パイオニア<6773>、上場廃止へ アジア系ファンドが買収
経営再建中のパイオニアは、アジア系投資ファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアの傘下に入ると発表した。ベアリングが総額1020億円を投じて買収する。パイオニアはベアリングの完全子会社となり、上場廃止になる。外資ファンドの傘下で再生を目指す。
パイオニアが2019年1月25日に開く臨時株主総会で正式に決める。ベアリングは第三者割当増資と債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ、DES)で770億円を出資。既存株主からも約250億円で株式を買い取る。買い取り額は1株あたり66.1円と7日終値(88円)よりも25%安い。
18年3月末時点で連結で約1万7000人いる従業員のうち約15%の人員を削減する。経営陣も刷新する。森谷浩一社長と社外取締役2名を除く現在の取締役は辞任し、ベアリングから取締役を招く。パイオニアは9月にベアリングの支援を仰ぐことで基本合意していたが、出資には至っていなかった。
パイオニアが手がけるカーナビゲーションシステムなど車載機器の事業環境は厳しい。スマートフォン(スマホ)の普及でパイオニアにとっての稼ぎ頭である「市販品」は需要が縮小し、単価の下落にも直面している。
自動車メーカー向けのカーナビの開発費の負担も増え、18年4~9月期連結決算は99億円の最終赤字だった。前年同期に比べ赤字幅が72億円拡大した。
主力事業のカーエレ事業は19年3月期に55億円の営業赤字となると見込む。連結全体でも50億円の営業赤字の見通しとなるなど経営危機を招いていた。
WDBホールディングス<2475>、魚介類養殖のWDB環境バイオ研究所を譲渡
WDBホールディングスは、魚介類の養殖を手がける子会社WDB環境バイオ研究所(徳島県美波町。売上高1億4600万円、営業利益△335万円、純資産1億6600万円)の全株式を譲渡することを決議した。譲渡相手は明らかにしていない。
グループ内の事業の選択と集中の結果、環境バイオ研究所(2010年設立)をノンコア(非中核)事業と位置づけた。譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2018年12月27日。
日宣<6543>、広告業の日産社を子会社化
日宣は総合広告業の日産社(東京都千代田区。売上高3億6400万円)を子会社化した。旧・日産社(東京都中央区。純資産△2億4900万円)が全事業を移管するため会社分割により新設した新・日産社の全株式を取得し、傘下に収めた。
日産社は1968年設立で、B-B(企業間)分野を中心に顧客基盤を築いてきた。マスメディアだけでなく、イベントなどリアルな顧客接点での広告コミュニケーションにも豊富な実績を持つ。日宣は同社を傘下に取り込むことで、グループとしての成長と収益拡大を目指す。
取得価額は非公表。取得日は2018年12月3日。
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