ホンダ<7267>、ケーヒン・ショーワ・日信工業の系列車部品メーカー3社をTOBで完全子会社化へ、日立の部品子会社との合併に向け
日立製作所とホンダは30日、それぞれの傘下の自動車部品メーカー4社を合併させると発表した。ホンダが筆頭株主となっているケーヒン、ショーワ、日信工業の3社にTOB(株式公開買い付け)を実施して完全子会社化する。そのうえで、日立の全額出資子会社である日立オートモティブシステムズ(茨城県ひたちなか市)が3社を吸収合併する。4社統合により、自動運転や電気自動車など次世代技術「CASE」分野での国際的な競争強化を目指す。
合併後の統合会社への出資比率は日立66.6%、ホンダ33.4%となる。統合会社の売上規模は約1兆8000億円となり、トヨタ自動車系のデンソー、アイシン精機に次ぐ国内第3位の自動車部品メーカーに躍進する。合併時期は現時点で未定。
合併に先立つ、ホンダによる系列3社に対するTOB内容は次の通り。▽ケーヒン=買付価格2600円(TOB公表前日の終値1898円に36.99%のプレミアム)、買付代金1127億7967万円)▽ショーワ=買付価格2300円(同1806円に27.35%のプレミアム)、買付代金1161億9083万円▽日信工業=買付価格2250円(同1793円に25.49%のプレミアム)、買付代金953億円5342万円。
TOBの開始日や買付期間は未定。
アイシン精機<7259>、変速機子会社のアイシンAWを2021年4月に統合へ
アイシン精機は31日、変速機の製造を主力とする子会社のアイシン・エィ・ダブリュ(AW、愛知県安城市)と経営統合することで基本合意したと発表した。グループの中核2社が結集し、自動運転や電気自動車などに代表される「CASE」分野での競争力強化を目指す。アイシンAWはトヨタ自動車が保有する自社株式のすべてを2020年4月に自己取得する。そのうえで1年後の2021年4月にアイシン精機が同社を吸収合併する予定。
アイシンAWの株式はアイシン精機などグループが約6割、トヨタが約4割を保有する。トヨタは今回の両社の経営統合に賛同し、アイシンAWの株式譲渡で合意している。アイシンAWの2019年3月期の売上高は1兆6758億円。
日立キャピタル<8586>、モビリティーサービスのベルギーMobileaseを子会社化
日立キャピタルは、自動運転やカーシェアリング(共有)などに関するモビリティ-(移動手段)サービスを展開するベルギーMobilease Belgium NV(ワレヘム)の全株式を取得し子会社した。欧州で急速に市場拡大するMaas(サービスとしての移動手段)事業の強化が狙い。取得価額は非公表。取得日は2019年10月30日。
欧州で法人、個人とも車両を保有せず、リースやカーシェアリングなどのサービスを利用するケースが増えている。Mobileaseは2016年に設立し、地域の中小企業や個人向けの車両管理を含むフルオペレーティングリースを提供。さらに、公共交通機関、カーシェアなど移動のプランニングとその一元管理・支払いができるサービス「Mobi360」などを手がける。
塩野義製薬<4507>、バイオ医薬品メーカーのUMNファーマをTOBで子会社化
塩野義製薬は30日、バイオ医薬品メーカーのUMNファーマ(マザーズ上場)に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。塩野義は2017年10月にヒト用感染症予防ワクチンなどの共同開発に向けて、UMNファーマと資本・業務提携し、現在31.08%の株式を所有する。従来の関係をさらに発展させ、同社を傘下に取り込み、ワクチン事業参入に必要な創薬基盤の獲得を目指す。
買付価格は1株あたり540円。TOB公表前日の終値368円に46.74%のプレミアムを加えた。買付期間は10月31日~12月12日。買付代金は最大66億5325万円。買付予定数の下限は所有割合で35.72%。決済開始日は12月19日。
カルビー<2229>、スナック菓子メーカーの米ウォーナック・フード・プロダクツを子会社化
カルビーは29日、米国のスナック菓子メーカー、ウォーナック・フード・プロダクツ(カリフォルニア州。売上高45億円)の株式80%を取得し子会社化したと発表した。世界最大のスナック菓子市場である米国での事業を拡大する。取得日は25日付。取得金額は非公表。
ウォーナックは1986年に創業し、ポテトチップス、トルティーヤ、パフスナックなど各種スナック菓子の受託製造を手がける。カルビーは米国で2006年から現地子会社を通じて豆系スナック「Harvest Snaps」を中心にスナック菓子を製造・販売している。ウォーナックを傘下に取り込み、商品群を充実させる。
大日本住友製薬<4506>、欧州創薬ベンチャー「ロイバント」の新薬開発子会社5社を買収
大日本住友製薬は31日、欧州の創薬ベンチャーであるロイバント・サイエンシズと戦略提携に関する正式契約を締結したと発表した。ロイバント本体に10%出資するとともに、同社の新薬開発子会社5社を買収する。投資総額は30億ドル(約3300億円)で、内訳はロイバントへの出資が約1100億円、子会社5社の全株式取得が約2200億円。2019年度中の買収完了を目指す。
ロイバントは2014年に設立し、英ロンドンとスイス・バーゼルに本社を置く。大日本住友が今回ロイバントから買収するのは「婦人科・前立腺がん」「泌尿器」「小児希少疾患」「呼吸器系希少疾患」「嚢胞性線維症遺伝子治療」の新薬開発を手がける傘下5社。
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