今回から2回に分けて、デジタルコンサルティング業界について振り返りたいと思います。
●デジタルコンサルティングが盛り上がった背景
最も大きな転機となったのは2007年のiphoneの登場でしょう。
パソコンでしかアクセスできなかったインターネットにいつでもアクセスできるようになったことで
今までの作り手中心のマーケティングから、消費者中心のマーケティングに変化しました。
TVや雑誌のマス広告だけではなく、ネット時代に最適化したデジタルマーケティングが必要になったのです。
また、技術の進化であらゆる行動データが取れるようになり、高度な分析技術と組み合わせることで消費者の行動予測の精緻化や、医療診断のサポートや故障予測など多くの分野への応用が期待されています。
スマートデバイス、センシング技術の進化、データ分析環境の進化、人工知能の進化などのテクノロジーの進化とともにAmazon、Facebook、UBER、Airbnbなどの海外のテクノロジーベンチャーの躍進が日本企業の潜在的な危機感と結びつきデジタル領域のコンサルティングのニーズが増えていると聞きます。
●新組織設立、買収が続き採用が活発になった
2015年5月にマッキンゼーがデザインファームのLUNARを買収したことは経営コンサルティングとデザインファームの融合例として大きく注目されました。2016年に入ると2月博報堂がIDEO買収、4月には同じく博報堂DYグループが博報堂DYデジタルを発足。
アクセンチュアがIMJを買収するなど、ビックニュースが続きます。
同じく4月にBCGデジタルベンチャーズの東京オフィスを設立。その後、7月に電通デジタル、8月NRIデジタルの設立とまさに経営とデザインの融合、デジタルラッシュとも言える流れが来ています。
以前から存在するIBMのiX&M、アクセンチュアデジタル、デロイトデジタル、遅れて立ち上がったPwCのデジタルチームと同様に一つのサービスラインとして確立されたと言えるでしょう。
更には、アクセンチュアとファーストリテーリングの合弁会社「ウェアレクス」、
ローソンとシグマクシスの合弁企業「ローソンデジタルイノベーション」など今までのクライアントと協同でジョイント・ベンチャーを立ち上げ、新しい事業モデルを創るという動きも新たな動きです。
とはいえ「デジタル」とは何かとはなかなか分かりづらいのではないでしょうか。
次回は具体的なソリューションや各社の違いについて書いてみたいと思います。
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(服部)