キャリアインキュベーション藤木です。
今回はPMIコンサルの採用ニーズについてお話ししたいと思います。
●M&Aの成功を左右するPost Merger Integration
M&A案件の7割以上は期待通りの成果を得られていないというデータや声をよく見聞きしますが、M&Aの効果を最大限にするためのキーポイントとしてPost Merger Integration(PMI)という領域が注目されています。
Postという言葉から、M&Aが決まった後から入る実行部隊というイメージが強いと思いますが、PMIとひとくちに言っても、ファームやチームによって関与するフェーズや得意領域は違います。
FASのPMIチームと総合系ファームのPMIチームはPre Dealから関与することが多く、総合系ファームのインダストリーチームや、会計・IT・人事などのオペレーションチームで行うPMIは統合後数カ月~数年という長いスパンのものもあります。
以下では会計事務所系FASのPMIチームにフォーカスしてご説明します。
●統合後の支援だけではないPMIコンサル
FASのPMIチームでは、Pre dealのフェーズから統合後のDay100前後を中心に以下のようなサービスを支援しています。
・Pre Deal
デューデリジェンスや契約締結前の局面から、オペレーション観点からの取引範囲の特定や、そのための業務再設計と再構築に向けた支援など、最大の価値を生み出すためのDay1支援、Day100プランの策定等。
・Post Deal
M&A取引の契約締結後の局面では、買い手側の支援として、Day100プランにもとづく財務、ガバナンス、オペレーション全般の設計、統合を推進。
*それ以降のフェーズはグループのコンサルティングファームへ引き継いだり他ファームが入ったりすることが多いです。
その他下記のような業務も担います。
・カーブアウト(事業分離による買収支援、売却支援)
・ジョイントベンチャー(JV)立ち上げ
・オペレーショナルデューディリジェンス
・Re-PMI etc...
買収後の統合業務が行われないまま中途半端に放置されているケースも増えているようで、Re-PMIも今後ニーズが増えそうですね。
●企業経営の全領域を対象とするのがPMI
PMIの検討範囲は、経営ビジョンや組織文化・風土といった定性的なものから、事業拠点の統合・業務プロセスの統合など定量的なものまで、また、特定の業務領域に絞られることはなく会社経営の全般を対象とします。
クライアントのマネジメント層との密なコミュニケーションを通じ、様々な企業でのハイレベルな経営視野に触れることができるのも魅力の一つです。
●PMIコンサルに求められる人材
事業会社やコンサル側でPMIの経験のある方はマーケットにそういませんので、PMIそのものの経験はなくても構いません。また、業務領域も広いため全てを網羅している必要はありません。
・何らかのオペレーションの深い知識、経験
・何らかのコンサルティング経験
・M&A関連業務またはそのようなスピード感のある業務経験
これらの経験の掛け合わせと年齢、英語力などを総合的に判断しています。
特に志向としては以下のような方にオススメです。
・戦略の絵を描くだけでなく、実行支援の経験を積みたい
・特定の業界・業務領域のコンサルに特化するのではなく、PMIという軸でコンサルとしての知識・経験の幅を広げたい
・難易度の高いクロスボーダー案件の経験を積みたい
PMIコンサルの経験のある人材を求める事業会社も増えているようです。
弊社事業会社ブログはこちら
https://www.careerinq.com/industry/blog/2017/01/009655.shtml
●PMIコンサルをカバーする具体的なプレイヤー
会計事務所系ファームでは主に下記のような部門でPMIをカバーしています。
FASとコンサルでサービスラインの重複も一部あり、差別化が非常にわかりにくいため、各社の関与するサービス領域、採用ニーズなどの詳細をお知りになりたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。
・PwCアドバイザリー:Deals Operations Advisory
・PwCコンサルティング:PMI戦略コンサルタント
・デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー:Corporate Strategy
・デロイトトーマツコンサルティング:Post M&A Unit
・KPMGFAS:Integration & Separation
・EYトランザクション・アドバイザリー・サービス:Operational Transaction Services
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(藤木)