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画像:CLSAキャピタルパートナーズジャパン株式会社

プライベート・エクイティ トップインタビュー

CLSAキャピタルパートナーズジャパン株式会社

アジアを拠点とする独立系投資銀行として、長年に渡り高い実績を築き上げてきたCLSAグループ。そのオルタナティブ投資部門として1991年に香港で設立されたプライベート・エクイティ投資会社が、約26億米ドルの運用資産を有するCLSAキャピタルパートナーズだ。
ジャパン・オフィスであるCLSAキャピタルパートナーズジャパンは、2006年に日本特化型の中堅企業向けバイアウトファンドである「サンライズ・キャピタル」を立ち上げ、独自性に富んだ投資事業を展開。ここへきてその動きをさらに活発化させようとしている。
そこで、日本総責任者を務めてもいる清塚徳氏を筆頭に、同社の活況を支える4人のキーマンから話を聞いた。

清塚 徳 氏 マネージングディレクター(日本総責任者)

日本のプライベート・エクイティ投資領域が息を吹き返している。熾烈なグローバル競争の渦中、積極的に攻めに打って出る企業は増えているが、とりわけ注目されているのが、中堅企業の動勢だ。これら中堅企業に特化したバイアウトファンド「サンライズ・キャピタル」を展開するCLSAキャピタルパートナーズジャパンもまた、注目と期待とを急速に集めている。そこで、日本総責任者である清塚徳氏に話を聞いた。「日本の中堅企業のこれから。CLSAキャピタルパートナーズジャパンが目指すもの」、今強く求めているという「人材」に対する思いについて。

日本企業、とりわけ独自の競争力と価値を持つ中堅企業に今、
大きなチャンスが訪れている

【清塚】「2008年に起きたリーマンショックが引き金となって、日本のマクロ経済もまた大きな打撃を受けました。以来、投資領域でも沈滞ムードが続いてきたわけですが、2012年の終わり頃からは再上昇の気運が高まり、私たちCLSAキャピタルパートナーズジャパン(以下、CLSA)の投資対象である中堅企業の経営にも追い風が吹いています」

清塚徳氏は近年の動きをこう捉える。再び活況を示すようになった要因は複数ある、と語る清塚氏だが、中でも大きかったのは第二次安倍阿部政権が実行した一連の金融緩和政策「アベノミクス」だという。

【清塚】「単に経済活動を全般的に活発化させただけではありません。アベノミクスの諸施策は、結果として好調企業・不調企業の様相をも変えたといえます。一概には言えないものの大局的な視点で見れば、『デフレ環境下で業績を伸ばした企業や事業』の優位性は薄れ、『デフレ脱却局面で強みを発揮しそうな企業や事業』に対する期待を高めていくような効果が市場には現れ始めているのです」

そして、こうした背景もあって「価値のある中堅企業」に追い風が吹き始めているのだと清塚氏。

例えば、企業価値としては100億円ほどの中規模企業であっても、実は独自事業によってニッチな市場を掴み取り、世界シェアの80%を握っているようなケースが珍しくないのだという。追い風の吹く「今この時」に資金面に加え経営面においても強力なサポートを得られれば、グローバルな成功をものにできる。そんなチャンスが訪れているというわけだ。

だからこそ、2006年という早期段階から日本の中堅企業に焦点をあててきたCLSAのファンド「サンライズ・キャピタル」もまた注目を集めているわけだ。中堅企業に巡ってきたチャンスをサンライズ・キャピタルが確実な成功に結びつけていけたなら、閉塞感の続いてきた日本経済を変える突破口にもなりうるのだ。

では、このサンライズ・キャピタルの立ち上げに自ら携わってきた人物でもある清塚氏は、日本の中堅企業が抱える実態をどう見ているのだろうか?

