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CxOインタビュー

宮谷 孝一 氏

[6]専門的スキルは主にどこで獲得したのですか?

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人事の専門性に限ったことではなく、私は何事も経験と人から多くを学ぶタイプです。未経験のミッションに進んでチャレンジをしていきつつ、わからないことに遭遇した場合は、飾らず臆さず先人や専門家に質問をして教えてもらう。CHROは経営にもコミットする立場ですから、これについてもたくさん学ばなければいけませんが、ニールセンでは早くからボードメンバーにしていただき、経験を得ていくチャンスをもらいました。

人事担当マネージャーの立場だったなら携わらなくてもいいような経営上の意志決定にも関わることになりますが、そういう場面でも素直にわからないことは「わからない」と言って、相談してきました。この会社にはきちんと答えてくれるかたがたが揃っているので、今もなお勉強をさせてもらっています。

[7]リーダーシップやマネージメントに関する経験やスキルは、いつ、どこで獲得したのでしょう?

HR部門を統括していく立場ですから、部門の現場では常にリーダーシップやマネージメント上の手腕を発揮しなければいけないわけですが、そればかりではありません。現代のビジネスでは市場などの外部環境も刻々と変化しますから、企業はこの変化に柔軟に対応することが求められます。時には会社組織を変えていく必要にも迫られるわけで、この時、大きな責任を負うのがHR。日常的なリーダーシップやマネージメントスキル以上のものが求められます。

多様な事業を展開するニールセンのグループには、同じように多様な組織が紐付いていますし、これまで幾度も組織改編を経験したことで、必要な知見を得ていくことが出来ました。

[8]キャリア形成上の転機があったとすれば、それはいつのことですか?

繰り返しになりますが、マスターフーズ時代に営業から人事へ移ったことが、私にとって最大の転機。36歳の時でした。

[9]強く印象に残っている試練やストレッチの経験について教えてください

3年前、マレーシア拠点のHRのヘッドが不在になり、後任が決まるまでの5ヵ月間を現地で過ごしたことがあります。新しい人事体制を整えて後任者に備える、という役割もありましたが、不在となったヘッドのピンチヒッターとして、日々の業務で必要となるHRのオペレーションもマネージメントすることになったわけです。

「グローバル企業のHRを担う」という仕事は長年してきましたが、「自ら言葉やカルチャーの異なる現地に長期滞在して......」という経験は初めてでした。同じニールセンの拠点ではあっても、当然ローカルごとにルールやプロセスや価値観は違ってきます。

また、現地メンバーからは「ほんの数ヵ月だけ日本からやってきて、何ができるというんだ?」という疑心暗鬼の目線も当初はありました。彼らから信頼を得るためには、1つひとつの問題に真摯に取り組んで結果を出し、ワン・トゥ・ワンのコミュニケーションを積極的に実施していくしかなく、タフな毎日が続きました。けれども、少しずつ信頼をしてもらえるようになり、最後には感謝もしてもらえた。私にとってはストレッチにもなりましたし、忘れられない良い思い出です。

そして、この時の経験があったからこそ、今、韓国拠点のHRも任せてもらっていると思っています。韓国では一時期、現場とHR部隊との間に距離が開いてしまい、その解決が重要課題となっていたのですが、その改善を進めているところです。

[10]影響を受けた先輩や、師匠といえるかたはいらっしゃいますか?

HR領域の仕事で最も影響を受けたかたが2人います。ともにマスターフーズ時代の上司なのですが、まずリクルート出身のNさんという上司からは、社員や上層部とのコミュニケーションにおける重要な鍵を教わりました。それは「物事を伝達する時には、必ず自分自身の意図をもって、効果的に伝えていく」という姿勢です。その後、Nさんの後任で上司になったHさんからは、制度設計などを通じ、枠組みを変えていくことで人事としての成果につなげていく術を学びました。

両氏とも、HRマンとしての専門性や知識を深く広く保有していて尊敬できるかたでしたが、共通していたのはそれだけではありません。人事というものが会社組織の中でどうアプローチすべきなのか、という視点で動いていた点。そして、多様性を受容しながらも結果につなげていこうとする点です。お二人から吸収させてもらった教訓は、今も私の支えになっているんです。

[11]座右の銘や、独自の哲学などをお持ちですか?

