武田薬品工業<4502>、アイルランドの製薬大手シャイアーを6兆8000億円で買収合意
武田薬品工業はアイルランドの製薬大手、シャイアーを総額460億ポンド(約6兆8000億円)で買収することで合意した。日本企業のM&Aとしてはソフトバンクグループが2016年に英半導体設計アームを3兆3000億円で買収したのを上回る過去最高金額。両社の売上高の合計は約3兆円となり、世界の製薬業界の10位以内に入る。買収は2019年1月―6月に完了させる予定で、買収完了時に武田薬品株式の50%をシャイアーの株主が取得することなる。
シャイアーは血液や免疫に関する希少疾患と血漿分画製剤の分野で強みを持ち、最大市場の米国をはじめ世界で販売している。直近売上高は1兆6500億円。
武田薬品はシャイアーの全株式を取得し、シャイアー株主に対して対価として武田薬品株式の第三者割り当てを行うと同時に現金を交付する。
リクルートホールディングス<6098>、求人口コミサイトの米グラスドアを1285億円で買収
リクルートホールディングスは、求人口コミサイトを運営する米グラスドア(カリフォルニア州)の全株式を取得し子会社化すると発表した。買収目的子会社(デラウェア州)を通じて12億ドル(約1285億円)を投じる。
グラスドアは2007年設立で、求人企業の口コミや給与情報に関するオンラインデータベースを求職者に提供する世界的企業。世界190カ国以上で投稿される77万社を超える企業の口コミ情報が掲載され、北米を中心に月間5900万人が利用している。2018年3月期の業績は売上高185億円、営業利益△24億円、純資産41億円。
リクルートは2012年、求人検索サイトの米インディードを約1000億円で買収し、子会社化した。グラスドアとインディードの連携を通じて、求人・求職市場での新たな事業機会の創出を目指す。
株式取得は2018年7~9月に完了させる予定で、全額をリクルートが保有する現預金で充当するとしている。
イチネンホールディングス<9619>、経営再建中のトヨシマの事業を吸収分割で承継
イチネンホールディングスは、経営再建中の各種自動車部品メーカー、トヨシマ(大阪府池田市。売上高49億9000万円、当期純利益△4億8900万円、純資産25億円)の事業を承継すると発表した。
イチネンホールディングスが100%出資して設立する新会社「トヨシマ分割準備」(大阪府池田市。資本金5000万円)が今後の事業展開に必要な資産・負債と事業継続にかかる権利義務のすべてを吸収分割により承継する。トヨシマは1936年設立で、フォークリフト用フォークや自動車部品の製造を主力とする。しかし、米国ばね事業の買収や兵庫県内にある工場の浸水被害復旧に伴う借入金の増大に加え、リーマンショック以降の国内フォークリフト市場の縮小などで収益環境が悪化し、事業継続のためには抜本的な財務状況の改善が不可欠となっていた。
トヨシマに対しては地域経済活性化支援機構が5月8日付で再生支援を決定した。イチケンホールディングスはトヨシマの主力銀行である池田泉州銀行とともに事業再生スポンサーとして名乗りを上げていた。
分割にかかる割り当て内容などは非公表。
吸収分割による事業承継予定日は2018年8月1日。
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