JXTGホールディングス＜5020＞、金属粉メーカーの独HCSTaNbを買収へ
JXTGホールディングス<5020>は子会社のJX金属を通じて、金属粉の製造・販売を手がける独エイチ・シー・スタルク・タンタル・アンド・二オブ（HCSTaNb、連結売上高306億円、連結営業利益50億円、純資産160億円）の全株式を取得し子会社化することを決議した。
JX金属はIoT（モノのインターネット）社会の到来を見据えて電材加工製品群の強化に力を入れている。HCSTaNbはタンタル・二オブ製品（高純度金属粉）を主力とする。両社の技術力やマーケティング力を組み合わせ、既存事業でシナジー(相乗効果)を追求すると同時に、新規事業の拡大につなげる。
株式取得価額は非公表。
株式取得予定は2018年中。
東芝＜6502＞、東芝プラットフォームソリューションを投資ファンドに売却
東芝＜6502＞は100％子会社で組込みコンピューターの開発・製造などを手がける東芝プラットフォームソリューション（千葉市。資本金4億9900万円）の全株式を投資ファンドのアスパラントグループ（東京都港区）に売却したと発表した。売却価額は非公表。2018年3月期決算の連結税引き前損益ベースで約13億円の売却益を計上する。
東芝は社会インフラ事業を中核に経営再建に取り組んでおり、非中核事業は売却を進めている。
太陽誘電＜6976＞、コンデンサー製造のエルナー＜6972＞を4月に子会社化
太陽誘電＜6976＞は、コンデンサーの製造を主力とするエルナー＜6972＞を4月に子会社化することを決議した。エルナーが実施する第三者割当増資を引き受けて、現在22.32％の議決権割合を63.78％に引き上げる。株式取得金額は50億円。
太陽誘電とエルナーは2014年に資本業務提携し、車載関連、産業機器や環境エネルギー分野で需要が高まっている電気二重層コンデンサー、リチウムイオンキャパシターの生産や資材調達などで協力関係を築いている。太陽誘電はこうした両社の連携をさらに発展させ、経営資源の相互活用によりグローバルな事業拡大につなげるため、子会社化に踏み切る。
新川＜6274＞、電子部品実装装置製造のパイオニアFAを子会社化
新川＜6274＞は、電子部品実装装置などを製造するパイオニアFA（埼玉県坂戸市。資本金3億5300万円）の全株式を取得し、連結子会社化することを決議した。
新川グループは、半導体メーカー及び電子部品メーカー向け半導体製造装置の開発・製造・販売を主な事業とし、関連する保守サービスを展開している。
パイオニアFAはパイオニアの100％子会社として1995年に設立し、スマートフォンや自動車に使われる電子部品の実装機や検査装置を主力とする。2017年3月期の売上高は39億8000万円。
本件M&Aにより、新川グループは、パイオニアFAが持つ高い技術力と柔軟性、生産ラインでのトータルソリューション提供力と、グループが持つ半導体ボンディング分野での高速・高精度の実装技術力を共に活用することにより半導体ボンディングの前後の工程を一貫したソリューションとして提供することや、電子部品分野の実装技術の競争力の更なる向上を図る。また、顧客基盤や生産能力等の経営資源についても相互に活用し、シナジーを創出することで持続的な事業の発展と、グループの企業価値の向上を図る。
株式取得価額は21億円。
株式取得予定日は2018年6月1日。
ワッツ<2735>、小型ディスカウントショップのリアルを子会社化
ワッツ<2735>は、小型ディスカウントショップを運営するリアル（大阪府大東市。資本金5000万円）の全株式を取得し、子会社化すること決議した。
リアルは大阪府と広島県で「リアル」の屋号で4店舗を展開する。ワッツは100円ショップを運営を主力としており、リアルを取り込むことにより、収益源の多様化を目指す。
株式取得価額は非公表。
株式取得予定日は2018年4月2日。
レンゴー＜3941＞、凸版傘下の段ボール製造会社トッパンコンテナーを子会社化
レンゴー＜3941＞は、凸版印刷の100％子会社で段ボール製品を製造するトッパンコンテナー（東京都台東区。資本金10億円）の株式60％を約50億円で取得し、子会社化することを決議した。トッパンコンテナーが実施する第三者割当増資を引き受けるとともに、凸版印刷から保有株式の一部を取得する。
