李さんの場合、例えば製造ラインには「その道○十年」というベテランの先輩などが活躍するフィールドですよね? そんな中で若い社員が「改善リーダー」を務めるのは大変だったのでは? しかも、国内に同じOMLPプログラム生はいないわけですし。
【李】それが逆なんです(笑)。「若いプログラム生がリーダーになろうとして、ベテラン社員から反発を受ける」という状況を想像する人も多いかもしれませんが、私の場合、むしろ先輩社員の皆さんに後押しをしてもらった形です。グローバルなGEヘルスケアの中での日野工場の技術評価は、実は非常に高いんです。ラインにいる皆さんも「もっとグローバルな評価を獲得して、世界市場で実績を上げたい」という志がとても高い。そんな中で、日本初のOMLP生が誕生したことを、私以上に喜んでくれました。「これをチャンスにして、さらに上を目指そう」という空気が広がっていましたから、「改善できるものを見つけ出して、それを実現しよう」と燃えてくれています。私としても、遠慮がちになるのではなく、もっと積極的にリーダーとして成長していかなければ、と感じているところです。
志田さんも李さんも、「グローバルな仕事ができる」という面でGEに魅力を感じ、入社されたようですが、現状その希望はかなっているといえますか?
【志田】もう毎日が当たり前にグローバルですね(笑)。メールはすべて英語ですし、日本でのトライアルで問題を感じたら、「じゃあ他の国や地域ではどう対処しているのか」という疑問をいつでも投げかけることができます。そして、世界中のGEの人たちが当たり前に答えてくれる。任務によっては、働く現場自体が海外の人ばかり、というケースも少なくありません。グローバルというものが、なにか特別なことなのではなくて、GEで仕事をすることが、イコールごく普通にグローバル、という感じです。
【李】先ほどもお話したように、私の場合、プログラムの同期や先輩が海外にしかいません(笑)。それに韓国出身の私が日本で働き、今はアメリカへのトランスファーを仕事にしている、ということ自体が十分グローバルですよね(笑)。嬉しかったのは、いつも相談に乗ってもらう中国のOMLPの先輩が、「日本にも仲間ができたことで、今まで以上に日本の日野工場で何が起きているかを深く知ることができるようになった」と喜んでくれている点です。志田さんが言っていたように、こうして国や役割や年齢を超えて仕事をしていくことで、きっと私たちも先輩たちと同じように「グローバルが当たり前」になっていくのだと思います。
では、お二人の今後の課題について、自分でどう考えているか、教えてください。
【志田】FMPでは、2年のプログラム期間の半ば、だいたい2つめか3つめのローテーションのあたりから、オフ・プログラム(卒業後の担当)について考えることを推奨されます。いくつかの現場も見て、同時にある程度の専門性も学習できた時点で「次のステップ」をあらかじめ考え始める、というわけです。もちろん、FMPを推進するFMPプログラム人事やファイナンスリーダーが相談相手になってくれます。私もいろいろ部門や地域や役割について検討してきましたが、最終的には10月から始まるCAS*の試験を受けるため、米国に行くことを決めたところです。*CAS (Corporate Audit Staff)
【李】私はまだ2つめのローテーションが始まったばかりですし、日々このミッションを達成することで手一杯という感じです。けれども、「OMLP生・日本第1号」である私がどれだけの成果を上げられるかによって、今後の日本でのOMLPの展開が左右される部分もあると思いますから、しっかりと成長していきたいと思っています。例えば、中国や米国の先輩たちを見ていると、「伝える」技術というのが非常に巧みです。反面、日本の技術の現場には、昔から控えめなことを美学にするような文化があります。実を言うと私もそういう人間の1人だったんです(笑)。でも、グローバルな企業、GEとして価値を社会に提供していくには、そうした美学とは関係なく、主張すべきことはきちんと主張していくスタイルを備えなければいけない。そのことをリーダーとして皆さんに納得してもらうにはどうすればいいのか、今はそれが一番のテーマになっています。
では最後に、GEのリーダーシップ・プログラムに関心を持っている人たちに、伝えておきたいメッセージがあれば、それを教えてください。
【志田】「学びたい」という人、「早く結果を出して成長をしたい」という人には、最高に恵まれた環境だと伝えたいですね。実際には、非常に忙しい毎日になりますが、それを「次々いろんなことをやらされて大変」と思う人には、向いていません。そうではなくて、「次々いろんなチャンスがもらえて嬉しい」と思う人には、本当に充実した日々が待っていると思います。
【李】私も志田さんと同感です。チャレンジが好きで、そのチャンスを欲しがっている人にとって理想的な環境がGEにはありますし、プログラムに参加することで成長速度はさらにアップすると思います。特にOMLPについて言えば、早く私も後輩がほしいです(笑)。チャレンジ精神旺盛な第2号、第3号の誕生を心待ちにしています。
プロフィール
志田 氏
日本GE株式会社 FMP
07年慶應大学総合政策学部卒業後、08年4月より日本GE株式会社に入社。Financial Management Programの2年間を通じて、GE Real Estate・Asiaにて経理及びコンプライアンス・プロジェクト、GE三洋クレジットにて財務企画、GE Capital AsiaにてHQ(本社)のコスト管理、GE Money(韓国 ヒュンダイ・キャピタル/カード)にて商品別の財務企画等を経験。
李 氏
GEヘルスケア・ジャパン株式会社 OMLP
韓国出身。03年より国費奨学生として来日。神戸大学機械工学科卒業後、神戸大学大学院機械工学科にて修士課程修了。09年よりGEヘルスケア・ジャパン入社。入社直後は生産技術のエンジニアとして配属。同年OMLPの社内募集に応募、10年1月よりOMLPとしてローテーション開始。1stローテーションは、改善リーダーとして生産ラインの改善を担当。7月からは2ndローテーションとして日本が開発した新製品をアメリカの製造ラインに導入するトランスファー・リーダーの役割を担っている。
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