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【清塚】「投資環境が再び活発化している状況とは別次元の実態というのがあります。それは経営の承継問題。日本には約400万の中小企業・中堅企業が存在していますが、その内約200万社の経営者年齢が60歳を超えている、という調査データがあります。いかに効果的かつスムーズに経営の実権を次世代に受け渡していくか、という課題を日本企業の半数が長年抱えているのです。

ここへきて吹き始めた追い風を契機にMBOディールの実行などによって経営環境を変え、なおかつ事業承継も実行していこうという動きが起きています。また最近では経営者の年齢にかかわらず、創業10〜15年程度の若い会社でも今を節目と捉え、事業承継を検討するような傾向も現れ始めています」

清塚氏はさらに日本特有の実態として、同族経営企業や創業社長を擁する企業の多さを指摘。「会社や事業をまるで自分の子どものように愛している」ところが多く、コーポレートガバナンスを見ても、きわめて日本的な価値観に基づいているところが多いのだという。

【清塚】「だからこそ投資する側や経営のアドバイザリー的役割に問われてくるのが、日本独特の経営思想や手法、価値観に対する理解なのです」

「グローカル」がCLSAのアイデンティティ。
「日本を知り、アジアを知り、世界を知る、数少ない金融グループだからできること」というのがある

すでに大企業の多くが採り入れているような、欧米的効率重視の仕組みや組織構築を闇雲に導入しても、決してうまくいくとは限らない。投資先の企業価値増大を目指すPEファンドには、「日本流」を理解しつつ、そのうえで「世界」で勝負できる経営をサポートする機能が不可欠だということになる。

「CLSAならば、それができるんです」と語る清塚氏に、あらためて聞いた。CLSAの特長とは何なのか、を。

【清塚】「一言でいえばグローカル。それが私たちの特長です。CLSAは言うまでもなく外資系投資ファンドであり、企業価値の将来性を評価する際には、グローバルな視点から厳しくチェックを行っています。しかし同時に、実際の経営における意思決定や、オペレート等へのサポートなどについては、とことんリアリティを持って向き合い、泥臭く対応しています。

グローバルメンバーで構成される投資委員会の間でも、『日本的経営』に対して深く理解している幹部が存在するため、ローカルな事情を踏まえながら、グローバルな視点で対応していく独自のバランス感覚が定着しています」

また、清塚氏はCLSAグループがアジアで獲得している圧倒的な実績や、それに基づくネットワークの強力さについても触れた。

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【清塚】「CLSAグループは香港、シンガポール、東京などのアジア主要都市をはじめ、世界13カ国、20箇所で拠点を展開しているグローバル金融グループです。とりわけアジアでは強大な影響力、実行力を備えていますので、日本の中堅企業がアジア市場での躍進を目指す場合には、その力を十分活用していくことが可能になります」

今、アジアでは興味深い現象が起きているという。日本で生まれたライフスタイル事業の数々が高いブランド価値をもって、主に若い層から支持され始めているというのだ。安倍政権が注力する「クールジャパン戦略」の象徴的存在であるアニメなどだけでなく、もっと身近なファッション領域や飲食領域などなど、生活を彩る分野で日本が生み出してきた製品やサービスが人気を集めているのだと清塚氏は指摘する。

【清塚】「この現象が示す意味や可能性は非常に大きなものです。かつて日本の産業は国内の需要に応えることで成長をしてきました。ところが少子高齢化などの要因もあって国内市場の縮小が既定路線となり、『これからはグローバルで勝負しなければ』という潮流へとつながってきました。

『内需依存型の企業はやっていけなくなる』とさえ言われるようになりました。ところが、ライフスタイル産業に目を移すと『日本市場で支持されたもの』がイコール『価値』として評価され、アジア市場でのニーズを高めてきている。つまり、内需成功企業にグローバルでの成功機会が巡ってきているのです」

CLSAは過去に、渋谷109など流行最先端ショップで成功した「moussy(マウジー)」ブランドからスタートし、成長を重ねてきたアパレル企業・バロックジャパンリミテッドへ投資を行ってきた。アジアの若い女性たちから見れば、「あのShibuyaで成功したmoussyを擁するブランド企業」には絶大な価値がある。

そうした実情を掌握できていたからこそ、CLSAは投資を決定し、結果として「香港証券取引所において正式な上場承認を獲得した初めての日本企業」となる快挙も達成したのだ。日本を知り、アジアを知り、世界を見ているCLSAグループだからこそ実現できたトラックレコードと言える。