トッパンコンテナーは埼玉、栃木、宮城県の国内３カ所に段ボール工場を持ち、貼合生産実績は3工場合計で月間平均約1140万平方メートル。レンゴーは段ボール需要の伸びが著しい関東地区での供給能力の拡充が急務となっており、今後、トッパンコンテナー各工場における設備投資の実施を検討する。
株式取得は2018年7月上旬を予定。これに合わせ、「レンゴー・トッパンコンテナー」に社名を変更する。
帝人＜3401＞、補助人工心臓のベンチャー買収
帝人＜3401＞は、補助人工心臓を開発する医療機器ベンチャー、メドテックハート（東京・港、高谷節雄社長）を買収すると発表した。買収額は公表していないが、数億円程度とみられる。中程度の期間使用する製品を持つ同社の買収で医療機器事業のラインアップを広げる。日本では2024年以降の販売を目指す。
帝人はメドテックハートの株式の93.8%を取得する。買収の完了は3月30日の予定となっている。
メドテックハートは急性心筋梗塞などの患者が手術後などに心拍数が下がった際、1カ月ほど使用する人工心臓を開発している。国内には緊急時用に半日程度使用するタイプや1年以上の埋め込み型の人工心臓が多い。次の手術までの橋渡しの役目をする中程度の期間の人工心臓の需要が高まっている。
欧州で21年以降の承認取得と販売開始を目指す。
帝人は強みを持つ在宅医療分野以外の脳神経分野やリハビリ向けの新規事業を強化している。
TDK＜6762＞、超音波センサーの米ベンチャーを買収へ
TDK＜6762＞は、小型・高精度の超音波センサーを開発する米国ベンチャー、チャープ・マイクロシステムズを買収すると発表した。買収金額は数十億円規模とみられる。チャープは自動車や仮想現実（VR）、拡張現実（AR）機器、産業機器などに超音波センサーを提供している。買収によってTDKはセンサー事業を拡大し、新たな顧客ニーズの獲得を図る。
チャープの超音波センサーは数センチ～数メートルの距離にある物体を検知でき、自動運転の障害物検知や、VRやARの空間把握などに利用できる。小型で消費電力も小さいといった特徴があり、幅広い製品に搭載できる。
TDKはこれまで超音波センサーを利用した指紋認証技術などを開発している。チャープの技術を取り込むことで、TDKは超音波センサーの製品群の拡充や、新たな用途の開拓を目指す。
新日鉄住金＜5401＞とミタル、印鉄鋼大手を共同買収へ
新日鉄住金＜5401＞は、鉄鋼世界最大手のアルセロール・ミタルと共同で、インドのエッサール・スチ－ルを共同買収すると発表した。同日付でミタルと買収に向けた基本的な条件で合意し、契約を交わした。中長期的に大きな成長が見込めるインドの鉄鋼需要を取り込むため、ミタルとの合弁事業に踏み込む。
エッサールは現在、インドの倒産・破産法の下で経営再建の手続きに入っている。生産能力の増強へ積極投資したのが裏目に出て、2017年3月期までの7年間に6回の最終赤字を計上し多額の負債を抱えていた。インド西海岸グジャラート州にある製鉄所が主要拠点で、公称生産能力は1000万トン。
日生、米系生保マスミューチュアル買収
日本生命保険は中堅のマスミューチュアル生命保険を買収すると発表した。買収額は1000億～2000億円で、2018年度中にも株式の過半を取得する。国内大手生保の再編は15年に日本生命が三井生命保険を買収して以来で、再び国内で再編機運が高まる可能性がある。
マスミューチュアルは米マスミューチュアル・フィナンシャル・グループの日本法人。保険商品の銀行窓口での販売解禁を受け、04年から窓販に特化した専門生保会社として成長してきた。
日本生命はマスミューチュアルを傘下に収め、窓販を強化する狙いがある。営業職員の高齢化が進むなか、窓販に強みを持つ会社の買収で収益力を底上げする。
日本生命は20年度までの中期経営計画の中で、17年度上半期に245億円だったグループ会社から得る純利益を700億円にする計画を掲げている。今年度はマスミューチュアルの買収に加え、米資産運用大手のTCWにも出資した。
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