日本電産<6594>、オムロン傘下の車載電装部品メーカーのオムロンオートモーティブエレクトロニクスを約1000億円で買収
日本電産は、オムロン子会社で自動車向け車載電装部品メーカーのオムロンオートモーティブエレクトロニクス(OAE、愛知県小牧市。売上高363億円、経常利益10億9000万円、純資産264億円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に代表される自動車業界の技術革新やビジネスモデルの変革への対応力を強化する狙い。取得価額は約1000億円。買収完了は2019年10月をめどとしている。
OAEは1983年にオムロンの車載電装事業部として発足し、世界初の赤外線式キーレスエントリーや電動式パワーステアリングなどを開発してきた。2010年にオムロンの全額出資子会社として分社・独立し、現在はボディーシステム、モーター制御、アクティブセーフティー、電源制御の4事業を中核とする。
日本電産は自社グループのモーターやポンプ、ギア製品などとOAEが培ってきたECU(電子制御ユニット)をはじめ各種エレクトロニクス製品を組み合わせ、新たなモジュー。ル・システム製品の開発につなげる。両社はもともとADAS(先進運転支援システム)領域で補完関係にあり、それぞれの製品を足し合わせることで将来の自動運転のためのセンサー群の品ぞろえがほぼそろう形となる。
日本電産が1000億円超の買収を手がけるのは3件目。米電機大手エマソン・エレクトリックのモーター・発電機事業(2017年、約1200億円)、米家電大手ワールプールの冷蔵庫用コンプレッサー事業(2018年、約1170億円。ただし買収完了前)に次ぐ。
日本ペイントHD<4612>、豪州の塗料最大手デュラックスを3005億円で買収
日本ペイントホールディングスは17日、豪州の塗料メーカー最大手、デュラックスグループを買収すると発表した。3005億円(37億5600万豪州ドル)を投じて全株を取得し、完全子会社化する。デュラックスは豪州とニュージーランドの塗料市場でシェア首位で、豪証券取引所に上場する。同社株主総会や裁判所など関係当局の承認を経て8月中旬をめどに買収完了を目指す。
デュラックスの2018年9月期の業績は売上高約1480億円、営業利益約180億円、当期利益約120億円。塗料事業のほか、DIY(日曜大工)用品を手がける。なかでも建築用塗料では「Dulux」「Cabot」という知名度の高いブランドを持ち、業績を牽引している。日本ペイントHDは同社を取り込むことで、世界的に需要規模が大きく、成長余地の大きい建築用塗料の事業基盤を強化する。豪とニュージーランドの塗料市場は先進国でありながら、今後も安定成長が見込まれるという。
日本ペイントHDは成長市場のアジアを主軸にグローバル展開を加速し、売上高全体の約6割を中国・アジアで占める。最終年度に売上高7500億円を目指す中期経営計画(2018年12月期~20年12月期)では豪を含むアジアでの「圧倒的ポジションの確立」を掲げる。
デュラックスの買収資金については金融機関からの借り入れで賄う予定。
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