求める人材像で特にこだわっているポイントは
「あいつなら信用できる」「彼はいいね」と経営者たちに思わせるだけの人間的資質・魅力

以上のような様々な背景から、急速に期待を寄せられ始めているCLSAでは今、複数の案件やその準備段階が同時進行で動いている。日本企業に訪れた大きなチャンスを結実させるためにも、優秀な人材を採用し、動きを加速しようとしているのだという。そこで今度は「どんな人材を求めているのか」について、清塚氏に尋ねた。

【清塚】「グローバルな投資企業グループはいくつもあります。しかし彼らがその強みを発揮するのは、やはり巨大なビッグディールにおいてだと私は考えます。もちろんCLSAグループもそうしたビッグディールで成果を収めていますが、日本についていえば早くからミッドキャップと呼ばれる中堅企業にフォーカスをしてきました。そうして生まれたのが当社のサンライズ・キャピタルです。

ではなぜミッドキャップにフォーカスしたのかといえば、そこに大きな可能性があるからです。理由はここまでに申し上げてきた通り、いくつもあります。日本のCLSAはそこに特化する姿勢を明確に示し、貫いてきました。ですから2号ファンドが動き始めるタイミングと重なった今、多くの企業に期待をしていただいているのです」

清塚氏によれば、「グローバル金融グループでアジア・パシフィックを担当するサテライト・オフィスの一員」として、日本でのPE事業を担う場合と、CLSAのような独自スタンスのチームの中で担う場合とでは、仕事の中身も醍醐味もまったく違うのだという。投資委員会からの信頼の度合いも、他の金融グループに比べ、遙かに高いはずだ、とも言う。

では、そうした優位性や独自性のもとで活躍する人材とは、どのような人なのだろうか?

【清塚】「活躍する人材の条件の1つめを私流の言い方で表すと『きわめて腰の低いアプローチができる人』になります。投資する側として、企業の経営には口も出しますし、手も出します。ただし、それは『こうすればいいんだ』というような目線ではありません。俗に言う『パワープレー』のような投資活動をCLSAはしていません。

先に触れたように、日本の中堅企業の経営陣の多くは自社や自社が展開してきた事業のことを自分の子どものように愛し、こだわりを持って育てています。その精神性であったり、価値観であったり、というものをしっかりと教えてもらい、理解していく『腰の低さ』が大切なんです」

もちろん必要に応じて大胆な改革を実行するケースも少なくないというが、まずは固有の価値観や独自のこだわりを持つ日本の中堅企業を正しく理解する姿勢が必須。それが次なる成長の起爆剤ともなっていくわけだ。

【清塚】「次の段階では違った能力や資質が求められてきます。つまり、『日本的なるもの』を理解するだけでなく、その価値をグローバルな投資委員会メンバーなどに的確に伝達していく力です。

当社の投資委員会は先に申し上げた通り、日本的な経営やアジア的な価値観に対する理解度の高い幹部が揃っていますが、ロジカルに考え検討して意思決定していくプロセスは他社と何ら変わりません。各担当者がいかに企業の真の価値をとらえ、それをいかに正確に伝達できるか。その両面が問われるということです」

先に清塚氏がCLSAの特長として挙げた「グローカル」を、自ら体現できる人材が望まれているということだろう。

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【清塚】「私自身の話をすれば、新卒で入行した国内メガバンクで日本的経営に触れ、転職先のグローバルファンド企業で世界標準の投資事業に関わってきました。そのおかげでグローバルなこともローカルなこともある程度理解できるようになったと考えています。CLSAには私のような経歴の持ち主が他にも多数います。しかし、特に経歴やバックボーンに強くこだわっているわけではありません。

もちろんベースとなる知識やスキル、専門性を高度に備えている人は魅力的ですし、ぜひ参画してほしいと思ってはいます。CLSAほどグローカルな働きを自由にダイナミックにできる環境はないと思っていますので。しかし、最終的に面接などで私たちが強くこだわっているポイントは別の部分にあります。それは人間としての魅力です。

