アクセンチュア株式会社

FSチームのミッションとは何か？
どういうクライアントが何をアクセンチュアに期待しているのか？

では、森氏と長谷部氏が統括するFSチームとは、どのようなミッションを追究する部隊なのだろうか？

「ひと言でいえば、アクセンチュア・ストラテジーにおいて金融領域を担うチームです。手がけている案件は大きく2つに分かれており、1つはインダストリーとしての金融機関向け。最近は特にデジタルトランスフォーメーションをテーマにしたものが多くなっていて、アクセンチュアのデジタル部隊やテクノロジー部隊と連携しながら、実行局面にコミットする機会が増えています。もう1つはファンクションとしての金融を非金融企業に提供していくものです」（森氏）

ファイナンス、インシュアランス、ペイメントといった金融界の事業、業務、機能は今、数々のデジタルテクノロジーの活用によって多様な可能性が追究され始めている。そして、こうした変革をバネに新たな成長可能性を求める金融機関と、これまで手がけてこなかった金融関連のビジネスチャンスに期待を寄せる非金融企業の双方が、FSチームとの取り組みを始めているわけだ。

金融も、テクノロジーも、それぞれ高度な専門性を必要とする領域だが、アクセンチュア内には、専任部隊の存在やグローバル事例も含めた豊富な知見もある。こうした存在と相互に連携したり、活用を進めていくことで実績に結びつけていける。とはいえ、他のセクター以上に金融は幅広く奥深い。FSチームには、どんな人材が集結しているのだろうか？

「もともとアクセンチュア・ストラテジー全体の採用方針として『偏ったスペックばかりを追い求めるのはやめよう』と決めていますから、FSチームのメンバーもそれぞれ異なるスペシャリティの持ち主が集まっています。結果として、ペイメントに通じた人間が1つの塊として存在感を出す一方で、バンキング領域の経験者や、この領域を深く理解できている者もいて、さらにキャピタルマーケットで価値を出してきたタレントも集うことになりました」（森氏）

アクセンチュア・ストラテジー全体の採用も担ってきた森氏は、以上のように一定の満足度を示唆する。だが、それでも課題として抱えてきたものがあり、それを解決に導く存在として、今回の長谷部氏の参画を喜んでいるようだ。

「私も含め、アクセンチュアでずっと育ってきた人間がここには多数います。もちろん、我々の手によって実効性の高いトランスフォーメーションを達成していくことは可能ですし、そこに金融領域独自の奥深さを与えていくトライもしていくわけですが、同時にこの幅広い領域が抱えている可能性や、お客様が金融に求める期待値の幅広さにも応えていける集団にしなければ、と思ってもいました。そういう観点から考えても、長谷部さんの参画は非常に大きかったと思っているんです」

2つのグローバルトップファームにおいて、金融プラクティスのリーダーとして活躍した経験や、そこで獲得した幅広い知見や人脈が長谷部氏にはある。アクセンチュアならではの強みやカルチャーを知悉する森氏と、外側でキャリアを磨いてきた長谷部氏とがタッグ組むことで、新しいオポチュニティをもたらし、新たな転換点にしていく。そんな希望が今どんどん膨らんできているというわけだ。

「もちろん私も、何を期待されているのか、がわかった上で入ってきたつもりです。森さんからも『ウチをプラットフォームにして好きにやってくれ』と言われていますし、事業会社での経験も含め、私が得てきたものをアクセンチュアという面白いプラットフォームに乗せて、自由に行動していくことが期待に添うことにつながると考えています」（長谷部氏）

「『やりたいことをやれ。お客様が儲かって、ウチが儲かって、若い人材が育つのならば、自由にやっていい』というのが、昔からのアクセンチュアの流儀。長谷部さんは他ファームに長くいた人ですが、ある意味、このアクセンチュアの価値観と近い発想でやってこられたかたでもあると思うので、暴れてほしいんですよ（笑）」（森氏）

「最初にも言いましたが、アクセンチュアには"形にできる実行力"が幅広く備わっていますから、それを上手く活用できれば、多様なお客様にたくさんの価値を持って行くことができます。何度も転職をした私は、もともと飽きっぽい性分なのですが、アクセンチュアならば、当分の間、飽きることなく楽しくやれそうです」（長谷部氏）

一方、森氏によれば、今回の長谷部氏の参画だけでなく、近年のアクセンチュアには、多くの実力あるシニア層がどんどんジョインしているのだという。

「デジタルトランスフォーメーションのみならず、この数年の間に目に見えて他と違う成果をアクセンチュアは達成してきました。長谷部さんがそうだったように『ここでなら面白いことができそうだ』と思ってもらえるようになったことで、多才なかたが集まって、もとからいたメンバーもわくわくしているところです」（森氏）

「私が知る限りでも、各インダストリーやファンクションで飛び抜けた成果を出してきたかたがたが参画していますよね。それによって、さらに面白いことができそうな可能性が広がって、実力ある人材の目にとまるようになっている気がします」（長谷部氏）

金融というものが、その専門性の高さゆえに専任事業者にだけ限定されていた時代は過去のものとなりつつある。先進テクノロジーとのかけ算から創出されるフィンテックやインシュアテック、エルダーテックといったムーブメントは非金融企業のビジネスチャンスとしても注目されている。だからこそ、これと向き合うコンサルティング側は、メンバーやリーダーの幅広さ、奥深さ、層の厚さが問われるわけだが、アクセンチュア全体を見ても、FSチームに焦点を当てても、良い相乗効果によって組織が充実し始め、新たな転換点を迎えようとしているようだ。

専門性の持ち主はもちろん歓迎するが、最優先のポイントは感度の高い人材。
単に賢いだけでなく、世の中を面白がれる資質の持ち主に期待している

最後に、求めている人材像について聞いてみよう。森氏によれば、「これからの3年間で少なくとも現状の2倍」にまで組織規模の拡大を目指していくという。では、その担い手となる人材像とはいかなるものなのか。

「若い年代について言えば、金融についての専門知識の有無以上に、感度の高さを重視したいと考えています。新たなビジネスや価値の創造につながるような取り組みが増えていることもあり、『世の中で何が起きているのか』『それがビジネスの世界にどう作用するのか』という部分に興味を持てる人が活躍する時代だと思いますし、成長も手に入れられるはず。アクセンチュアには、様々な領域で最先端を突っ走っている者が多数いますから、彼らとのコラボレーションによって、他では実現不能なチャンスの追求もしていける。そうした環境を面白がり、喜んでくれる人にぜひ参画してほしいと思っています。一方、ある程度の経験や実績をコンサルタントとして積んできたかたについては、旧来型のコンサルティングに限界や閉塞感を覚えているようなかたに参画してほしいですね」（森氏）

「そこは強く共感します。せっかく他ではできないことができるアクセンチュアなのだから、それを面白いと感じる人と一緒にやっていきたい。若い人について言えば、少々生意気に思われるくらいはっきりとものを言う人が私も好きだし、どうやらアクセンチュアの"Think straight, talk straight"と表されるカルチャーにもフィットするようなので（笑）、そういう人たちに入ってきてもらい、どんどん私たちを突き上げてほしい。そう思っています」（長谷部氏）

この企業へのインタビュー一覧

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  アクセンチュア
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