こんにちは。キャリア インキュベーションの中村です。
初めて投稿しますので簡単に自己紹介しますと、大学卒業後にエージェントへ入社、その後は米系人事コンサル⇒製薬会社人事⇒当社という経歴です。
さて、今回はコンサルタントが事業会社へ転職し、成功と失敗を分けるポイントについて述べたいと思います。
コンサルタントと事業会社(経企やマーケ・人事・情報システムなど)はプロジェクトにおけるカウンターパートでもありますし、お互いを行き来する転職はよく見られます。
しかし、一方で、「これまでコンサル出身者を何人も採用したけど当社にはどうも合わないみたいです。。。」という声を事業会社人事からお聞きすることもしばしばあります。
コンサルタントは一般的に優秀といわれ、論理的で勤勉で仕事熱心な方が多いにも関わらず、なぜ適合しないケースが少なからずあるのでしょうか?
元コンサルタントで今は事業会社で活躍されている方からのインタビューを通じて「コンサル出身者が事業会社で活躍するために別の必要な能力」を下記のとおりまとめてみました。(「今は別の脳みそを使っているよ」などとよく言われる所以です。)
コンサル出身者が事業会社で活躍するために(別の)必要な能力
- ①非合理的な状況を許容する力
- ②会社の現状に合わせた提案ができる力
- ③キーパーソンへの根回しができる力
①非合理的な状況を許容する力
事業会社で日々営まれている経済活動には非合理的と思われる場面によく遭遇します。戦略上組織設計や人の配置はこうすべきだ、外部環境も変化しているので当社もこうあるべきだ、と思ったとしても、その事業会社には長年その進め方で営んできた歴史があるので、それをすぐに変えることは至難の業です。それを間違っている!などと周囲の信頼を得る前(入社間もないタイミング)に言ったりすると、うるさい奴だなと思われて終わりです。むしろ、そういった非合理的な状況を好機とみて、いざというときにサポートできる体制を整えてあげると周りから感謝されるようです。
②会社の現状に合わせた提案ができる力
コンサルタントは現状の課題抽出から解決策まで鮮やかに導き出します。企画書の作成技術も秀逸です。しかし、そんな素晴らしい企画書を経営陣に対してプレゼンしたとしても、課題は今さら言われなくてももうわかっている、解決策もドラスティックすぎてイメージできない、などの結果になるケースがよくあるようです。インプリに関して現場感とずれがあり、数年かけて会社を変えていくといった、会社の現状に合わせて段階的に提案していく力が別に求められるようです。
余談ですが、事業会社ではそもそも綺麗な企画書はあまり求められません。重要事項を決済する経営会議や取締役会の資料もwordが多く、こういったところにもアンマッチが生じる理由になっていると思います。
③キーパーソンへの根回しができる力
私が尊敬するある先輩が「コンサルタントはピュアだ」と言っていました。
それが意味することは、コンサルタントはクライアントの成功に目を向けて、ひたすら真剣にプロジェクトに邁進することだ、ということを指しており、一方の事業会社では、多方面に目を配りながら自分の企画の了承を得ながら進めていく必要があるということです。
普段何気なくオフィスを徘徊し、キーパーソンと日常会話をすることで話しやすい関係性を構築していくことや、うまい具合にキーパーソンに徐々に刷り込んでいく技や、情報を小出しにして了承を得ていく技、など様々な技術が存在するそうです。
さて、こんな話しをしていると事業会社の働き方がつまらなそうにも見えそうですが、事業会社に転職するコンサルタントの多くがキーパーソンとして期待されて入社します。自分がハンドリングすることで会社が少しずつ変わっていく様や、組織が成長していくダイナミズムを体験できることは他では得られにくい経験だと思います。また、経営幹部になれば動かせる金額や人員なども大きく、とてもやりがいのある仕事であることに異論はないでしょう。
当社ではポストコンサルとして、コンサルタントを募集している事業会社の求人を多数揃えていますので、ご興味のある方は是非ご相談ください。
●コンサル業界から事業会社に転職をお考えの方の個別相談会はこちら
(中村)