繰り返し言わせてもらいますが、日本の中堅企業の経営陣は自社の存在とその事業をこよなく愛するかたたちです。もちろん、数字的な要素などをロジカルに捉え、提案し、納得していただく素養も重要なのですが、理屈だけでは動かない人たちがかなりの確率で存在するフィールドだということを知っておいてほしいのです。

個人が持つ思いや資質を直感力で見抜いて生きてきたようなかたもいらっしゃいます。そういうかたたちに『彼はいいね。彼が言うことなら聞いてみよう』と認めてもらえるかどうか。これがとても重要になってきます。ですから、私たちも採用面接では、その部分を重視します。

スキル面のスペックとは無関係に、『話していて好感が持てるかどうか。理屈抜きに信用したくなるかどうか、応援したくなるかどうか』というような部分を見させてもらっています。そして、そのうえで互いに共感できる、と思えたならば、今訪れている大きなチャンスをともにものにしていきたい。そう心から望んでいます」

プロフィール

写真:清塚 徳 氏

清塚 徳 氏
マネージングディレクター(日本総責任者)
滋賀大学経済学部卒業
カリフォルニア大学バークレー校 ハース・スクール・オブ・ビジネス修了(MBA 経営学修士号取得)

大学卒業後、1985年より三菱銀行(現 三菱東京UFJ銀行)に入行。16年間の在籍期間の内約10年間に渡って、日本や東南アジア諸国でのM&Aアドバイザリー業務や、シンジケートローンアレンジ業務を担ってきた。2001年、カーライル・グループへ転じ、ディレクターとして主に消費財、ヘルスケア、化学、製造業等を中心とした企業のバイアウト投資に従事。そして2006年4月、CLSAキャピタルパートナーズジャパンに入社。中堅企業向けバイアウトファンド「サンライズ・キャピタル」の立ち上げに参画し、そのまま日本総責任者として企業活動全般の統括・指揮にあたっている。



写真:中 俊二 氏

中 俊二 氏
マネージングディレクター
上智大学経営学部卒

大学卒業後、1991 年より三井住友銀行に入行。様々な役割を経験した後、M&Aアドバイザリー業務、コマーシャルバンキング業務を担い、LBO、MBO、PIPEs及びエグジットなどなどプライベート・エクイティの幅広い分野のアドバイザーを務めた。2004年からは同じ三井住友フィナンシャルグループの大和証券SMBC(現 大和証券)に籍を移し、M&Aアドバイザリー業務を引き続き担当。そして2007年10月、CLSAキャピタルパートナーズジャパンに入社。トラステックスホールディングス及びエバーライフへの投資に関与。エバーライフにおいては投資期間中監査役を務めた。



写真:皆川 亮一郎 氏

皆川 亮一郎 氏
ディレクター
神戸大学経営学部卒
公認会計士

大学卒業後、1998年より新日本有限責任監査法人に入社。クライアント企業の会計監査や上場準備のコンサルティングに従事。2006年からは日興シティグループ証券(現 シティグループ証券)へ転じ、投資銀行部門においてMBOを含む各種M&A案件や株式公開等コーポレート・ファイナンスの案件を担った。そして2008年6月、CLSAキャピタルパートナーズジャパンに入社。日本インテグランドホールディングス及びBCNへの投資に関与。BCNでは代表取締役(現任)を務めている。



写真:前田 泰典 氏

前田 泰典 氏
シニア バイス プレジデント
京都大学工学部卒
京都大学大学院工学研究科修了

大学院修了後、2004年より日興シティグループ証券(現 シティグループ証券)に入社。M&Aアドバイザリーや資本市場を活用した上場企業の各種資金調達・新規上場に従事。2009年からはKKRジャパンに転じ、日本における投資案件のオリジネーション及び投資先のモニタリングを担った。そして2011年4月、CLSAキャピタルパートナーズジャパンに入社。エバーライフ及びBCNへの投資に関与。エバーライフにおいては投資期間中取締役営業本部長を務めた。BCNでは取締役(現任)を務めている。

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