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注目企業インタビュー

アディエント合同会社

アディエントのプレゼンスを何よりも世界に知らしめているコア事業がシーティング、すなわち自動車用シートの開発・製造だ。世界のトップ自動車メーカー各社に提供するシートシステムの数は、実に年間2500万セットに及ぶ。世界で生産される乗用車の3台に1台が同社のシートを採用している、ということになる。こうした圧倒的実績を維持しながらも、新会社として船出を果たし、変革へと動き出した背景には何があるのか?アディエントの理念、ビジョンとともに、同社ジャパンオフィスが担う使命、人材に求められる資質などについて社長としてジャパンオフィスを率いる内田博之氏に聞いた。

世界シェア№1の実績に甘んじることなく
進化のための一歩を踏み出したグローバルカンパニー

日米欧の完成車メーカーが長年に渡り熾烈な競争を繰り広げている自動車産業だが、この業界において、知る人ぞ知るグローバル企業として際だった存在感を示し続けてきたのがジョンソンコントロールズ オートモーティブ(以下、JCA)だ。

そして、多様な自動車関連部品の製造・提供を手がける中、とりわけ突出した業績をおさめてきたのが乗用車向けシート(座席)である。交通機関向けシートの領域で世界のトップ・ブランドとして君臨するレカロも傘下企業の1つ。そんなJCAが2016年10月にアディエントという新会社に生まれ変わり、新たな歴史を刻んでいくこととなった。

「アディエントは生まれたばかりの会社ですが、ジョンソンコントロールズ時代に自動車用シート関連事業を担っていた組織・人材・機能等がそのまま独立をする形で誕生しました。ですから、規模、実績、能力のいずれにおいてもJCA時代と変わらぬベースをすでに備えています。全世界に230の拠点と、7万5000人の従業員を抱え、自動車用シートシステムの生産数は年間約2500万台。誕生した瞬間から『世界最大の自動車用シートサプライヤー』だということになります」

社長の内田博之氏が語るように、アディエントは年間収益約239億ドル(約2兆4000億円)を築いていた自動車用シート市場の世界ナンバー1シェア企業であったJCAが母体。「世界最大、業界最大手の称号を持つ新会社」ということになる。

しかし内田氏によれば、ナンバー1企業としての位置付けに甘んじることなく、新会社としてのチャレンジに今後は注力していくという。社名の「アディエント」とは、ラテン語で「事態や刺激を受け容れながら進化させる」を意味する言葉とのこと。未来を見据えた姿勢がはっきりと現れている。

「今、自動車関連の市場には大きな変化が訪れています。顕著なのは中国市場の著しい伸びですが、その一方で中国を除くアジア諸国をはじめ新興国市場の動きも活発です。これらの動きに対応しながら、世界の自動車産業全体が大きく変わろうとしているわけです。

もちろん私たちは自社の製品クオリティや技術に万全の自信と誇りを持っていますが、世界的な変化の中では、さらなる前進を実現し、継続的に進化していくことが必須です。世界ナンバー1の座に甘んじない前向きな姿勢を徹底するためにも、会社組織そのものを刷新する決断をしたのです」

内田氏によれば、ジョンソンコントロールズの経営を支えてきたコア事業は3つ。1つは、1885年の創業時から手がけてきたビルディングに関わるシステムや技術の提供。2つめは自動車用バッテリーなどに代表されるパワーリソースメント事業。そして3つめがJCAの名の下で手がけてきた自動車用シート関連事業だ。

JCAは以前から独立性をもって活動をしていたが、他のコア事業の影響から明確に分離独立すれば、今まで以上にスピーディーな経営を実現していくことが可能となる。世界市場の大きな変化を見据え、継続的な成長をもたらす変革の必要性を認識した結果として、アディエント誕生の運びとなったのだという。

そして以上のような動きに先立ち、2015年の10月、日本およびアジア(中国以外)の市場を担う立場として招聘されたのが内田氏だった。日本随一のベアリングメーカー日本精工(NSK)でグローバル事業等を手がけたのを皮切りに、複数の外資系自動車関連企業で実績を積んできたキャリアの持ち主。その内田氏がJCA(現アディエント)を選択した理由はどこにあったのだろうか?

