グロービス 小林 竜也 氏 注目企業インタビュー

株式会社グロービス

小林 竜也 氏
グロービス・コーポレート・エデュケーション
コーポレート・ソリューション・チーム
シニア・コンサルタント
あらゆるビジネスの現場で「グローバル」な成果が求められる今、組織や人材においてもグローバル化は経営の至上命題となっている。 だが、実情を見れば、グローバル人材、組織の育成・編成はまだまだ発展途上と言えるのではないか。そんな中、人材育成や組織変革に悩みを抱える企業から大きな期待を寄せられているのがグロービス独自のコンサルティングだ。 グローバル人材育成に強い思いを持ち、グローバル人材育成にかかわってきたシニア・コンサルタント、小林竜也氏に「グロービスの人材育成のユニークネス」「小林氏の目指す将来的なキャリア」といった質問に答えてもらった。
海外でのマーケティングに従事した後、世界旅行まで経験した小林さんがグロービスへの参画を決意した理由とは何だったのでしょうか?

【小林】元々、幼少期の8年間を米国で過ごした事もあり、新卒で就職をする際にも、国際的な環境で仕事をしたいという意識を持っていました。実際に、外資系メーカーのシンガポール支社で働く機会を得て、人種のるつぼのような場で働く中で抱いたのが、「今後日本企業・日本人はグローバル競争に勝ち残っていけるのか」という課題意識でした。

優秀な欧米・アジア各国の同僚とフラットな環境で競争する事になると、これまで日本で日本人だけの環境で仕事をしていた場合と比較し、違ったスキルやマインドセットが求められる事を改めて感じました。

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さらに感じた事は、今後世界で活躍するにはマーケティングスキルといったビジネス上の「ハードスキル」だけではなく、各国の歴史的・文化的背景を理解し、日本人としてのアイデンティティを意識した上で、多様な背景を持ったチームをマネジメントできる「ソフトスキル」が必要だという事です。

ハードスキルはキャリアアップを通じて身につけることができますが、ソフトスキルは機会を作らなければ身に付かないと感じていました。そこで、ソフトスキルを身につけるために、キャリアブレイクをとり、2年間の世界一周・日本一周を行いました。目的は観光ではなく、「世界各国の歴史・文化・宗教」を実地で学ぶことです。

特に「ダークツーリズム」とも言われる人類の負の歴史遺産から教訓を得て、自分なりの世界観・歴史観を持つ事を意識しました。旅の途中、ガーナのボランティアプログラムに参加し、小学校で1カ月教師を経験した事は印象的な出来事でした。私が世界で見聞きした内容を授業で伝えることで、子供達の目がみるみる変わっていく様子を目の当たりにしたのです。

それまで従事していた企業のマーケティング活動は、マスに対してワンメッセージを伝える事を目指していましたが、それとは違う充実感と可能性を感じることができました。これが一つのきっかけとなり、教育に興味を持ち、縁があってグロービスに入社しました。

グロービスの何が小林さんの琴線に触れたんでしょうか?

【小林】当時、キャリアの方向性として大きく3つを考えていました。1つは日本のグローバル企業に入社し、マーケティング職として売上アップに貢献していくこと。しかし、その選択では影響範囲は1社に限られ、前職ともあまり変わらないのではないかと感じました。

2つめはコンサルティングファームで企業のグローバル進出案件に携わっていくことです。ただ、このオプションでは、希望した内容に携われるかは「案件次第」という現実が待っていると考えました。

3つめが、人材育成の事業を展開する組織で働き、グローバルに活躍出来る人材の輩出をお手伝いする事でした。3つめの考えがこれまでのキャリアやキャリアブレイクを通じて感じた問題意識に最も近いと思っていたところ、グロービスと出会いました。

実は、2年間のキャリアブレイクの最後に数百冊の本を読み漁っていたのですが、その中で特に印象的だったのが、代表の堀の著書『創造と変革の志士たちへ』(PHP研究所)でした。「志士の五カン」として「世界観」という横軸と「歴史観」という縦軸を持つ事の重要性が書かれていて、大変共感し、刺激を受けました。

「この人が創った会社ならやりたい事ができるのではないか」と感じ、提唱している経営理念にも強く共感したことから、是非入社したいと思いました。面接の内容も、個人の過去や価値観を深掘りするという点に好印象を持ちました。

転職活動の際、私は職務経歴書の1ページ目にキャリアを、2ページ目には2年間のキャリアブレイクで世界一周等を通じて得られた学びを書きました。どちらに興味を持っていただけるかは会社によってバラつきがありましたが、グロービスの方は特に2ページ目を通じて私という個人に興味を持っていただきました。そのことも入社の決め手の一つとなりました。

入社後すぐに法人部門に配属され、コンサルタントして業務を始めたと聞いていますが、実際に仕事をスタートしてどんな思いを抱きましたか?

