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CxOインタビュー

本田 仁志 氏

[6]専門的スキルは主にどこで獲得したのですか?

私の基礎となっているものの多くは東芝時代に、仕事を通じて得たスキルです。アカウンティングやファイナンスに関わる専門スキルは、理論や知識の座学だけでは身につきません。グローバル規模のマネジメント手法であったり、業績連動型の報酬であったり、それぞれ現場で用いていく中で、スキルが高まっていくのです。

私は環境に恵まれていました。繰り返しになりますが、非常に幅広いビジネスを世界規模で展開していた東芝で育ちましたから。しかも東芝の経理・財務部門は昔から極力外部のコンサルタントに依存しないカルチャーが根付いていたため、それぞれの局面で必要となるスキルを苦心しながら担当者が自分で駆使する機会を得ていきました。以上のような環境が揃っていたことで、私はスキルを得ることができたのだと思っています。

[7]リーダーシップやマネジメントに関する経験やスキルは、いつ、どこで獲得したのでしょう?

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企業経営に関わる知識、経験、スキルの多くは、トランスコスモスの創業者である奥田耕己(代表取締役グループCEOファウンダー)の言動を間近で見る中で、吸収をさせてもらいました。もちろん、前職や前々職、そして東芝でも経営トップのすぐ近くで仕事をしていましたが、創業者が見せる何気ない行動が、私にとっては最高の学びにつながったんです。

例えば、「褒める」と「叱る」のバランス。その絶妙さで、メンバーのモチベーションを最大化していくのです。CFOである私が向き合うメンバーのほとんどはバックオフィス方面の業務を担当しています。営業部隊や技術チームなどとは異なり、目標意識が必ずしも明快ではないケースも多々あるわけです。そういう特性の中で、いかに皆に前向きな姿勢をとり続けてもらうか、という課題の解決において、大いに活用させてもらっています。

[8]キャリア形成上の転機があったとすれば、それはいつのことですか?

最大の転機は、長年在籍した東芝を辞めて、急成長企業への転職を実行した時です。一般に言われている通り、歴史ある大企業では、組織がしっかり構築され、それぞれのチームが規律を持って機能しています。こうした組織の中にいる時は、「組織:自分」の比率は7:3くらいの認識で動くのがベストでした。

ところがアーバンコーポレイションやファーストリテイリングでは、この比率が逆転しました。つまり組織が3で自分個人が7という比率。未整備な組織にいる時は、可能な限り個としての機能を高めていかなければ経営が進んでいきません。通常はこうした比率の大逆転があれば戸惑うのでしょうけれども、幸い私は楽しみながら双方を経験することができました。

そして、だからこそ今、トランスコスモスでピタッとくるフィット感を味わっているんです。なぜならこの会社は、7:3であるべき局面と3:7で動くべき局面の両方があるからです。様々な出会いの中で築いてきたキャリアパスですが、結果として理想的な道のりを進んで来れたと捉えています。

[9]強く印象に残っている試練やストレッチの経験について教えてください

ここまでの話と矛盾するように聞こえるかもしれませんが、複数回の転職を経験しましたので、やはり毎回すぐにその企業ならではの風土に馴染めたわけではありません。会社には業種や役割の違い以上に「固有のニオイ」とでもいうようなものがあって、これが自分に合うかどうかが、試練にもなっていきます。

もちろん、先に申し上げた通り、東芝時代から数多くの分野を担当してきたことが、私を強くしてくれましたし、それが転職の時にも役立ちましたが、転職経験がより嗅覚を研ぎ澄ませていくようなストレッチになったのは確かです。

また、私自身が東芝時代から一貫してチャレンジすることに積極的だったこともあり、試練は常にやってきたのですが、それをこなしてきたことが「何とかなる」「何とかする」という自負にもつながっています。

[10]影響を受けた先輩や、師匠といえるかたはいらっしゃいますか?

これまでにも様々なかたの影響を受け、成長につなげさせてもらいましたが、やはりトランスコスモスの創業者である奥田が、私にとっては大きな存在です。一般的に、理論上のコーポレートファイナンスとリアルな経営というものは、似て非なるものとして片付けられがちです。「机上の理屈通りに会社は動かないよ」という発想の人は多いでしょう。

ところが奥田は、この双方をしっかりと体現してみせてくれます。論理的な分析も伴う数値目標の設定をしっかりと実行しつつ、一方では創業者としての肌感覚も経営に注ぎ込んでいます。数字や理論と、生々しい経営。この両者は「相容れないもの」なのではなく、「しっかりつながっている」のだと、身を以て示してくれるのです。

「現場感」重視の経理・財務業務からスタートした私には、とても共感できる存在であり、あらためて学ばせてくれる存在でもあるんです。

[11]座右の銘や、独自の哲学などをお持ちですか?