「夢や志は、思い続けていれば必ず叶う」。それが私の信条で、社員にも家族にも、事ある毎に伝えています。
冒頭にもお伝えしましたが、私の学生時代の理想は、あいまいで抽象的ではあったものの「国際的に活躍したい」「海外のものに携わっていきたい」でした。その思いをずっと抱き続けていた結果、今まさにそうした任務を任される立場になっています。

たまたま運が良くてそうなった、とは考えていないんですよ。やっぱり人は強い「思い」を持ち続けていると、リアルな仕事の場面にも影響は出てくるものです。何かを選択し、意志決定する時にも、その「思い」が基準になって、自らの結論につなげます。それが繰り返され、蓄積していくうちに、望んでいた夢や志が近づいてくる。そう信じています。

[12]感動し、影響を受けた本や映画などがあれば教えてください

初めてHRの職務に就いた時、3冊の本を薦められ読みました。『ビジョナリー・カンパニー』(ジム・コリンズ著)、『人を動かす』(デール・カーネギー著)、『ザ・ゴール』(エリヤフ・ゴールドラット著)の3冊です。誰もが知っている定番のビジネス書ではありますが、それだけに時代に左右されない大切な教訓が書かれており、今なお仕事に活かすことができています。

[13]CxOというキャリアの将来性や、今後期待される役割について、どうお考えですか?

CxOはそれぞれの専門分野のヘッドが担うケースが多いわけですけれども、今こそ本当の意味で企業経営に貢献する役割を果たさなければいけなくなっていると思います。CHROで言えば、単に人事の専門家として高度な仕事をこなすばかりでなく、ビジネスについての感性を持つことがどんどん必要不可欠になっています。

これからのHRは、最前線でビジネスを推進している人たちの真のパートナーにならなければいけない。彼らがヒトという資産に何を求め、どんな成長を望み、組織や制度というものにどのような期待や不満を感じているかを、つぶさに感じ取れるセンスが問われていくわけです。

また同時に、多様性ある集団として、いかに会社を発展成長させていくことができるかも問われます。ニールセンのようなグローバル企業だけの課題ではなく、今後は企業規模と関係なくあらゆる会社で多様性が膨らむはず。「似通った人材ばかりを集めていた時代のビジネスの進め方」は通用しなくなります。従業員個々の個性、価値観、人生観をHRがしっかりと捉え、個と組織の双方にとって最適な施策をうっていく必要性が強まってきます。

ですから人事領域に軸足を置きつつ、チーフ・オフィサーとして経営に関わっていくCHROには、先進的なビジネスセンスや、多様性を強みに変えていく姿勢とが問われていくことになるでしょう。私の場合、キャリアの前半で営業職に就いていたことが大きな財産になっていますが、当時と今とではビジネスをめぐる環境も大きく変わっています。

ですから、常にビジネスの最前線で起こっていることに興味を持ち、直に触れていくアプローチを続けていこうと思っています。今後CHROをめざすかたがたにも、そういう視点を備えておいてほしいと思います。

[14]ご自身の今後のキャリアビジョンについて教えてください

以前から私が念じ続けている望みは「グローバルな環境で貢献できるヒトでありたい」です。そして今まさに強く願っているのは「グローバルな環境に貢献できるHRを築きあげたい」です。この2つのビジョンは今後も不変だと思いますが、特にこれからのビジョンとして挙げるとすれば、「自分が培った力や、手に入れた経験の数々を活かせるチャンスがあるのなら、枠に囚われることなく、どんどんチャレンジしていこう」になります。

[15]若い方々へメッセージ、アドバイスをお願いします

たった今申し上げた私自身のビジョンと重なってしまうのですが、第一に伝えたいメッセージは「志は大きく持ち、いろいろな課題や機会にチャレンジしてほしい」です。「思い」を持ち続け、そのための行動をとっていけば、必ず夢や志に近づいていけると思います。

もう1つお伝えしたいのは、CHROを目指すのであれば、やっぱりビジネスセンスを磨いてほしい、ということです。私自身、現在進行形で勉強中です。各々のビジネスの現場に足を運び、そこでコミュニケーションを通じて学んでいくばかりでなく、最近はファイナンス領域の数字面の勉強もしています。

経営の状態を数字で端的に示すのがファイナンスの領域ですから、これらを読み解く力が得られれば、そこからまたHRとして成すべき事柄というものも見えてくるはず。そう考えてトライしているんです。当然、わからないことはたくさんありますが、CFOをはじめファイナンス部隊に質問を投げかけながら学習しているところです。「ビジネスセンス」と一言で表現しても、実に幅広いものですから、若い皆さんには特に、今から積極的にチャレンジしてほしいと思っています。

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