【小林】感想としては、「上流から下流、大きなことから細かいことまでバリューチェーンの全てを自分で見ていく仕事だな」というものでした。通常のコンサルティングファームのように役割が細かく分担されているのではなく、1人のコンサルタントが1つの案件のプロセス全てに関わり、責任を負って成功に導くというやり方です。

前職はB to Cのマーケティング職でしたので、クライアントと直接やりとりをする経験はほぼ無く、B to Bでクライアントに直接営業をすることは私にとっては新たなチャレンジでした。

グロービスのコンサルタントは、単にクライアントのニーズを聞くだけではなく、事前にその企業が抱えている経営上・組織上の課題は何か、そのために我々は何ができるか仮説を立てます。時にはクライアントに対して「もっとこういった課題があるのではないか?」と意見をぶつけていくことも多くあります。クライアントとの議論を通じて合意形成し、プロジェクトを具体的なプランに落とし込んだ上で研修やサービスを提供します。グロービスの営業アプローチの経験を重ね、その面白さや醍醐味を理解していきました。

今後、参画してくるメンバーの参考のためにも、どのような能力が求められるか教えてください

【小林】一つ挙げるとすれば、物事を「言語化」する能力ではないかと思います。私達グロービスが提供しているサービスはいわゆる「高額無形商材」です。知恵や知識といった形のないサービスを提供し、人材の成長や改善といった無形の効果を実感いただくことが使命です。

例えば消費財メーカーでは、洗剤を売る場合に「衣類が白くなります」「ニオイが落ちます」といった目に見える機能的な効果を謳うことができますが、無形商材ではそれはできません。そして、クライアントが抱えている経営課題や組織課題には、クライアントによってすべて異なり、決まった「正解」はありません。さらに、クライアントご自身でも課題を明確にとらえているとは限らない場合も多くあります。

よって、クライアントの課題をいかに適切に捉えて、わかりやすく整理し、それを言葉で伝える、「言語化」が重要となるのです。また我々の形がないサービスをいかに「言語化」して価値を感じていただけるかが重要になってきます。

また、研修を通じて見られた受講者の「変化」をどのように「言語化」してクライアントに効果を実感いただくか、ということも含め、仕事のあらゆるフェーズで物事をクライアントの視点で深く考え、課題の本質を捉え、クライアントに分かりやすい言葉で表現して伝えるという「言語化」能力が求められると日々の業務で感じています。

小林さんにとって「グローバル人材育成」におけるチャレンジはどのようなものがあったのでしょう?

【小林】入社後すぐに、アジアで展開する企業のローカルリーダーを育成するプロジェクトに関わりました。参加者は、マレーシア・タイ・インドネシア・香港・日本といったアジア各国から選抜され、開催場所も日本だけではなくアジア各国で実施するプログラムです。

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受講者は各4~5名のグループで一つの事業提案をするために議論していただくのですが、初めは言語や文化的背景、市場の成熟度の違いに目が向き、議論が紛糾しがちでした。ただ、「会社の理念」と「自らの価値観」との繋がりを考えるセッションの中で、議論を通じて「各々の価値観は実は根底では似ていて、会社の理念とも繋がっている」という共通認識が生まれました。

その後、議論は非常にスムーズに進みました。グローバルに展開する日本企業だからこそ抱える課題に、我々がお手伝いさせていただき、一定の成果に繋げる事が出来たことは、とても大きな経験になりました。日本企業のグローバル化のフェーズは様々なので、今後もクライアントの課題に合わせて最適なソリューションを提供出来るコンサルタントでありたいと思っています。

コンサルタントが講師も務めていく働き方について、林さんからお話を聞きました。小林さんもお考えになっているそうですね?

【小林】社内ではラインの担当業務と講師の役割を同時進行している社員が多数います。私もいずれチャレンジしたいと考えています。自ら講師として登壇するためには、誰よりも学び、自らを高め続けていなければいけません。そういった意味では、究極の自己成長の機会だと思っています。

グロービス以外の企業ではこのような機会はあまりないのではと思います。グロービスには人材系や教育関連の事業に携わっていた方もいますが、私のように異領域から敢えてキャリアチェンジしてきた社員も多数います。見方を変えれば、異領域の知見を持っている方の多様性があり、講師にチャレンジする方が多いのではないでしょうか。

グロービスという会社、あるいはここにいる社員を一言で表すとしたら、どうなりますか?

