マクセルHD<6810>、政投銀と共同で家電機器製造の泉精器製作所を子会社化
マクセルホールディングスは家電製品の泉精器製作所(長野市松本市。売上高142億円、営業利益12億5000万円、純資産71億9000万円)を子会社化することを決議した。日本政策投資銀行と共同出資によるマクセル特別目的会社(中間持ち株会社)が泉精器株式の100%を取得する。マクセルHDの中間持ち株会社に対する出資比率は40%だが、政投銀との契約に基づきマクセルHDが実質的に支配権を持ち、連結子会社とする。
泉精器は電気工事に使われる電設工具、理美容機器や調理家電などを主力としている。マクセルHDはIoT(モノのインターネット)化が進展する電設工具事業に参入するとともに、リチウムイオン電池や電池電源、充電器といった自社事業との連携を通じて住生活・インフラ市場での事業拡大を目指す。健康・理美容市場での事業促進にもつなげる。
中間持ち株会社による泉精器株式の取得価額は182億円。取得予定日は2018年10月1日。
JT<2914>、バングラデシュ2位のたばこ事業を1645億円で買収
日本たばこ産業(JT)はバングラデシュ第2位のたばこ会社であるAkij Group(アキジ・グループ)のたばこ事業を買収すると発表した。取得額は1645億円(1243億バングラデシュタカ)。アキジ・グループがたばこ事業を移管するために設立したUDTC社の全株式を取得する。
バングラデシュは紙巻たばこの総需要850億本で世界第8位の市場規模。アキジ・グループは「Naby」「Sheikh」などの有力ブランドを抱え、同国で第2位、約20%のシェアを持つ。買収は2018年7~9月期に完了する見通し。
JTは7月にロシア4位のたばこ会社ドンスコイを約1900億円で買収したばかり。国内を含め先進国を中心にたばこ需要が縮小する中、新興国で積極的なM&Aを展開している。
キユーピー<2809>、グルメデリカを三菱商事<8058>に譲渡
キユーピーは100%子会社のグルメデリカ(東京都調布市)が手がけるコンビニ向けの弁当、おにぎり、総菜などの製造・販売事業を三菱商事に譲渡することを決議した。会社分割により同事業を承継する新設会社(新グルメデリカ)の株式80%を三菱商事に譲渡する。
グルメデリカの主力取引先であるローソンの親会社である三菱商事から、グルメデリカの株式取得の申し出があり、会社分割による事業譲渡を決めた。事業を引き継ぐ受け皿会社は10月1日付で設立する。キユーピーは三菱商事傘下となる新設会社の株式20%を保有することにしており、ローソンでの中食事業を引き続きサポートする。
譲渡価額は非公表。譲渡予定日は2018年10月1日。
エー・ピーカンパニー<3175>、「串亭」「二平」のリアルテイストを子会社化
エー・ピーカンパニーは飲食店運営のリアルテイスト(東京都渋谷区。売上高5億2900万円、営業利益1730万円、純資産4270万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。
リアルテイストは串揚げの「串亭」、鉄板懐石の「二平」などを関東中心に13店舗を展開している。エー・ピーカンパニーは居酒屋「塚田農場」「四十八漁場」ブランドの店舗展開で知られ、リアルテイストを取り込むことによりグループ事業の拡大を目指す。
取得価額は未確定。取得予定日は2018年12月下旬。
アマダホールディングス<6113>、材料供給装置メーカーのオリイメックを子会社化
アマダホールディングスは名村造船所傘下の機械メーカー、オリイメック(神奈川県伊勢原市。売上高89億9000万円、営業利益7億4600万円、純資産73億8000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。
オリイメックは金属プレス加工ラインの自動化に必要な材料供給装置や搬送ロボットなどの周辺機器を主力とする。アマダは板金加工機械の最大手で、グループ内でプレス加工機械を手がける。オリイメックを傘下に置くことにより、プレス加工機械と各種周辺機器を一体化させた自動化ソリューションをワンストップで提供できる体制が整うと判断した。
取得価額は125億円。取得予定日は2018年10月1日。
KDDI<9433>と電源開発<9513>、新電力のエナリス<6079>にTOB実施
KDDIとJパワー(電源開発)は、東証マザーズに上場する新電力のエナリスに対して共同でTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。KDDIは現在同社株式を29.9%保有しているが、両社で50.6%以上の保有を目指す。
