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デジタル/デザインコンサルティング業界のトピック(2019年)

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デジタルコンサルティング業界を担当している服部です。
早いもので約1年半ぶりのブログとなります。私もこの1年で多くのデザイン/デジタル組織の人材採用や転職をお手伝いさせて頂きました。また、以前からご縁を頂いていた元IDEOの石川さんに当社のアドバイザーに就任頂けるなど、業界のリーダーとのご縁が続いていることは本当に感謝です。

2020年は定期的にブログを通じて、デジタルコンサル、デザインコンサル分野の動きを発信して参りたいと思っております。

まず今回は今年の振り返りとして、印象的だったトピックをなぞっていきます。

デジタル組織の立ち上がりと人材異動

KPMGコンサルティングは2019年7月にignition tokyoを開設。立ち上げ期のリーダーだったPhilip氏(元Designitのディレクター)からソニー、楽天常務を経てジョインした茶谷氏にバトンタッチ。

2019年10月Mckinseyが六本木に「IoT Center Japan」を開設。同時にデータアナリティクス会社の「QUANTUMBLACK」の存在もオープンにしました。ベールに包まれたMckinseyがイベントスペースを作り、大々的なプレスリリースをしたのは時代の変化を感じます。

また、業界をけん引していたデロイトデジタルはグループ内のモニターデロイトに合流し、リネームされました。私が約4年前に取材した、デロイトデジタルのコアメンバーが卒業され、BCGやAccentureDigital、Mckinsey Digital、KPMG、電通へと移籍され、活躍されています。コンサル業界のデジタル組織はデロイトデジタル出身者が中心メンバーになっていることが多く、まるでデロイトマフィアのようです。

ファーム間でも、PwCコンサルティングの代表を務めていた椎名氏がKPMGコンサルティングに移籍。デロイトトーマツコンサルティング社長の近藤氏がEYグループに移籍、PwCのテクノロジーチームを率いていた松崎氏もデロイトトーマツコンサルティングに移籍するなど、当社でもお付き合いのあったビッグネームの方の競合移籍が続きました。

今のデジタルコンサル業界はどのようになっているのでしょうか。ざっくりとですがまとめてみました。

主要ファームとデジタル/デザイン組織(2019/12時点。当社調べ)

●BCG
・Technology Advantage
・GAMMA
・Platinion
・BCG Digital Ventures

●Mckinsey
・Digital Mckinsey
・Mckinsey Digital Labs
・QUANTUMBLACK

●Accenture Digital
・Interactive/IMJ
・Applied Intelligence
・Industry X.0

●Deloitte Tohmatsu Consulting
・Monitor Deloitte(Deloitte Digital)
・Deloitte dX Garage

●PwC Consulting
・Experience Center

●KPMG Consulting
・SGI (Strategic Growth Initiatives)
・Ignition

各ファーム、非常に勢いがありますが、先んじて勢いと実績を積み上げているのはアクセンチュア、BCGです。今回はこの2社について、もう少し掘り下げてみます。

アクセンチュアのデザイン組織

2019年5月。アクセンチュアがDroga5を買収。日本ではあまり大きく報じられていませんが、海外では新進気鋭のクリエイティブエージェンシーがコンサルファームに買収されたことをセンセーショナルに報じていました。日本のエージェンシー業界では「まさか!」という話だったようです。
アクセンチュアは下記の通り精力的に買収を続けており、まさに総合ファーム化しています(https://forbesjapan.com/articles/detail/26680を元に服部が加筆)

アクセンチュアの買収事例

2013年5月:「Fjord(フィヨルド)」ロンドンのデザイン会社買収からデジタルマーケに進出

2013年5月:「アクイティ・グループ」香港のEコマース専門企業(買収額:3億1,600万ドル)

2015年7月:「ケイオティック・ムーン・スタジオ」テキサス州に拠点を置くアプリ開発業者

2015年8月:「FusionX」ワシントンD.C.に拠点を置くサイバーセキュリティ企業

2016年5月:「OPSルールズ」機械学習によるデータ分析アプリケーション会社

2016年9月:「カート・サーモン」小売業界を得意とする世界的な戦略コンサルティング企業

2016年11月:「Karmarama(カーマラマ)」イギリス国内取扱高で第3位のエージェンシー

2017年12月:「IMJ」国内大手のデジタルマーケティング企業

2017年:SinnerSchrader(ドイツ)、Kunstmaan(ベルギー)、The Monkeys(オーストラリア)、MATTER(米国)、Wire Stone(米国)など、受賞歴を持つエージェンシーを買収

2018年1月:「Mackevision」ドイツ拠点のCGIクリエイティブエージェンシー

2018年:Adaptly、Altima、Kolle Rebbe、Kaplan、HO Communication、MXM、New Content、Rothco(Eurobest 2018でAgency of the Year賞を受賞)など、受賞歴を持つデジタルマーケティング・エージェンシーやクリエイティブエージェンシーを9社

2019年:Hjatlelin Stah、Shackleton、Storm Digital

2019年5月:「Droga5」ニューヨークとロンドン拠点のトップクリエイティブエージェンシー

上記のうち、日本のアクセンチュアに存在するのはカートサーモン(戦略グループと合流しブランドは消滅)とIMJとMckkevision。そしてついに、2019年11月にFjord東京が開設されました。