【小林】ありがちな表現かもしれませんが、一言でいうならば「アツい会社」です。本当に多様なバックグラウンドを持った社員が集まっている中で、「社会を変えたい」「世の中の役に立ちたい」というようなピュアな情熱を持っている点は共通しています。そうした個々人の想いがあるからこそ、会社全体の「アツさ」につながっているのではないかと思います。そんな会社は、なかなかないはずです。

最後に小林さんが考える「グロービスで活躍する人」の要素を教えてください

【小林】いくつかありますが、まず1つ目に「教育」というドメインに何らかの想いがある方がよいのではないかと思います。長く勤めて活躍されている方を見ると、人材育成自体に何らかの思い入れや原体験がある方が多いです。それは、人材育成が比較的息の長い取り組みである事にも起因していると思います。

もう1つは、自己成長に責任を持ち、能動的に動ける方。指示待ちではなく、自分なりの発想や目的意識を持って「自分の成長にとって今必要なこと」を自ら考え、それをものにするチャンスがあれば積極的に手を挙げていける人ではないでしょうか。グロービスでは、やりたいと思った事に対して、会社への貢献とそれをやり遂げる能力があると認められれば、その取組みを応援してもらえます。自らチャレンジして成長したい人にとっては最高の環境ではないかと思います。

最後に、最も大切なのがグロービスの理念との整合性です。多様な個性が1つになれているのも、この理念への共感があってこそです。GLOBIS VISIONやGLOBIS WAYに共感できる方であれば、自然と会社の方向性に従った言動ができ、きっと活躍できるのではないかと思います。

プロフィール

写真:小林 竜也 氏

小林 竜也 氏
グロービス・コーポレート・エデュケーション
コーポレート・ソリューション・チーム
シニア・コンサルタント

慶応義塾大学法学部法律学科卒業後、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(以下、P&G)に入社。日本市場向けマーケティングに従事した後、シンガポールのP&Gアジア本社に駐在し、アジア市場向けマーケティングを担当。その後、「グローバル・リテラシー」を磨くべく、約2年間をかけて世界一周・日本一周を実行。見聞を広めた後、2014年にグロービスへ入社。人材育成・組織変革コンサルタントとして、大手小売系企業のグローバルマネジメント人材の育成や、 大手金融グループ管理職のアセスメントプロジェクト、大手メディア企業の役員研修を通じた事業構造転換の支援等、様々な企業の組織開発・人材育成を担当している。

プロフィール

写真:亀田 真央 氏

亀田 真央 氏
グロービス・コーポレート・エデュケーション
コーポレート・ソリューション・チーム
シニア・コンサルタント

慶應義塾大学文学部卒業後、三菱UFJ信託銀行に入行。3年半の在籍期間中、主にデリバティブ関連業務に従事した後、デロイトトーマツコンサルティング合同会社に転職。主に金融業界向けの経営コンサルティングを担当した。2015年、グロービスに入社。人材育成・組織変革コンサルタントとして「ヒト」の側面から企業の経営課題の解決や戦略実行の達成と向き合い、支援する業務を担っている。

写真:林 恭子 氏

林 恭子 氏
マネジング・ディレクター
経営管理本部 本部長

筑波大学大学院ビジネス科学研究科博士課程前期修了(MBA)。モトローラにおいて半導体、携帯電話端末等のOEMに携わった後、ボストン コンサルティング グループへ入社。人事担当リーダーとしてプロフェッショナル・スタッフの採用や能力開発を担うと同時に、リテンション・プログラム開発、ウィメンズ・イニシアチブ・コミッティ委員等、幅広く人材マネジメントを担当。2007年にグロービスへ入社すると、人材・組織に関わる研究や教育プログラムの開発を担当した後、経営管理全般を統括する任に就いた。また、グロービス経営大学院にてリーダーシップ、人材マネジメント、ダイバーシティマネジメント等の領域を中心に講義を行う一方、企業研修、講演も多数務める。共著書に『【新版】グロービスMBAリーダーシップ 』(ダイヤモンド社)、『「変革型人事」入門』(労務行政)、『女性プロフェッショナルたちから学ぶキャリア形成』(ナカニシヤ出版)がある。経済同友会会員。組織学会、産業・組織心理学会、及び経営行動科学学会員。

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