両社の保有割合が議決権の3分の2以上になった場合、エナリスは上場を廃止する。その後、出資比率をKDDIが59%、Jパワーが41%になるように配分する。買付価格は1株あたり700円で、TOB公表前日の終値483円に対して44.93%のプレミアムを加えた。買付額は最大で約240億円。買い付けは11月上旬から始める予定。
エナリスは法人需要家向け電力販売サービスの他、ITを活用した効率的な電気利用を促進する各種サービスを展開している。KDDIは通信事業で培ったノウハウを新電力の事業運営に展開する。Jパワーは最終需要家への電力販売を手がけるエナリスを通じて、間接的ながら販売チャンネルの多様化につなげる。
両社で50.6%を取得したものの、議決権数3分の2に満たなかった場合、エナリスは上場を維持。50.6%に満たなかった場合はTOB不成立とする。
FUJI<6134>、半導体製造装置メーカーのファスフォードテクノロジを子会社化
FUJIは、半導体製造装置メーカーのファスフォードテクノロジ(山梨県南アルプス市。売上高92億8000万円、営業利益7億3300万円、純資産30億9000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。
ファスフォードは半導体製造の後工程で使われるダイボンデイング装置を主力とし、OSAT(半導体後工程受託生産会社)などに豊富な納入実績を持つ。FUJIは産業用ロボットメーカーとして、電子部品実装ロボットやロボット搬送システムを搭載した工作機械を手がけ、なかでも電子部品実装ロボットでは世界有数のシェアを持つ。半導体関連技術を取り込み、ロボット分野との連携による新たな製品開発など事業領域の拡大につなげる。
取得価額は219億円。取得予定日は2018年8月31日。
デジタルハーツホールディングス<3676>、ソフトウエア第三者検証サービスのエイネットを子会社化
デジタルハーツホールディングスは、ソフトウエア第三者検証・評価検証を主力とするエイネット(長野県上田市。売上高2億5100万円、営業利益2040万円、純資産1億2300万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。エイネットは1989年設立で、テストの要求分析から基本設計・詳細設計、テストチームマネジメント、評価まで一連のテスト事業を展開し、医療機器検証の分野で実績を積んでいる。デジタルハーツは同社を取り込むことにより、テスト分野のなかでもとくにIT技術の利活用で急速な成長が見込まれる医療・ヘルスケア領域に進出する。
取得価額は非公表。取得日は2018年8月31日。
トラスト・テック<2154>、英国の人材派遣会社Quattro Groupを子会社化
トラスト・テックは子会社を通じて、製造スタッフの人材派遣を手がける英国Quattro Group Holdings Limited(売上高62億3000万円、営業利益2億1000万円、純資産2億9100万円)の株式75%を取得し子会社化することを決議した。
Quattro Groupはイングランド東部に営業拠点を置き、食品加工業や製造業を主要顧客として人材派遣サービスを提供する。トラスト・テックが英国に持つ現地子会社Gap Groupはイングランド中・西部、ウェールズ全域で同じく食品加工業や製造業向けに人材派遣サービスを展開しており、新たにQuattro Groupを取り込むことにより、地域相互補完関係を生かし、事業拡大につなげる。
取得価格は10億5000万円~11億9000万円。取得予定日は2018年8月中。
アステラス製薬<4503>、英国の眼科疾患特化のバイオベンチャーQuethera社を買収
アステラス製薬は、Quethera Limited(英国ケンブリッジ、Quethera社)を買収した。対価は現金で、一時金およびあらかじめ契約で定められた条件に基づく支払いを合わせ、最大で85 百万ポンド。
Quethera社は、緑内障など眼科領域における新規の遺伝子治療の開発に注力する英国のバイオベンチャー企業。
本件M&Aにより、アステラス製薬は、緑内障患者の網膜に治療遺伝子を発現させる遺伝子組換えアデノ随伴ウイルスを活用した遺伝子治療プログラムを獲得する。
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