出光興産<5019>と昭和シェル石油<5002>、2019年4月に経営統合
出光興産と昭和シェル石油は2019年4月1日に経営統合することを決定したと発表した。出光が昭和シェルの発行済み株式のすべてを株式交換によって取得し完全子会社化する。株式交換比率は10月に決める予定。その後、12月に両社が統合承認のための臨時株主総会を開く。昭和シェルは2019年3月29日に上場廃止の予定。
石油元売り2位の出光と同4位の昭和シェルの両社は2015年7月に経営統合に向けた協議開始で基本合意。この間、出光の創業家が両社の企業文化の違いなどを理由に統合に反対したことから統合計画は宙に浮く形なっていたが、今回、創業家が統合に賛同の姿勢に転じた。
昭和シェルを完全子会社化する出光興産の社名は統合後も変わらない。グループの呼称(トレードネーム)は「出光昭和シェル」を用いる。
ヤフー<4689>、料理動画レシピサービス「クラシル」のdelyを子会社化
ヤフーは、料理動画レシピサービス「kurashiru(クラシル)」を提供するdely(東京都品川区。売上高700万円、営業利益△3000万円、純資産1300万円)を子会社化することを決めた。ヤフー傘下のYJ2号投資事業組合を通じてすでにdely株式の15.9%を所有するが、今回、株式を追加取得して所有割合を45.6%に高める。併せてdelyに取締役の過半数を派遣して連結子会社化(実質支配基準)する。取得価額は約93億円。取得予定日は2018年7月18日。
両社は食やレシピの領域で戦略的パートナーシップを築くことで合意した。具体的には、ヤフーのメディア・コマース関連サービスのユーザーがkurashiruのコンテンツを使いやすい取り組みを進め、delyの収益強化の実現を目指す。
ACCESS<4813>、カナダのソフト開発Northforge Innovationsを子会社化
ACCESSは米国子会社のIP Infusion(IPI。カリフォルニア州)を通じて、カナダのソフト開発会社Northforge Innovations(ケベック州。売上高9億円、純資産2億6100万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。
IPIは2006年3月の子会社化以来、組込み機器向けネットワークOS「ZebOS」の開発・提供を軸に展開している。Northforgeはネットワークインフラ・セキュリティー分野で高度なソフト開発力を持ち、IPIは開発の外部委託先として同社と取引関係にある。
取得価額は11億円(別途、今後3年間の業績達成度に応じて追加で最大7億7600万円を現金で支払う)。取得予定日は2018年8月1日。
KDDI<9433>とデータセクション<3905>、資本業務提携
KDDI9433は、データセクション3905との間で、資本業務提携を行うことを決定した。
データセクション筆頭株主の澤博史氏が売主となり、KDDIが買主となるデータセクション普通株式の市場外での相対取引による譲渡について合意が見込まれ、KDDIはデータセクションの発行済株式の17.78%を取得する。
KDDIは、AI技術・ビッグデータ・IoTを活用したソリューションの構築を進めている。データ分析に関する子会社・株式会社ARISE analytics(東京都渋谷区)を設立するなど、データ分析領域に関するアセットの強化を行っている。
データセクションは、データの解析事業を中心に展開しており、AI画像解析やソーシャルメディア分析を手掛けている。また、これらのAI技術に関する知見を活かし、効率的かつ短期間でAI開発を可能にするプラットフォーム「MLFlow」の開発を行っている。
本提携により、KDDI及びデータセクションは、「MLFlow」を活用した高度な画像分析ソリューションや、さまざまなレピュテーションリスクが判定可能なSNS分析ソリューションなどを活用し、共同ソリューションの開発を進める。
株式取得日は2018年7月13日。
大塚HD<4578>、米バイオベンチャーを買収 腎臓病薬を強化
大塚HDは、米バイオベンチャーのビステラ(マサチューセッツ州)を買収すると発表した。買収額は約480億円。腎領域の開発品目を強化するほか、抗体医薬品を効率よく生み出す技術を生かして創薬の基盤を底上げする。
9月までに100%子会社化する。同社の社員数は約50人で、たんぱく質や抗体を組み合わせるのに最適な立体構造をコンピューターを使って見つけ出す技術を持つ。これにより、従来難しかった部位などに向けた抗体医薬品を開発できる可能性がある。
同社の技術で生まれた腎臓の難病の治療薬の開発品は、年内の臨床試験(治験)入りを目指している。他にすでに感染症で治験入りしている製品があるほか、がんや神経疾患などの分野での研究も進めている。
大塚HDの17年の腎領域の治療薬の売上高は前年比3割増の642億円と伸びており、今後の注力分野と位置付けている。4月にはタカラバイオと組み次世代がん遺伝子治療薬「CAR―T(カーティー)」に参入するなど成長領域を模索している。
安川電機<6506>、素材向け企業を子会社化
安川電機は、独シーメンスの日本法人と折半出資している安川シーメンス オートメーション・ドライブ(東京・品川)について完全子会社にすると発表した。安川とシーメンスは主に紙パルプやフィルムなど素材メーカーの生産ライン向けに両社製品を納入する目的で1999年に共同出資会社を立ち上げたが、一定の役割を終えたと判断した。今後も協業関係は続ける。
安川電機はシーメンス側の持ち株を譲受し、完全子会社を「安川オートメーション・ドライブ」に社名変更する。完全子会社化により2019年2月期に約20億円、20年2月期に60億円程度の増収効果を見込む。営業利益では今期がトントン、来期が6億円程度の寄与になりそう。
今後はグループで注力している、工場内の様々な稼働データを人工知能(AI)などで品質改善や故障予知に生かす生産支援サービス「アイキューブ メカトロニクス」を素材メーカーにも売り込んでいく方針。
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