「1つはスケールの大きさです。一言で自動車用シートといっても、形状や素材は多様ですし、用いられる機構やシステムの種類も非常に幅が広く、奥が深い。そのため、専門性の高いグローバル・プレイヤーだけでも多数の企業が世界各国で活動しています。

しかし、そんな中でもJCAは、特定の専門分野だけを担うのではなく、シートシステム全体を提供できる技術の幅と能力の高さを示し、他社を圧倒する収益とシェアを実現していました。世界全体を相手に長年成功してきた数少ない企業と言っても過言ではありません。本気でグローバルビジネスと向き合おうというのなら、これほど恵まれた環境はないと思ったのです」

リアルに世界サイズのビジネスができることに加え、内田氏は確かな技術によって成長してきた点も重視したという。

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「まさにテクニカル・ドリブンの経営。これが自動車関連市場には不可欠なのだということは、私自身がそれまでのキャリア、経験の中で痛感してきたポイントでした。自動車産業はそのスケールの大きさや成長性もさることながら、多様性にも富んでいます。

たとえば日米欧のような成熟市場では、万全な安全性のクオリティが求められると同時に、レカロなどに代表されるようなコンフォート(快適性)等の付加価値でもしのぎを削っていく必要があります。こういう競争における技術力とはまた別に、新興国市場では価格競争力を生み出す技術も必要となるわけです」

一方でカンフォータブルかつラグジュアリーなシートを生み出しながら、他方で「リーズナブルな価格」という制約をクリアし、なおかつ一定水準以上の安全性も保証できるシートを生産する技術力も必要。そんな業界固有の難しい課題をクリアし続けているのがJCA、つまり現在のアディエント。そこに絶対的な強みが備わっていることを、内田氏は察知し、入社を決断したのだという。

「日本や欧米のドライバーが喜ぶシートも、インドなどの新興国ドライバーが喜ぶシートも開発・製造できる。そして、この難題にリーディング企業としてチャレンジしていける。だからこそ私はこの会社に来ることを決意したのです」

盤石な実績と人員をベースにしながら、より一層の進化を目指す同社では、今後新たなメンバーも積極的に採用し、変化の時代へのチャレンジ体制を固めていくという。はたしてどのような人材に期待をしているのだろうか?

オーナーシップを持って日本とアジアの市場を切り拓く
真のグローバル・プレイヤー集団を目指す

内田氏は正式に社長に就任した際、従業員へ向けて3つのメッセージを発信したという。「この会社で私たちが大切にしていきたいポイントを、改めて確認し、共有しようと思ったのです」

3つのメッセージとは、第1に「結果にはこだわるが、プロセスもしっかり評価する」点。第2に「常に頭を使って考え抜いてほしい。そうして柔らかい頭で考えたことを今度は持ち前の行動力で形にしていく。そのサイクルを続けてほしい」という内容。そして3つめが「米国企業の日本法人だが、だからこそ日本発のアイデアをどんどん出していこう」というものだった。

「要するにアイデアを常に抱えていて、それを実現しようというやる気を持っている人間の集団にしていきたいのです。この会社に来てすぐに感じたのは、そういう企業になるための土台がすでに備わっているという点でした。人材育成のプログラムも充実していますし、先ほど話したようにスケールの大きいグローバルビジネスを通じて、多様な人々とふれ合える環境もあります。だからこそ、この強みをあらためて再強化していくべく、メッセージを発信したわけです」

内田氏自身、日本企業に在籍していた時代に、英国駐在を経験。そこで体感した欧米流ビジネスの面白味に魅せられたという。以後、グローバル企業ばかりを選び、キャリアを積んできた理由でもある。では、その面白味は何なのかといえば「結果を出せば、自由な発想で仕事を創出させてもらえる」点だという。

