M&Aニュース（2018年 1/8〜1/14）

NEC＜6701＞、英国のITサービス企業を700億円で買収

NEC＜6701＞は英ITサービス企業のノースゲート・パブリック・サービシーズ（ハードフォートシャー州）を4億7500万ポンド（約713億円）で買収すると発表した。ノースゲートの全株式を英投資ファンドから取得するもので、2018年1月末に買収を完了する予定。
1969年設立のノースゲートは英国を中心に公共向けのソフトウエア事業やサービス事業を展開し、全警察や中央政府、95％の地方政府と取引があるなど、警察業務や税徴収・社会保障給付、公営住宅管理の分野で強化な顧客基盤を持つ。NECは顔認証、指紋認証などの生体認証技術を得意としており、ノースゲートとの連携によって海外でのセーフティー（防犯）事業拡大を加速させる。同国はテロが頻発し防犯意識が高い。NECは顔認証を複数の現地警察に納入しており、実際に容疑者の逮捕につなげるなど実績を重ねている。
NECはセーフティー事業を成長戦略の柱の一つに位置づけている。

日立＜6501＞、米ビジスター社を買収し、画像診断分野を強化

日立製作所＜6501＞は、医療画像に関する診断リポート作成やデータ分析を支援する米国のビジスター（サウスカロライナ州）を買収すると発表した。買収金額は非公表だが、10億円程度とみられている。
ビジスターは2005年設立で、従業員は25人。医師自身がカスタマイズ可能な診断レポート作成機能、クラウド上でのデータ保管機能など画像診断の業務改善に寄与する製品・サービスを提供し、特に超音波診断装置が導入された循環器科、産婦人科で使われている。日立は自社の超音波画像診断装置と組み合わせ、読撮後のレポート作成など医師の業務負担軽減につなげる。

テクノプロ・ホールディングス＜6028＞、IT関連のプロビズモを買収

技術系人材派遣サービスのテクノプロ・ホールディングス＜6028＞は子会社を通じて、アプリケーション開発やITコンサルティングを手がけるプロビズモ（島根県出雲市。売上高12億7000万円、営業利益1億2600万円、純資産6億4100万円）の全株式を取得し、孫会社化することを決議した。
2001年設立のプロビズモは約120人のエンジニアを抱え、東京、島根、鳥取、大阪を拠点にIT分野の請負受託事業を展開している。
株式取得価額は17億6500万円。
株式取得予定日は2018年1月31日。

資生堂＜4911＞、米オリボから人工皮膚形成技術事業を買収

資生堂＜4911＞は、米国オリボラボラトリーズ（マサチューセッツ州）が保有する人工皮膚形成技術「セカンドスキン」事業を買収したと発表した。同事業の買収金額は未公表。
同社の特許技術「セカンドスキン」はポリマーベースのクリーム上に専用乳液を重ねて塗ることで肌と一体化し、凹凸を補正する人工皮膚を肌に形成する。従来の化粧品や美容整形で不可能だったシワやたるみを瞬時に隠せるという。
今回の事業取得に伴い、「セカンドスキン」の研究開発チームは資生堂の米国地域本社（デラウエア州）に移籍する。
オリボ社は2015年、米マサチューセッツ工科大の皮膚科学の世界的権威であるロバート・ランガー博士らによって設立。資生堂は今後、成分の改良を進め、スキンケアや日焼け止めなどに商品化する計画。ランガー教授も商品化に協力する。アンチエイジング化粧品のニーズが高い日本や中国、米国などで段階的に展開する。

伊藤忠＜8001＞、米フェンス製造会社買収

伊藤忠商事＜8001＞は、米国で住宅事業を拡大する。米ワシントン州の木製フェンスの製造企業を買収する。買収額は300億円程度とみられる。米国では足元の住宅着工件数が堅調に推移している。個人住宅向けに強い住設メーカーを取り込むことで、住宅関連市場を開拓する。
買収するのは米ワシントン州にある木製フェンス製造の「アルタ　フォレスト　プロダクツLLC（アルタ）」で、米国内に4つの製造工場を持つ。アルタは米国内でしか取れない米杉を使用した高級木製フェンスを製造している。
アルタの2016年度の売上高は約250億円で、同フェンスでシェア8割を握る。米杉は水に強く、臭いも強いため虫が寄りつかず、米国内では人気が高いという。新築住宅や中古住宅のリフォーム時に使用されることが多い。
伊藤忠は非資源分野の拡大を続けており、17年度も最高益を計画する。米国のフェンス市場は約1兆円規模だが、大きなシェアを握っている企業はまだない。海外での非資源分野のさらなる拡大の足がかりとして、買収を機に堅調に市場が拡大している住宅分野を開拓したい考え。

クリレスHD＜3387＞、「イクスピアリ」の飲食事業を買収

クリエイト・レストランツ・ホールディングス＜3387＞は、オリエンタルランドの全額出資子会社で、商業施設を運営するイクスピアリ（千葉県浦安市）から飲食事業を買収する。同社が手掛ける東京ディズニーリゾート内の飲食店は今後も国内外からの集客増を見込めると判断した。
イクスピアリは飲食のほか雑貨を販売する同名の店舗を東京ディズニーリゾート内で運営している。飲食は非中核事業の位置づけだった。2017年3月期の売上高は24億円。会社分割で新設する別会社にいったん飲食事業を移し、クリレスHDが新設会社の発行済み全株式を3月初旬にも買い取る。
買収額は非公表。
また、シンガポール料理店を展開するルートナインジーグループ（東京・港）にも出資し、連結子会社にする。
同社はシンガポール料理「海南鶏飯食堂」を2店舗持つ。クリレスHDは第三者割当増資を引き受け、51%の株式を取得する。17年8月期の売上高は約2億円。
ブランド力やエスニック料理の人気の高まりをみて、今後も収益が拡大すると見込んでいる。

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