米ベインキャピタル、印刷業の廣済堂<7868>をMBOで非公開化
米投資ファンドのベインキャピタルは17日、印刷事業を手がける廣済堂(東証1部)に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。土井常由社長らの要請に基づくMBO(経営陣による買収)の一環として行われる。
印刷事業の経営環境は紙媒体から電子媒体への移行などに伴う需要減少や競争激化による受注採算の悪化が急速に進んでいる。こうした中、事業構造改革を迅速に実行していくためには短期的に利益水準の悪化などを招く可能性があり、株式の非公開化が得策と判断した。
買付価格は1株610円。TOB公表前日の終値に対して43.87%のプレミアムを加えた。買付予定数は2491万3439株で、買付総額は152億円。買付期間は2019年1月18日~3月1日。買い付け主体はベインキャピタル傘下のBCJ-34(東京都千代田区)。
廣済堂は1949年に櫻井謄写堂として創業したのが始まり。1970年には日本初のコンピューター文字組版システムを導入するなどデジタル情報加工技術に強みを持つ。印刷事業のほか、人材事業、葬祭事業を主力事業とする。
ジーンテクノサイエンス<4584>、再生医療事業のセルテクノロジーを子会社化
ジーンテクノサイエンスは、再生医療事業を手がけるセルテクノロジー(東京都中央区。売上高1億7800万円、営業利益△4600万円、純資産1億6900万円)を株式交換により、完全子会社化することを決議した。
ジーンテクノはノーリツ鋼機の創薬事業子会社で、もともとは北大発創薬ベンチャー。2012年に東証マザーズ市場に上場した。バイオ医薬品と再生医療分野における医薬品開発を手がけ、国内第1号のバイオシミラー(バイオ医薬品における後続品)を販売した実績を持つ。
一方、セルテクノロジーは歯の内部に存在する歯髄と呼ばれる細胞を用いた幹細胞の製造技術を確立。現在、全国約2200の歯科クリニックと連携し国内初となる歯髄幹細胞保管事業を運営するほか、歯髄幹細胞を利用した再生医療の実用化に取り組んでいる。ジーンテクノは同社を傘下に取り込むことで、幹細胞を用いた再生医療領域での事業拡大を目指す。
株式交換比率はジーンテクノ1:セルテクノロジー1.30(普通株式)、1.48(A種優先株式)。実行日は2019年4月1日。
日立ハイテクノロジーズ<8036>、米国の電子源製造会社Applied Physics Technologies社を買収
日立ハイテクノロジーズは、Applied Physics Technologies Inc.(米国オレゴン州、APTech社)の発行済全株式を取得した。
APTech社は、電子顕微鏡などに使用される電子源を開発・製造・販売している。医療装置用や分析装置用のX線管や、金属加工用途など幅広い分野で活用されている。
本件M&Aにより、日立ハイテクノロジーズは、先端産業分野における専門商社として培ってきたグローバルな販売網と営業力でAPTech社の製品拡販を推進するとともに、電子源関連技術の研究開発に取り組む。
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