さかのぼるとアクセンチュアがFjordを買収したのは2013年。買収当初しばらくは海外オフィスでカルチャーの衝突が起こっているとデザイナーの方々から聞きましたが、あえて組織もブランドも独立させるなど丁寧なPMIが功を奏し今やFjord単体で1200名を超え、Accenture Interactiveのコアケイパビリティの一部なっていると聞きます。日本でもデザイン思考や人間中心設計の関心が高まり、アクセンチュアの東京オフィスでもFjordは待望されていました。

そしてようやく近年、顧客起点のサービス開発や統合マーケティングが浸透し、クリエイティブとコンサルティングが融合した結果、ついに東京オフィスの立ち上げとなりました。Fjordオーストラリアのエドワルド氏と、UXスタジオ統括の番所氏の2人がCo-Leadとして新しいブランドを立ち上げています。

アクセンチュアはデザイナーを活かすファームの先駆けに

私も日々多くのコンサルファームのデザイナーの方とお話しますが、やはり「クリエイティブ」を許容する文化はパートナー陣のデザインリテラシーの高さと右脳と左脳が混ざったカオスな状況を受け入れる我慢強さによって醸成されるものだと思います。

アクセンチュアの代表江川さんは自らアートやデザインについて現場のメンバーから話を聞いたり、オリジナルのデザイン思考のフレームワーク「Accenture Form」を作ってトップダウンで全社に展開したりデザインの価値についても深い理解を示していると聞きます。

日本のアクセンチュアインタラクティブ統括とIMJの代表を兼務する黒川さんもアクセンチュアインタラクティブをゼロから立ち上げ、IMJとの統合を成功させた大変優れたリーダーですし、アイソバー(現電通アイソバー)のファウンダーを経てジョインしたパートナーの内永さんのようなアイコニックな存在が差別化の要因になっています。

デジタル組織だけで1000名を超える規模になったアクセンチュアはタレントの多さや組織の成熟度で大きく差をつけていて、さらに差を広げていくのではないでしょうか。

BCGのデジタルシフトはさらに加速

BCGにはDigitalBCGのコアメンバーに取材させて頂き(パートナーインタビュー現場インタビュー)、おそらく業界でも初めてオフィシャルなDigitalBCGとしての取材記事をリリースしました。取材の中ではデジタル関連人材が200名を超え、プロジェクトの4割がデジタル関連案件になっていると驚きの情報もありました。

2016年のBCG Digital Venturesの東京オフィス開設が大きな契機となり、2018年5月のDigitalBCGの立ち上げ、その後もデータサイエンスチームのグローバルチームGAMMA、デジタルエキスパートチームのPlatinionの日本チームの立ち上げなど、BCGの再注力アジェンダの一つにデジタルトランスフォーメーションが入っていることを強く感じます。

BCGのコアバリューに「多様性からの連帯」というBCGらしさを象徴する言葉があります。まさに異なる能力を持った方たちが協創することで価値を最大化することを意味する言葉ですが、BCGが異能人材も受け入れて急速にデジタル化を進めているのはその変化を許容する柔軟性があるからだろうと思います。

ここ最近でもデザイナーやDevOpsエンジニア、Agileコーチやクラウドアーキテクト、データエンジニアやセキュリティエキスパートのようなテクノロジーエキスパートも積極的に採用をしており、各業界のエース級の方が入ってきていると聞きます。きっとBCGはまたBCGらしさを体現したデジタル組織をつくっていくことでしょう。

求められる人材は言うだけではなく、やれる人

イノベーションブームは過剰な期待を超えて、穏やかに成熟期に入ってきたと思います。デジタルトランスフォーメーションのテーマもWhy,What(なぜやるか、何をするか)ではなく、How(どうやるか、どう定着させるか)へ変わってきました。そして最も重要なのはWho(誰がやるか)。それゆえ知識や方法論だけではなく、実践の勘所を抑えたコンサルタントが必要とされています。

レガシーマイグレーションとデジタル関連のプロジェクトは活況を呈していると聞きます。デジタル化案件の多くはPoCで頓挫してしまい、なかなか全社展開につながりにくいという声も聞きますが経営トップにリーチできる戦略ファームのデジタル組織はその点で大きなアドバンテージがあります。決して採用のハードルが下がっているわけではありませんが、確実に間口は広がっており、戦略コンサルは敷居が高く感じるけれども、デジタル戦略コンサルタントであればチャレンジしてみたいという方には非常に良いタイミングだと思います。

振り返って改めて感じますが、テクノロジーの進化もさることながら、組織のライフサイクルがとても速く、刻一刻と変化しているのがデジタルコンサル業界です。それゆえ採用要件も変わりやすく、以前は受かっていた人も落ちてしまったり、逆も然り。コンサルファーム、特にトップファームはやみくもに応募しても決して受かる業界でもありません。来年も世の中の活況と共に、デジタル投資はまだまだ続くと思われます。まだ迷われている方は是非当社に頂ければ、ご経験やご希望に応じて最適なファームやポジションをご提案させて頂きますので是非お気軽にご相談ください。

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服部

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