はじめに
近年のコンサルティング業界では、10年以上の長期就業か、3年以内の短期転職という二極化が見られ、ワークライフバランスを重視する転職が増えています。
皆さんもご存知の通り、ワークライフバランスはワークとライフの2つの構成要素で成り立ちます。そして、コンサルティング業界でもワーク重視派とライフ重視派がいます。長い期間コンサルタントとして活躍しつづけるには、より質の高いワークとライフの調和が必要です。
今回は、今までのコンサルティングファーム転職情報から、コンサルタントのライフプランに関する記事をピックアップしてご紹介します。
給与水準について
コンサルティングファームの給与水準は役職に応じて異なり、アナリストからパートナーまでの年収幅が示されています。
給与は個人のパフォーマンスによって変動し、ボーナスはプロジェクトへの貢献度を基準に評価されます。コンサルタントの給料は高く、中途採用者にも期待されますが、キャリア選択には給与だけでなく、モチベーションやキャリア目標も重要です。コンサルティングファームの給与水準については、次の記事で詳しくご説明しています。
退職金について
コンサルティングファームの退職金制度は、通常の企業とは異なり、途中退職を前提として設計されています。
一般的な制度では、毎年の年収の一定割合が退職金積み立てとして貯められ、途中退職の場合でも一定の退職金が支給されます。具体的な金額はファームによって異なりますが、例えば、年収の15%が積み立てられ、数年の勤務であれば500万円近い退職金を受け取れることがあります。コンサルティングファームの年収と退職金については、次の記事で詳しくご説明しています。
福利厚生について
コンサルティングファームというと成果主義を重視し、アップオアアウトの制度があるため、福利厚生が不十分なイメージがありますが、近年、改善が進んでおり、特に健康・医療関連と育児・介護支援に力を入れています。
コンサルティングファームの福利厚生については、次の記事で詳しくご説明しています。
平均勤続年数について
一方で、平均勤続年数については、外資系の戦略ファームでは3~4年、他のファームではそれ以上が一般的です。しかし、平均勤続年数そのものはコンサルタントの実力やキャリアに直結せず、実際に辞めるタイミングは多様なので、平均勤続年数は転職判断にあまり関係がないと考えるコンサルタントも多いのが特徴です。
コンサルタントへの転職を検討する際には、自身のキャリア目標や昇進基準に焦点を当てるべきであり、平均勤続年数だけでなく、コンサルタントの実際の状況や背後にある理由を考慮すべきです。
海外勤務
コンサルティングファームでの海外勤務の主なケースは、国内プロジェクトで海外進出をサポートする場合、エキスパートとして海外プロジェクトに参加する場合、海外のオフィスに移動する場合の3つがあります。
海外勤務の魅力は、挑戦的な仕事であり、異なるカルチャーやビジネス環境で成長する機会があること、国際的なつながりを築き、長期的なキャリア形成に寄与できることです。コンサルティングファームの海外勤務は、海外でのビジネス経験や人脈の構築に貢献し、将来のキャリアに有利です。
したがって、挑戦の機会があれば積極的に利用することをお勧めします。ただし、海外勤務の割合や制度はファームによって異なるため、詳細は面接などで確認することが重要です。
コンサルティングファームでの海外勤務については、次の記事で詳しくご説明しています。
働き方改革について
コンサルティングファームでは働き方改革が過渡期にあります。現在、残業代のために残業する状況は少なく、労働時間を短縮して生産性向上に注力しています。
しかし、長時間労働に耐える必要が減少していることから、将来的に業界全体としての粘り強さや底力の不足が懸念されます。
この変化により、コンサルティング内容もオーダーメイドから画一的なサービスへと進化するでしょう。クライアントもサービスの選択アプローチが変わり、ファーム内のマネジメントの仕組みも調整される可能性があります。働き方改革は必要ですが、コンサルティング業界では特に他業界とは異なる独特の影響を与えており、将来のキャリア選択には検討が必要です。業界は変革の途中にあることを十分に考えたうえでの転職が賢明だと思います。
コンサルティングファームにおける働き方改革については、次の記事で詳しくご説明しています。
最後に
コンサルタントとして働く中で、ライフプラン策定は重要な決断です。
この業界では、給与水準、退職金、福利厚生、平均勤続年数、海外勤務、そして働き方改革など、多くの要素が考慮すべきポイントです。
各コンサルティングファームは固有の特徴と文化を持っており、自身のライフスタイルやキャリア目標に合った選択をすることが不可欠です。
この記事が、コンサルタントとしての未来を考える際の貴重な情報源となることを願っています。自身のライフプランを練る際に、これらの要点をしっかりと考慮してください。