もちろん、面白さの裏側には「結果を求める」厳しさが存在することも痛感してきた。ローカル拠点がヘッドクォーターの言いなりにばかりなっていれば、「自社法人ではなく商社でもいいじゃないか」という発想を持たれかねないことも知っている。だからこそ、3つのメッセージを本気で発信したというわけだ。そして、当然のごとく「今後アディエントに参画してくる人材」にも同じことを求めたい、と内田氏。

「アディエントが技術ドリブンの強みを持つ企業だという話は先ほどした通りですが、必ずしも自動車業界での経験や技術への精通ぶりだけを基準に採用を行ってはいません。むしろ、世界を相手にビジネスを実行していくうえで、これまでこの会社に足りていなかったような部分に強みを持つ方にも是非興味を持ってほしい」

その一例としてコンサルタント経験者にも期待しているのだと内田氏は言う。

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「世界ナンバー1のアディエントの中で、私たちジャパンオフィスは、これまでも高い実績を築いてきましたが、今後は変化の激しいアジア市場において、さらに成果を引き上げていく必要を感じています。もちろん、欧米のオフィスや生産拠点などとの連携も不可欠になります。開発や生産、サプライチェーンやセールスなどの現場では、専門性も問われますが、同時に情報をしっかり分析して課題解決の糸口を導き出せるような人材や、本当の意味でのグローバルビジネスの経験を持っている人に参画してもらえたらと思っています。

また、今後はM&Aによる組織変革の機会も少なくありません。以上のような様々な局面で、多様な能力の持ち主が、それぞれの専門性や独自の経験を活かして大いに飛躍できるチャンスがあるのです」

ただし、内田氏によれば「分析や戦略策定等の能力だけに期待しているわけではない」とのこと。

「私たちは現実的にモノを作ってビジネスをしています。モノに触れ、そこから何かを感じ取り、ビジネスに活かしていくようなセンスは、アディエントに来てから磨いていってほしいと思います。仮にモノ作りに携わったことのない人材であっても、そういう成長を望んでいるような人こそが活躍してくれると思うからです。逆に私のようにモノ作りのキャリアから入ってくる人材にも、同様のお願いがあります。モノに触れるだけでなく、お客様に触れ、分析などのスキルにも触れていくことで自分を高めたいと思っているような人がここでは成果を上げていきます」

そうした内田氏の考え方の一端を表しているのが、受付ロビーに不定期で設置される新製品の自動車用シート。技術者に限らず、管理部門のメンバーも含め、あらゆる従業員に「実際に座って、アイデアが浮かべば発信してほしい」とリクエストしているのだという。

「部門など無関係に、この会社が手がけるビジネスに全員が向き合っていける環境をどんどん作っています。工場を見学したいというのであれば、喜んで認めますし、完成車メーカーが当社のシートを搭載した素晴らしい新車を出せば、あらゆる社員に希望を募り、試乗してもらったりもしています。

アディエントのジャパンオフィスは、たしかに外資系企業の日本法人ですが、グローバル企業の良さを膨らませつつ、日本企業の良さである『皆で考える体制』もまた浸透しています。双方の良さを吸収しながら、全世界を相手にしたグローバル・プレイヤーとして成長していけるのがここなんです。大きなスケールで本物のグローバル・プレイヤーになりたい、と考えるかたがいれば是非ドアをノックしてほしいと考えています」

プロフィール

写真:内田 博之 氏

内田 博之 氏

執行責任者 社長 Adient GK 兼 副社長 アジアOEMカスタマー

慶応義塾大学理工学部機械工学科を卒業後、日本最大手のベアリングメーカー、日本精工(NSK)に入社。主に自動車や空調機器に用いられるベアリングの開発製造に携わる中、英国駐在を経験。グローバルビジネスの醍醐味に触れたことがきっかけとなり、以来、デーナ、ベバスト、ブレンボ、Zana Corporationなど、いずれも自動車部品・関連製品領域で高い専門性を誇るグローバルカンパニーでリーダー、マネージャー、ジェネラルマネージャーを歴任。2015年、ジョンソンコントロールズ オートモーティブジャパンへ招聘され、日本における社長とアジアOEMカスタマー副社長に就任。アディエントとなってからも引き続き、日本とアジアを率いる役割を担っている。

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