座右の銘は特にないのですが、長年心がけているのは誠実であり、フェアであろうというものです。

数字を扱う仕事をやっていると、物事を何でも数値やデータで処理してしまう癖が頭をもたげます。明快なファクトをベースにしてやっているのならば問題ありませんが、恣意的な意思決定を数値やデータで押し切ることもできてしまうような危険性もはらんでいるんです。これでは現場は動きません。

推定や推論、推測値は重要ですが、これらを押しつけるのではなく、きちんとエビデンスを取って、あらゆる関係者が納得できるものに仕上げて進めていく。そういう意味での誠実さやフェアさというものを大切にしているんです。

そもそもアカウンティングやファイナンスを預かる立場は、相手が嫌がることを言わなければいけない立場でもあります。だからこそ、数字やデータに依存するのではなく、肌感覚で共感してもらえるコミュニケーションを心がけなければいけない。誰よりも「信頼される」ことを強く心がけなければいけない立場だと解釈しています。

[12]感動し、影響を受けた本や映画などがあれば教えてください

本や映画よりも、近年の私は趣味であるオペラ鑑賞で感動・感銘することが圧倒的に多くなっています。独身時代は年間で100以上の公演に足を運んだほどです。仕事に直接どう活きているのかは定かではありませんが、少なくともリフレッシュにはつながっています。

仕事以外の場面で、日頃のストレスを発散できることは、とても大切。自分の居場所を仕事以外のところに持つことは、非常に重要だと思っています。

[13](CFOやCHROのような)スペシャリストキャリアの将来性と今後期待される役割についてどうお考えですか?

有望です。ただし、こうしたポジションが社内にあるかどうかが問題。現状の日本では、まず再生案件や、スタートアップベンチャーが候補になります。

歴史ある大企業の場合、仮にCxO的な役職があったとしても、長年にわたって定着してきた年功序列型のヒエラルキーが、その機能の妨げになっているケースもあるようです。外資企業の日本法人の場合は、どこまで裁量権があるのかがポイントでしょう。むしろオーナー企業系のほうが影響力の強い経営者のすぐ隣で働けますから、変革の担い手として活躍できるチャンスがあると考えます。

ただし、そういうチャンスのある会社で、例えばCFOとして機能していこうというのならば、事業会社での経験は必須だと私は考えます。

会計士や会計系コンサルを経てCFOに、というキャリアビジョンの構築をしている人がいるのならば、そうした理論・数字の専門家としてのスキルばかりでなく、現場を肌で感じることを強くお薦めします。数字にだけ通じていても「事業の翻訳者」にはなれません。リアルな経営にポジティブな変化を生み出すことができませんから。

[14]ご自身の今後のキャリアビジョンについて教えてください。

このトランスコスモスという成長企業をさらに大きくする役割を担っていきたいと考えています。そうすることで、私自身の経験値も結果として上がっていきますし。

[15]若い方々へメッセージ、アドバイスをお願いします

CFOを目指すかたに伝えたいことが2つあります。1つは、自分のできること、得意技というものをしっかりと把握すること。もう1つは、肩書きとしてのCFOに憧れるのではなく、「何をやりたいのか」「どこをどうしたいのか」というものを明確にすること。

もしも今の自分に不足しているスキルや経験値があるのなら、手を挙げて「やります。やらせてください」と主張すべき。そうして、自分を高めながら、具体性のある「やりたいこと」を1つひとつ形にしていけば、肩書きは後からでもついてきます。

加えて言うならば、同じCFOという役割でも、会社の規模や成長フェイズ次第でやるべきことは大きく違ってきます。例えば、スタートアップベンチャーでCFOをやるのであれば、ある意味セールスマンとなって自分の会社を売り込んで、資金を集める役目を担います。再生フェイズにあるような会社でCFOをやるのであれば、経営を抜本的に建て直すような役割を果たしていかなければいけません。

だからこそ、「自分はどんな会社で何をやりたいのか」をはっきりさせ、向かうべきゴールをしっかり突き詰めていかなければいけないんです。チャレンジするならば、若いうちのほうが良いに決まっています。前向きにどんどん挑んでいってほしいと思います。

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