富士フイルム<4901>、ドイツの内視鏡器具メーカー買収
富士フイルムホールディングスはドイツの内視鏡器具メーカー、メドワークを買収する。買収額は80億~90億円程度とみられる。同社は内視鏡の先端に取り付けて病巣を切り取る処置具を生産している。富士フイルムは医療機器などのヘルスケア部門を強化しており、買収で処置具の品ぞろえを強化する。
事業子会社の富士フイルムを通じて買収する。メドワークは1998年設立の処置具メーカーで、胆管などの病巣を切り取る処置具が主力だ。これまで富士フイルムは消化管内の腫瘍を切除する処置具を手がけており、メドワークの買収で処置具のラインアップが大幅に増える。
内視鏡の処置具は収益性が高い製品とされている。内視鏡の本体は新興国で市場が急速に伸びるが、先進国は更新需要が中心だ。処置具は一般的に使い捨てのため、病院への安定的な販売を見込める。処置具の市場規模は4500億円程度とされており、富士フイルムは買収をシェア拡大の推進力にする。
メドワークの販売網はドイツを中心とした欧州に限られていた。富士フイルムは自社の販路をいかしてメドワークの製品を米国などで拡販する。
内視鏡はオリンパスが世界シェア7割で、富士フイルムやHOYAが続く。オリンパスは処置具でも幅広い製品をそろえる。富士フイルムも処置具を強化し、オリンパスを追う。
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