今回はこの半年間のコンサルティング業界の採用マーケットの動きを振り返りたいと思います。
コンサル業界の採用意欲は依然として旺盛で、戦略系、シンクタンク、総合系、IT系、FAS系、組織人事系、ブランド戦略系など全般で強いニーズがあります。
これまで採用していない新たな人材層の採用
全体に共通する大きな潮流では「Digital」「Design」「Innovation」などクライアントの売上アップのためのソリューションが強化され、ベンチャー起業家、総合商社の事業開発経験者、UXデザイナー、スマホアプリエンジニアなど今までにない経験者の採用が増えています。
コンサル会社への期待の変化
同時にコンサルティングファームのビジネスモデル自体も変化し、従来のFeeモデル以外にも成功報酬型、JointVentureによる利益分配、自ら投資事業を始めるなど多角化が顕著になってきています。これは、クライアント企業の要求が既存事業の成長支援や効率化・コストカットでは満足せず、新たな収益源になり得るような実業をコンサル会社と共にどれだけ高速でつくれるか、というところまで期待されるようになっているからです。
高まる企業のリスク管理への認識
また会計事務所系では企業の不正会計、情報漏洩事件などを背景に、「Forensic(不正調査)」「Cyber Security」などの、有事に備える、未然に防ぐためのアドバイザリーニーズが拡大しています。経験者の少ない領域のため、特にITの素地のある人材を未経験で採用し育てるという流れができています。
コンサルティングファームでもワークライフバランスを保てる!?
世の中の流れにもれず「働き方改革」もコンサル業界の注目テーマで、時短、在宅勤務の推奨、残業時間のモニタリングによる生産性向上など、労働集約型からの脱却に本格的に取り組み始めているファームもでてきています。ダイバーシティの強化をグローバルで数値目標として抱えているファームもあり、より一層女性が歓迎されています。
若手の働く環境は良くなっているという一方で、マネージャ層にしわ寄せがきているという声も聞きますので、この点は定着、全体最適にはまだまだ時間がかかりそうです。
売り手市場の今は市場価値をはかるチャンス
昨年、一昨年と採用ニーズの高かった第2新卒クラスの採用ニーズは落ち着きつつあり、コンサル経験者、マネージャー以上の即戦力採用のニーズが顕著です。
ビジネスの拡大に伴い、大きな組織再編をするファームも見られ、パートナー・MDクラスの人の動きはまだ続きそうです。
コンサル経験者の方は足元のプロジェクトで忙しい中と思いますが、売り手市場の今こそ、現状に満足せず、よりレベルの高い環境、難易度の高い経験のできるファームを求めて同業を見てみるというのも良い機会ではないでしょうか。
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(藤木)