買収ファンドと総合商社

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パナソニックヘルスケアホールディングス(PHCHD)に三井物産が投資。第2位株主になった。
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2013年にパナソニックはノンコアのPHCHDをグローバルファンドのKKRに株式の75%を売却していた。
今回その内の25%をKKRが売却したのだ。

実はKKRと三井物産は当時PHCHDを買収し合った競合状態にあった。
東芝、KKR、三井物産+ベインキャピタル連合がビットし、KKRが勝利している。

しかし、その後の東芝メディカルの買収で両社はタッグを組んでいた。
まさに、昨日の敵は今日の友。

キヤノン、富士フイルム、コニカミノルタ+ペルミラ、三井物産+KKRが買収し合っていた。
結果、キヤノンが勝利したのはご存知の通り。
この時の買収方法がグレーで富士フイルムがクレームをつけていたのも記憶に新しい。

そして今回のディールだが三井にとってヘルスケア事業は戦略的投資部門であり何が何でも欲しかったのだろう。
KKRも来たるべきEXITに備えての布石だと考えられる。

このようにファンドと総合商社は近い関係にある。

①商社が機関投資家としてファンドに資金を拠出するというパターン。
②自らが投資組合を設立しファンド業務を行うパターン。
③共同投資を行うパターン。
④商社がファンドに子会社を全部もしくは一部株式を売却するパターン。
⑤そして今回のようにファンドのポートフォリオを商社が買収するパターン。

①は初期のアドバンテッジパートナーズに丸紅が資金だけでなく人材も出向させている。

三菱商事もリップルウッドに大きな支援を行っていた。
商社が金だけでなく人まで出すのは人材育成のためで②のための経験値を積むためだと考えられる。

②は一時多くの商社がバイアウトファンドを設立したが素晴らしい成功をしたという事例は多くないのではないか。
伊藤忠のようにさっさと畳んでしまったところもある。
これはこの仕事がサラリーマンの仕事ではなく真のプロフェッショナルの仕事だからだろう。

③以前の東京海上キャピタル+住友商事のバーニーズNYなど。
最近でもアドバンテッジと三井物産がアジアでファンドを組成して共同投資を行っている。

④住商がTVショッピングのジュピターショップチャンネルをベインキャピタルに50%の株式を売却している。
これも多くの事例が存在している。

⑤古くはユニゾンの投資先キリウを住商の自動車部門が買収している。

これからは④、⑤が増えてくるだろう。
現在の資源安の影響から来る利益の減少で戦略的な投資部門の変化やポートフォリオの健全化を急ぐと思われる。
今後も成長が期待できる子会社、戦略投資領域や手を加えて再生可能な子会社以外はファンドに売る選択肢を検討するだろう。
コーポレートガバナンスの観点からも低収益な事業や子会社をいつまでも理由なく保有することは難しい。

買収ファンドと商社の関係は更に進んで行き、良き戦略的パートナーと発展するだろう。

我々はそう考えている。

キャリアインキュベーション株式会社
代表取締役社長 荒井裕之

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