エヌ・デーソフトウェア<3794>、投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズと組んでMBOを実施し株式を非公開化
東証2部上場でソフト開発会社のエヌ・デーソフトウェアは7日、MBO(経営陣による買収)によって株式の非公開化を行うと発表した。独立系投資ファンド、ジェイ・ウィル・パートナーズ(東京都千代田区)の傘下企業であるジェイ・ケイ・イー(東京都新宿区)がエヌ・デーソフトウェアに対して完全子会社化を目的とするTOB(株式公開買い付け)を実施する。エヌ・デーソフトウェアの佐藤廣志社長ら経営陣の依頼に基づき、MBOの一環として行われる。
エヌ・デーソフトウェアは1979年に設立し、介護・福祉分野のパッケージソフト開発で実績を積んできた。主力の介護・福祉市場での事業領域の深化・拡大を見据え、次世代システムの開発や人材面などでの大型投資を長期的視点から進めるには株式の非公開化が望ましいと判断した。今後はパッケージソフト(クライアント・サーバー型)にとどまらず、ネットワーク経由でのアプリケーションソフトの開発を推進し、顧客利便に幅広く対応する。
買付価格は1株1700円で、TOB公表前日の終値1320円に対して28.79%のプレミアムを加えた。買付金額は299億円。買付期間は2月8日~3月25日。
ノーリツ鋼機<7744>、PBT(化学繊維)ブラシ製造のsoliton corporationを子会社化
ノーリツ鋼機はPBT(化学繊維)ブラシを製造販売するsoliton corporation(京都市)の全株式を取得し子会社化した。
solitonは筆ペンをはじめ、アイライナー、アイブローなどのブラシを累計2億本以上納入している。とりわけPBTブラシ開発のパイオニア企業として知られる。ノーリツ鋼機は同社を傘下に取り込むことで、PBTブラシ・中継芯・組付けの一体型開発が可能になるとしている。
ノーリツ鋼機は2014年にペン先製造最大手のテイボー(浜松市)を買収した。テイボーはペン先事業で培った技術を生かして、新たに各種化粧品の中継芯などのコスメ事業の育成に取り組んでいる。
取得価額は非公表。取得日は2019年2月1日。
NTTデータ<9613>、デジタルマーケティング支援のネットイヤーグループ<3622>をTOBで子会社化
NTTデータは、東証マザース上場でインターネット活用によるマーケティング支援業務を手がけるネットイヤーグループをTOB(株式公開買い付け)で子会社化することを決議した。議決権ベースで60%の株式取得を目指す。東証マザーズ上場は維持する。ネットイヤーは今回のTOBに賛同を表明している。
買付価格は1株850円で、TOB公表前日の終値416円に104.33%のプレミアムを加えた。買付価格は35億6855万5000円。買付期間は2月6日~3月6日。
ネットイヤーは1997年に、電通の傘下企業の米国法人の子会社として発足し、ネットを活用したマーケティング支援事業やインキュベーション(ふ化)事業を展開。1998年に経営陣による買収(MBO)により電通グループから独立し、翌1999年に日本国内拠点としてネットイヤー・ナレッジキャピタル・パートナーズ(2003年に現社名に変更)を設立し、今日にいたる。
ネットイヤーはオウンドメディア(広報誌、Webサイトなど自社媒体)やアーンドメディア(ブログやSNSなど)のデータ活用を通じた経営・マーケティング部門に対する問題解決力に強みを持つ。NTTデータは同社を傘下に取り込むことで、顧客企業の経営・マーケティング・ITを横断した包括的なソリューション提供が可能になると期待している。
キリンホールディングス<2503>、協和発酵バイオの株式95%を1280億円で取得し直接の子会社に
キリンホールディングス(HD)は傘下の協和発酵キリンの全額出資子会社で医薬・工業用原料やヘルスケア製品を手がける協和発酵バイオ(東京都千代田区。売上高782億円、営業利益81億2000万円)の株式95%を取得することを決議した。協和発酵バイオを現在の孫会社からキリンHDの直接の子会社とすることで、成長が期待される健康領域の事業開発スピードの向上など、グループシナジー(相乗効果)の最大化につなげる。取得価額は約1280億円。取得予定日は2019年4月24日。
協和発酵バイオは2008年に協和発酵工業(現協和発酵キリン)のバイオケミカル事業を分社して設立。アミノ酸、核酸、ビタミン、ペプチド、合成化合物などを国内外に供給している。2017年にはキリンHD、小岩井乳業、協和発酵バイオのグループ3社共同研究による「プラズマ乳酸菌」を事業化するなど協業を進めてきた。
京セラ<6971>、欧州2社を買収 機械部品事業を強化
京セラは4日、欧州メーカー2社を買収すると発表した。ドイツのセラミック部品大手のエイチ・シー・スタルク・セラミックスとオランダの機械工具大手ファン・アーデン・グループで、買収額は非開示だが計200億円弱とみられる。米中貿易戦争で市場の不透明感が増すなか、買収で取得する欧州の生産・販売拠点を活用し、リスク分散につなげる狙い。
エイチ・シー・スタルク・セラミックスは親会社から4月にも全株を取得する。京セラと同じく半導体製造装置や産業機械用のセラミック部品を得意とする。京セラは日米の生産が中心だったが、買収により、ドイツの拠点を整備して供給体制を補う。
ファン・アーデン・グループは創業家から2月中にも全株を取得する。空圧工具と呼ばれ、住宅建築に使う業務用のくぎ打ち機が主力で、京セラは機械工具事業の欧州の供給体制を拡充する。
京セラはスマートフォン(スマホ)関連の電子部品受注が落ち込む一方で、太陽光発電事業の売り上げが想定を下回るなど苦戦が続いている。2021年3月期に売上高2兆円の目標を掲げており、中小型の買収を加速し、事業や販売の多角化で収益の底上げを図る。
直近では主力の電子部品のほか、建築用などで伸びが見込める機械工具事業などで相次いで買収を進めている。
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