチャーを209億円で買収、さらに2015年に同じく英国の創薬ベンチャーへプタレスを480億円で大型買収を実施した。現在はGPCRをターゲットとした医薬品開発に従事。アラガン、アストラゼネカ、ファイザー等パートナー企業も非常に多い。
7.ナノキャリア(http://www.nanocarrier.co.jp/)
【概要】 1996年創業し2008年にマザーズ上場。先端技術「ミセル化ナノ粒子」を用いた、ドラッグデリバリーシステム技術を持つベンチャー。この技術により、抗がん剤特有の強い副作用等が軽減される 等の期待が持たれている。また、自社や共同開発のパイプラインも豊富。2019年からは多血小板血漿を用いた再生医療にも着手。
8.ペプチドリーム(http://www.peptidream.com/)
【概要】 2006年設立、2013年マザーズ上場、現在は東証1部。所謂プラットフォーム型ベンチャーの代表格で、東京大学先端科学技術研究センターの開発した技術をベースとしている。独自の創薬開発プラットフォームシステムにより、特殊環状ペプチドを多数(数兆種類)合成し高速で評価を可能にすることで、創薬において重要なヒット化合物の創製やリード化合物の選択等が簡便に行えるようにした。 ノバルティス、MSD、塩野義、参天等国内外のさまざまな企業と提携している。
9.オンコリスバイオファーマ(https://www.oncolys.com/)
【概要】 2004年設立、2013年マザーズ上場。アデノウィルスを用いた腫瘍溶解性ウィルスの開発を行っているベンチャー。2019年には自社開発のテロメライシンを中外製薬に500億規模のライセンスアウトを実施。また、8億円の出資を受ける等事業phaseを進めている。
ヘルスケア関連企業
1.エムスリー(https://corporate.m3.com/)
【概要】 2000年に設立され2004年にマザーズ上場。現在は東証1部上場企業に。M3.comという医療従事者向けのコンテンツサービスを行っている、ソニー系列の企業。「MR君」というインターネットを活用した製薬会社向けマーケティングサービスを開始。医療情報提供のオンライン化という、今後必要不可欠かつ他社にはない圧倒的なノウハウ、アセットを持つ。海外事業も順調。今や時価総額1兆円企業。バイアウトやベンチャー投資にも積極的。優秀な人材が多く起業家が育つ風土があり従来のヘルスケア企業と比較すると異質である。
2.エス・エム・エス(http://www.bm-sms.co.jp/)
【概要】 2003年に設立され2008年にマザーズ上場。現在は東証1部上場企業。 介護分野を皮切りに、医療・キャリア・ヘルスケア・シニアライフと事業分野を広げ、40以上のサービスを作り上げて、創業以来増収増益を続けている。インターネットを活用した高齢化社会の情報インフラ構築を目指している。