三菱商事<8058>、米国の豚肉加工会社を買収
三菱商事はアメリカでハムやソーセージを製造する豚肉加工会社を買収する。買収額は百数十億円とみられ、三菱商事が米国に持つ豚肉事業子会社の傘下に入る。米国では経済成長と人口増が続き、豚肉の消費量が増えている。買収会社が持つ小売店への販売基盤を取得し、拡大市場で既存事業との相乗効果を狙う。
三菱商事子会社で養豚や食肉加工のインディアナ・パッカーズ(インディアナ州)が買収するのはスペシャルティー・フーズグループ(ケンタッキー州)で、「ケンタッキーレジェンド」ブランドでハムやソーセージを全米で展開している。このほど、パッカーズ社がスペシャルティー社の全株式を取得することで、株主である複数の投資法人と合意した。
パッカーズ社はスペシャルティー社向けに加工用の豚肉を提供し、上流から下流まで包括的な豚肉ビジネスを進める。また、スペシャルティー社が持つウォルマートなど小売店への販売網を新たに獲得する。パッカーズ社が強みを持つ外食や卸業者への販売ルートでスペシャルティー社の加工肉の販売も広げていく。
米国では豚肉消費量が増えており、2017年の国内消費量は約950万トンだが、10年後には1050万トンに伸びる見通し。年率で3%前後の経済成長が進み、一般消費者の肉食傾向が微増。人口も増え続けている。
米国は養豚のほかトウモロコシや大豆といった飼料穀物の一大産地のため、豚肉生産のコスト競争力が世界的に高い。現在は米中間の貿易摩擦の影響で米国産の穀物価格が下がり、生産コスト減がさらに進む。養豚業や豚肉加工業には、追い風となる可能性もある。
電通<4324>、オーストラリアのマーケティングテクノロジー会社アミクスデジタル社の全株式取得
電通は、海外本社である電通イージス・ネットワークを通じて、Amicus Digital Ventures Pty Ltd(オーストラリア・シドニー、アミクスデジタル社)の全株式を取得することについて、アミクスデジタル社株主と合意した。
電通グループは、テクノロジーを活用したデータ分析に強みを持つデータマーケティング会社Merkle(米国・メリーランド州)の、オーストラリアにおける事業規模の拡大とサービス機能の強化に取り組んでいる。
アミクスデジタル社は、オーストラリアの大手マーケティングテクノロジー会社。オーストラリアにおけるセールスフォース・ドットコム社のゴールドパートナーとして、セールスフォースマーケティングクラウド活用に関するコンサルティングサービス等を提供している。
本件M&Aにより、電通グループは、アミクスデジタル社のブランド呼称を「Amicus Digital, a Merkle
Company」へと改称し、競争力の高いデータマーケティングサービスを提供することで、オーストラリアにおける成長戦略の加速を図る。
ドリームインキュベータ<4310>、フリーランス人材プラットフォーム運営のワークスタイルラボを子会社化
ドリームインキュベータは、フリーコンサルタントのマッチング・プラットフォーム事業を運営しているワークスタイルラボ(東京都千代田区。売上高7億5200万円、純資産4100万円)の全株式を取得し、子会社化することを決議した。
ワークスタイルラボは戦略/IT系コンサルタント、各種専門家などのプロフェッショナルと、こうした人材を経営課題の解決に活用したい企業をつなぐマッチング・プラットフォームの運営を主力し、約2000人が登録されている。働き方改革などを背景に、フリーランスとして働く人材が急速に増えているという。
ドリームインキュベーターはワークスタイルラボを取り込むことで、今後、フリーランスのプロフェッショナル人材のネットワークを拡大し、日本におけるコンサルティングビジネスの構造改革につなげる。
取得価額は非公表。取得予定日は2018年8月31日。
ADEKA<4401>、日本農薬<4997>をTOBなどで子会社化
ADEKAは日本農薬を連結子会社すると発表した。TOB(株式公開買い付け)と第三者割当増資の引き受けを通じて、所有割合を現在の24%から51%に引き上げる。日本農薬の上場(東証1部)は維持する。
ADEKAはTOBを実施して1205万6049株(所有割合18%)を追加取得し、既存分と合わせた所有割合を42%に高める。そのうえで第三者割当増資を引き受けて所有割合を51%とする。TOBの買付価格は1株900円で、TOB公表前日の終値に対して34.33%のプレミアムを加えた。買付代金は108億5000万円。買付期間は2018年8月22日~9月19日。第三者割当増資の払込金額は1株670円で、総額約80億円。
ADEKAは樹脂添加剤、化学品、食品に次ぐ第4の柱としてライフサインエス分野をターゲットの一つしている。日本農薬はADEKAの前身である旭電化工業の農薬部門を母体として設立され、かねて緊密な関係にあるが、現在の持ち株比率(持分法適用会社)ではスピード感をもってライフサイエンス事業を発展させるうえで不十分と判断し、連結子会社化することにした。
インテージホールディングス<4326>、アサツーディ・ケイ傘下の医学・医療広告代理店の協和企画を子会社化
インテージホールディングスはグループ会社を通じて、医学・医療専門広告代理店の協和企画(東京都港区。売上高41億9000万円)の全株式を取得し子会社化することを決議した。
協和企画はアサツーディ・ケイ傘下で、医薬品販促や医療関連教育のコンテンツの制作、医師会・学会などの企画運営を行うプロモーション事業、処方箋のデータソリューション事業などに強みを持つ。インテージホールディングスはグループ会社のアスクレップ(東京都豊島区)をヘルスケア分野の中核会社とし、CRO(医薬品開発支援)事業を展開している。協和企画を取り込むことにより、ヘルスケア分野の事業拡大につなげる。
取得価額は非公表。取得予定日は2018年9月28日。
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