BCGのデジタル変革
先日BCGから「BCGデジタル経営改革」というムック本が出版されました。BCGが提供するデジタル変革をテーマごとに各領域のリーダーが詳しく説明した本になっています。
BCGは他の戦略ファームに先駆け、デジタル化に取り組んでいます。2016年に立ち上がったBCGデジタルベンチャーズ 東京オフィス、2018年に立ち上がったDigitalBCG、BCG本体のテクノロジーアドバンテッジ。新規事業創出、Newテクノロジーの活用、デジタルトランスフォーメーションとクライアントのデジタル変革を支援する組織を創りあげてきました。
私がサポートし始めた数年前はテクノロジーに精通した戦略コンサルタントを探していたように思いましたが、今や職種も分野ごとに細分化され、データサイエンティスト、UXデザイナー、アーキテクト、アジャイルエンジニアなどコンサルタントではないエキスパートが採用されるようになってきました(実際のプロジェクトもコンサルタントとエキスパートの混成チームの案件が増えていると聞きます)
コンサルファームにイノベーションは起こせない?
先日、経済メディアの「Newspicks」でコンサルタント3.0と題して変化するコンサルティング業界を特集していました。
全体のトーンでも「コンサルはイノベーションは起こせない」「拡大するコンサルティングサービスは高級派遣業」など少し厳し目の論調で書かれていました。
アクセンチュアインタラクティブの黒川パートナーはコンサルとデザイナーを混ぜてしまうとうまく回らないと仰っていましたが、確かにそういう時期が長く続いていたように思います。
デジタルトランスフォーメーションは足が長く現在進行形の案件も多く機密情報でもあるので、成功事例と言えるものがコンサルファーム側からは出せないのですが、成功例といえる事例も出てきていると聞きます。
その前提となるのはステークホルダーの迅速な意思決定や実行スピードがセットになっていること。イノベーションやデジタル化が大事とは言っても、経営陣の任期が短く結局最後の意思決定が先送りされるケースも少なくないと聞きます。
デジタル変革の主役はコンサルよりもクライアント
前述の通り、社長の任期が2期4年の大企業では、任期中に大鉈を振るう大胆な改革は難しく、小規模なPoCで終わることも多いので、ここ2〜3年はメディアで見るデジタル化の代表例はオーナー企業や外資系企業が多かったように思います。
一時期はコンサルファームと事業会社のジョイントベンチャーが流行りましたが、それも少しトーンダウンしています。経営陣と現場の乖離から、中核の人材が流出することも見かけるようになりました。
コンサルファームとクライアントという垣根はどんどんなくなり、ファームでも事業会社でも当事者意識を持ってやりきる人でないと難しくなってきているように思います。
コンサルファームでも事業会社でも同じプロフェッショナルが求められる時代
現在、とあるコンサルファームのご紹介で大手金融機関のデジタル戦略室の人材採用をお手伝いしています。
以前からこのファームがデジタル戦略のサポートをハンズオン支援していたのですが、外部からの支援が無事に軌道に乗ったので、クライアントが自立・自走できるための人材が外部から必要になったのでお声がかかったというわけです。
スクラムマスター、アジャイルコーチ、UXデザイナー、データサイエンティスト、PMOなど、コンサルファームと同様のスキルセットを持った人材を求めています。
大事なのは、スキルが身につくかよりもどんなチャレンジができるか
NewsPicksで経営共創基盤の塩野さんはコンサルタントのパターンは「スーパーカスタマイズ、テンプレ型、高級派遣」の3つに分割されると言っていました。
もちろん、生き残るのは正解の無い問いに答えが出せる「スーパーカスタマイズ型」
これからの時代、大事なのはどんなスキルを身につけるかではなく、どんな難題、課題に取り組むか。デジタルコンサルはまさにその真っ只中にあります。
デジタルコンサル業界の最前線に興味がある方はぜひご相談くだされば幸いです。
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(服部)